51.1話 れっつ☆おしるこえんじょい。なのじゃ!
さて、自分について考えたりオデッタとの問いについては前回の通りではあるが、忘れてはいけない事がある。
結果的に毒を盛りかけた木幡三城殿であったが、当然不問である。
持参した料理である蕎麦を口にしてしまっていたらどうなっていたかは分からないが、奇跡的に今回は事前に蕎麦の実により毒という事が判明したので、食べずに終わった為に不問となったのだ。
私ですら知らなかったのだ。まあ重ねていうが、あのまま蕎麦の実の香りを嗅がずに蕎麦を食していたらどうなっていたかは分からないが。
とにかくである。その木幡殿がその件でお詫びを兼ねて別の物を用意してくれたという。
まぁしかし。前回の件もあるので、品物の名はすぐに知らされた。お詫びの品がまた毒であったら嫌だからである。
なんとお詫びの品は『あずき』の料理である『おしるこ』という物らしい!
『おしるこ』なる物は分からないが、あずきである。あの小豆である。
事前に小豆とはこういうものであるとオレイユ監修のもと、手渡されたから確実に小豆である。かじってみたが、やはりあの小豆である。
その小豆を、なんと贅沢にも砂糖でもって煮込んで、爪程の大きさに切った小さい餅や団子を入れるそうである。
餅!
餅があるのだ。この世界に!
否、そりゃ米があるのだから餅位あるのは分かっていた。米酒や甘酒だってあるのだ。餅も当然あると考えるべきであった。ちなみに団子はある。フルーツの盛り合わせの時に混ざってる時がある。
しかし、米は酒にする事はあっても潰す文化はこの国にはなかった。この国には臼がないのだ!!(最も私の探し方が悪いだけかもしれないが)
まぁ流石に今回餅はないそうである。そりゃそうである。餅は貴重である。
前世でも餅は正月の儀式の時くらいしか口にできない。まぁ私は大名なので餅を皆に振る舞う側ではあるが。
話を戻そう。というか結果を話そう。
おしるこなる異世界の料理は、本来は冬に食べる(飲む?)暖かな料理であるという話であるが、今回は冷やして初夏にぴったりな甘味であった。
というかこれ、小豆粥ではないか。
小豆粥とは前世の正月において食す場合があった料理の一つで……まぁいうなれば『おしるこ』のようなものである。この場合はおしるこが小豆粥のような物であるが。
しかし、当然のように前世において砂糖は金並みに貴重であるからして皆塩味だったのだが、現世においてはなんとなんと砂糖が使われている。
非常に美味である。感動した。蕎麦の件で首を撥ねなくて本当に本当に良かった。
前世の中華の昔話に蚕の精霊が出てきて「この小豆粥と一緒にまつれば元気が100倍になって糸も100倍出せるヨ」とか言っていたと聞いた事があるが、本当に糸が100倍出せそうなくらい美味しかった。
うう、おしるこの話をしていたらまた食べたくなってしまった。冬にまた作ってくれるそうなので我慢である。
つづく。
次回は2月17日を予定しています
おしるこは江戸時代の料理ですが、おしることは別に小豆粥なるおしるこ的な何かは普通に食されていた様です。
しかし何故初夏なのに蕎麦の代わりにおしるこを振る舞ったのかは不明です(三城殿がデザートとして食していた?)
なおタイトルは以前Twitterで「小説におしることつけて温まろう」というタグがあったので試しに付けたらしっくり来たので採用しました。




