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今川転生伝 〜41歳のおっさんだけど異界に転生したので、れっつ☆えんじょい。なのじゃ〜  作者: テト式
第3章 学園は恋をする場所ではありませんっ!
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44話 肥料が暴騰しているのじゃ!


 「聞いた? 最近、帝都のみならず地方でも肥料の値が暴騰してるそうよ」

 「聞いた! お父様の手紙でもいざこざをあったって書かれていたわ」


 二人の女子貴族学生がそのような会話をしている。


 二人がしている会話内容は、今日この頃の学園ではさほど珍しくない。


 いわく『肥料を巡り、業者とその他の者との争いが頻発している』だの『肥料を扱う商人が襲われた』だの多彩な話が飛び交っている。




 今、帝都や帝国内を騒然とさせている話題。それは『肥料の高騰』である。


 否、もはや高騰などという言葉は不適切で、暴騰と言っていい程である。


 一応、言っておくが、この場合の肥料とは、人糞じんぷんの事である。

 便宜上、人前で人糞人糞と言うのは抵抗があるので、皆肥料と言っているのである。



 帝都ディバタールは清潔な都である。


 京の都は華やかとは程遠く、とりあえず浮浪者か死体が転がっている有様であるが、帝都ディバタールはそれがない。石やレンガなる石的な物が敷き詰められ、歩きやすい。


 当然、人糞の遺棄は法で厳しく禁止され、共同の廃棄場へと破棄しなければならない。業者がその廃棄場の人糞を回収し、それを指定された山へ捨てに行くという仕組みである。

 その山へ捨てられた人糞は肥料となり、商人を介して農村へと売り渡される。


 その商人の扱う肥料が今暴騰しているのである。


 それというのも、その人糞の肥料が、今まで造るのが困難だった『火薬』の材料になるという事実が判明したからであった。



 火薬。

 日本ひのもとではあまりなじみがないだろう。


 文永の役や弘安の役等の蒙古襲来の際に蒙古側が音と火が出る陶器状の塊を投げていたらしいが、それが火薬の玉とされているし、その後も九州では火器として使用されている話があったり、応仁の乱でもそれらしき武器が使われているとの事だが詳しくは分からない。


 だが最近せんごくのよでは種子島もとい鉄砲に使用される黒い粉と言えば恐らく通じるだろう。

 鉄砲は駿河等の東国ではまだまだ馴染みがないが、既に九州や西国、畿内では量産されているとの事である。

 尾張も信長の命で大量に仕入れて生産をしているの話である。



 ちなみに余談だが、蒙古襲来時に使用された火薬の玉は『震天雷しんてんらい』と呼ばれているらしい。かっこいい。



 さて、話が逸れたが、つまり人糞の肥料はその火薬を作るのにつかわれ、今や肥料の値は暴騰していると言える。


 しかしながら、その暴騰前夜、よく目を凝らしてみれば、無法者アウトローな者どもが夜な夜な帝都ディバタールの共同の人糞廃棄場を掘り返していたし、山の廃棄場や秘密の廃棄場からの土が掘り返されていたし、帝国中のあらゆる廃棄場の土がどこかへと集められていたのに気が付くであろう。


 ……もっとも、気が付かなかったからこうやって呑気に肥料の高騰だの暴騰だのと騒いでいるのだが……



 つづく。

大変お待たせして申し訳ありません。


次回は12月9日を予定しています。

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