61話 師とヨハンは似ているのじゃ。全然似てないけど
かくして私は今までのヨハンとの短いながらも長い思い出を反芻しつつも、手紙が示すヨハンの居所……郊外にある屋敷へと来たのであった。
周囲には似たような屋敷が立ち並ぶも、その屋敷そのものは簡素な作りで、貴族でも位の低い者達や、金持ちの商人達が住んでいる区画であった。
ちなみに、当然のようにクラリエルとオレイユ、それとヴィヴィアーヌ達も連れて来ている。
あのヨハンの事である。ひょっとしたら、万が一の確率だが、病気は嘘である可能性がある。
そうでなくても、やはり嫁入り前の私が一人で男の所へ行くのはちょっと良くない。否、非常に良くない。
あとヴィヴィアーヌは勝手に付いてきた。一時期世話になったという理由である。
なお病気は嘘である可能性があると思っていたが、それはまったくの杞憂であった。
出迎えたのは雇われたと思われる歳のいったメイド。その顔を見れば手紙に書いてある事が真実であったと理解できた。
案内されるままに屋敷内へ入り、寝室へと案内される。
「おお。これはこれは……オドレイ様。よくぞ参られましたな」
ベッドの上のヨハンはそう言って歓迎してくれた。
「痩せたの。ヨハン」
私はそう言ってみせた。
その言葉の通り、少し痩せていた。顔色もあまりいい方ではない気がする。
「ええ、まぁ。あまり食べておりませんからな」
そう言って笑ってみせるヨハン。
いつもの「んんっっ」がない等、やはり死期が近いと理解できた。
その後はヨハンと当り障りのない話を行う。近況報告である。
その間に私は、かつての師である雪斎を思い出していた。
そういえば師も、最期はこういう感じであったな。と。
確かあれは武田の要請で川中島へ、長尾景虎率いる長尾軍との和睦の仲裁へ参る時であったか。
武田・長尾の両軍を上回る軍勢を率い、睨みつけた事により、さしもの毘沙門天の生まれ変わりを名乗る景虎と言えど応じざるを得なかった。
その和睦がなる五日程前に、師は亡くなった。
出立前に顔を覗いたが、まさにヨハンと似たような顔をしていた。
少し痩せていたし、顔色もあまりいい方ではなかった。
……今にしてみれば、どことなく、師とヨハン、どこか似ている気がする。
師もなんだかんだ言って何かと色事について言っていた。僧侶なのに。
松平の子倅こと竹千代と息子の氏真を教えた際に「竹千代殿は人妻を良き物。晩年は若い娘が吉でありまする。という私の話に目を輝かせて乗り気だったのに対して、氏真殿はあまり乗り気でない所を見るに、大名の器としては竹千代殿の方が見込みがありまする」と言って来た時はどうしてやろうかと思った。
確かに人妻いいけどさ。それを僧侶が言っちゃ駄目でしょ……。
「……ところで……オドレイ様に見せたいものがあるのです」
長尾景虎さんは後の上杉謙信公であらせられます。
テト式的には上杉謙信公は毘沙門天の転生体。つまり 毘沙門天「どうやら俺は異世界に転生してしまったようだ。この体の名前は上杉謙信というのか。よし頑張るぞ」という世界観です。
その軍神のチートを使っても倒せなかった武田信玄は紛れもなくチート、あるいは転生者です。間違いありません。風林火山とかいかにも中学2生が好きそうな単語じゃないですか。
と思って風林火山を調べたら、なんとその逸話は作り話だったようです。転生者による歴史改変が行われている!(違
そんな訳で次回は次回は6月の9日を予定していますが不明です




