オドレイ・ノート
設定編です。
(※)がつくものはメタ発言です。
ミイソス歴1775年。
勉学の師から教えて貰った事をここに自分なりに書き、覚えるものとする。
単位について
母上の身長について軽く書いたが、母上の身長は140セー・メント。1メントは前世界では3尺か4尺くらい。
100セー・メントで1メントになる。つまり母上は1メント40セーメントになる。
セー・メントより小さい単位がミー・メントがある。1000ミー・メントで1メントであるらしい。
メントより大きい単位がキー・メントである。1000メントで1キー・メントである。
記載する時には略語を多用する。セー・メントならcm。1メントなら1m。ミー・メントならmm。キーメントならkmである。
…尺貫法に凝り固まる私にとっては自分でも何書いてるのか分からない時がある。
ここに重さを現す『グラモ』が来たり、液体の量を表す『リトー』が来たりするので、まさにここは縁もゆかりもない異界なんだなあと思う。
(※1メートル=1メント 略語の通りです。)
宗教について
基本的に世界神と勇者に関する教えであり、驚くことに世界的に解釈や名称が違うものの、どこの国も基本的に同じであるという。通称『神勇教』
解釈違いの例としては、世界神が7柱であったり、12柱であったり、様々である。
昔はその解釈違いで戦になった事もあるが、今では『創造神、世界神と勇者を冒涜してはいけない』として一定の平和がもたらされている。
魔法について
驚くべきことにこの世界の術は本当に目に見える形で存在する。
人間の体内には魔力を蓄える器官が備わっており、この世界に生きる者はだれでも使える事ができる。
最も発動には呪文と相応の精神が必要であり、誰でもとは言い難いが誰でも使えると聞かされた。
しかしながら体内においての魔力は生まれた際に決まっており、決して成長する事はない。
姉上が放ったファイアーボールは中級魔法であり、一般的に広く使われる魔法であるが、これに使う魔力はかなりのもので、上級魔法の全ては使用者の命を奪うほどの消費量だという。
ならば魔法は人外しか使えないのか? というとそうではない。
世の中には『魔法石』という魔力を蓄えた石が存在する。
この『魔法石』を魔力の貯蔵庫にして魔法を放つのである。
これを人間は加工し、杖にして持ち歩くのである。杖は『魔法杖』と呼ばれる。
魔法石の魔力は枯渇すれば割れる危険性があるが、人間による魔力を『注げ』ばほぼ永遠に使い続ける事ができるという。
マウテリッツ伯いわく「冒険者の魔法使いは一仕事終えた後には自室に籠って魔力を込めるんだ。もしくは信用のおける魔力が高い奴に金を払って込めてもらうんだ」との事。
(※魔法石の設定は前作とほぼ同じです。要するに魔法石は『外部MPタンク』なんです。しかし魔法使いの定義は魔力配分が上手。という訳ではないのです。相応の知識がなければ扱えない代物となっております)
(※人間の魔力つまりMPの上限は個人差がありますが10が最大。ファイアーボールの一般的魔力消費量は5。一般的に出回ってる魔法石の魔力蓄積量は50となっております)
魔法杖について
この魔法杖について知った時、私は不思議に思った。
「なぜにわざわざかさ張る杖を持ち歩かねばならん?」と。
いや、魔法石の大きさで魔力の貯蔵量が変わるのは理解していたし、尋ねた際にはその旨を伝えていたのだが。
もっとこう……玉のようにして持ち運びやすくすればいいのでは。という事である。
答えとしては「魔法というのはそれだけで危ないものであり、魔法使いは兵士10人分に相当する存在であり、魔法使いが魔法杖を持つのは本来は戦の時のみにしか許されない事である」という答えが返ってきた。
マウテリッツ伯の分かりやすい話だと「魔法石だけだと簡単に隠しやすいだろ? それだと危ないだろ? 魔法杖だと杖だからわかるだろ? そういう事だ」との事。
さらに聞くと、魔法杖の長さにも決まりがあり『石を含まない杖は、立った状態の自分の腕を横に垂直に伸ばした状態で、握りこぶしの5cmから10cm以上の杖でなければならない』。である。
わかりにくいなら、その場で起立し、片腕を横に垂直に伸ばして握り拳をつくってみよう。それよりちょっと長いのが己の魔法杖の長さ。という事になる。無論、魔法石の大きさを考慮せずに。である。
つまりほぼ自分の身長と同じ杖でなければならない。
そこまでしなければならない理由は明確である。魔法はいともたやすく物や人を破壊する事ができるのである。危ないのである。この目で見たから確実に言える。あれは弩や大弓の比較にならない。なにせ爆発するのである。あれではいかなる石垣も城壁も簡単に破壊できるであろう。
魔法杖の所持についても、厳格に定められている。
一般的に正規の杖一本に、30cm程度の予備の杖一本、計2本の所持を認めている。
マウテリッツ伯から、魔法杖の所持自体が免許制で、免許を取る試験だけで家が建つほどの金が必要で、その免許を取る為の勉強をする学校に入るだけで家が建つほどの金が必要で、杖自体も家が建つほどの金が必要であると聞いたが、まさにその通りであった。
まず、魔法学校へ通い勉強を行い卒業をする。これで家1つの資金である。
そして『杖を所得する免許を取る試験』を受けるのに家1つの資金がいる。
その試験を受ける会場が皇国内に7か所しかなく、そこへ行くだけでも安くない資金がいる。
最後に正規の魔法杖の値段が家1つと言った具合である。
まあ非貴族の場合、魔法杖は中古品になるので、少しは安くはなっているとの事である。
なお、免許を持つ者は有事の際には魔法兵として皇国軍の徴集に応じる責務が生じるのである。
世界について
↑地図を真似て描いてみた。難しい。
ネルデール諸侯連合…ネルデール半島とホラウント諸島に点在する諸侯がエルディバに対抗するために誕生した連合。フォレフェール大陸北部に植民してからは実権は商人に取られているとの事。かつては最大の敵であったが既に友好条約を結び、経済的な結び付きがある。しかしフォレフェール大陸での経済的衝突が起こっている。特産品はチーズや硝子製品だそうな。
イリュリア帝国…50年前に戦争をした国。建国当初は小国だったが、アイオリス同盟の領地を奪い、エルディバに匹敵せんと戦いを挑んだとされる。それが50年前の戦争であり、現在は従属状態である。特産品は絨毯や革製品。後はザクロやイチジクと言った果実である。
アルマナ王国…砂の国。本来なら人が住めない地域だが、巨大な川により河川近くは肥沃な土地を形成しており、米を生産している。臣従状態で、生産された米の殆どはエルディバへ流されている。特産品は米や酒とある。
コーサラ王国…アルマナとは山脈を隔てており、アルマナとは対象的に鬱蒼とした密林が広がっており、象がいるらしい。イリュリアとの戦の少し前、南方植民地をめぐって戦が起こり、結果エルディバに有利な条約が結ばれており、従属状態である。特産品は象牙や装飾品の羽や毛皮。
ノールモンストルア…未開拓地帯。作物を育てるには適さない気候と多種多様な魔物により調査もまま成らない領域。禁断大陸と繋がっているらしいが不明。地図には地形がこう描かれているが未調査地域であり実際と異なるとの事。海域も魔物が多数生息し海流も激しく全くの未知である。
南方植民地…コーサラ王国より奪った南の島々およびフォレフェール大陸東の総称。島々の方はディブモール諸島。フォレフェール大陸の東側植民地はウエストフェールと呼ばれる。砂糖や香辛料、毛皮や果実等が特産品である。
大陸が変わるので再記である。
斉帝国…エルディバに匹敵する大帝国。友好条約を結んでおり、斉帝国はミイソス大陸に干渉できない代わりにエルディバは長安大陸に干渉できないという条約を結んでいる。私はいわゆる中華と認識している。特産品は陶磁器や衣服、茶とあるが、エルディバにとってあらゆる物が珍しい。
北庭王国…斉帝国以前の王朝が設置した北方統治機構であったが、斉の勃興により独立。斉帝国に従属を表明している。特産品も馬や羊とある。
平安王国…東蛇半島に支配する王朝。斉帝国に従属している。確か朝鮮に平安という地名があった筈だが……?特産品は陶磁器と辛子の漬物とあるが、なんだそれは。
アイオリス同盟…かつてミイソス大陸と長安大陸を跨ぐ勢力を誇ったミケーネイ共和国の末裔。イリュリアの勃興と斉帝国の台頭により衰退し、イリュリアにミイソス大陸の領地を奪われ長安大陸へ遷都したとされる。特産品ははちみつとオリーブという果実だそうな。
蠣崎幕府…日ノ本なのだろうか……? 東倭諸島といわれる島国であり、かつては戦乱が絶えない国であったが、蠣崎なる者により統一されたとある。特産品はさまざまな工芸品とある。あるが……もっとこう……茶とか織物とか……あるだろう。とは思うがこうとしか書かれていない。
南湾王国…斉以前の王朝の属国であったが、東倭諸島やチャーモッロとの貿易で財をつけ、斉の勃興時に独立したとされる。特産品は茶である。
チャーモッロ王国…南湾王国の王族が祖であるという伝説がある王国。南湾王国と同盟関係にある。特産品は変わった果実。とある。変わった果実とはなんなのだ。
禁断大陸…かつての神話の魔王がおり、そして激戦を繰り広げた大陸。太陽の魔法の余波で現在も人が住めないとされる大地。近づく事も禁じられている。
エルディバ皇国内
↑やっぱり手書き難しい
(※わかりやすさ重視の為、九州を設置させていただきました。作中の人間は見えてません。320キロは徒歩でグーグル地図で3日(2日と20時間)の距離です。無論この徒歩日数は休まずの距離ですが)
基本知識として、エルディバ皇国は、中華や日ノ本のように律令制に似た法制度、もとい令制国を取っている。あくまで前世基準で何に似ているか程度ではあるが。
実際は貴族(領主)によって治められており、国=地域という認識に近い。
国ごとに法が定められ、それにより裁きを下す裁判所も国ごとに設置されている。
イタルディバ…帝都ディバタールのある国。温暖で気候が安定しており、街道は網の目のように整備されている為、まさに皇国の中心地に相応しい地域である。人口は1200万とされ、皇国最大の人口である。
システィーナとは、皇国の神勇教を取り仕切るだけでなく、勇者の聖遺物や魔王の遺物などを保管・収容している大聖堂がある。また旧ミケーネイ共和国の首都であった事から、数多くの大学や学院、図書館が存在している。ディバタールの遷都に伴い、主な施設はそちらに移されたがそれでも学術都市の名をほしいままにしている。
オルレンス…平地であるが森林地帯も広がっていた地域であるが、皇国の統治により大規模な開拓が行われ、皇国を支える穀倉地帯のひとつ。数多くの大貴族がいるが、やはり我が夫となるマウテリッツ伯の主家たるオラニエ家が筆頭となるか。人口はおおよそ900万人とされている。
ザルビンツィ…アペイロン山脈から吹き降ろす風により雪自体は大した事はないもの、作物を育てるには相応しくないとされていたが、良質な魔法石が取れる事から、魔法使いの聖地とされる都市『ミログラド』がある。エストバルトアがノールモンストルアだった際の国境線には魔物の侵入を防ぐ広大な長壁がザルビンツィ湾からアペイロン山脈にかけて建設されていた。現在も存在しており、その為ミログラドは観光でも有名でもある。人口は約200万人
エスバルトア…かつてここもノールモンストルだとされていたが、獣人とされる魔物との混血種の文明が点在していた。300年程前にエルディバが侵略を行い、これを征服し獣人を駆逐したとされる。人口は約100万人とされる。
デーンラード…アペイロン山脈から外れた風や雲がモロにくる寒い辺境の地。人口は少なく100万人。
フェンラード…かつてスオメン王国という国があった地域だが、エルディバに征服された。ここも人口は100万人。
プロセイン…その昔、ゲルマ騎士団というエルディバの騎士団がこの地を統治していた。既に解散しているが、かつての名残で貴族たちは誇りを重んじ武勇を貴ぶとされる。人口は300万。
バロエイン…プロセインと似たような文化をもつが、プロセインが武人の国であるならバロエインは詩人の国である。と言われる程の差がある。人口も300万人だとされる。
ポウルラード…東のプロセイン・バロエインは森林と山岳地帯が広がり、北もデーンラード・フェンラードと森林地帯だが、このポウルラードは平地が南北に続いており、エルディバでも有数の穀倉地帯とされている。人口はオルレンスと同等の900万人。
バルカネア…ポウルラードと同じ平野部が多くを占めるが、こちらは乾いており農耕には不適切で、代わりに馬や羊、牛などの家畜の放牧に適している土地であるとされる。人口は500万人。
テルティバ…エルディバ建国の地。エルディバの祖である初皇帝が故郷であるクイディバを追い出され、マグナ湖の畔で妻と出会った事からこのエルディバは始まったとされる。我がドラコ―ヴァ家もここの大貴族である。人口は約300万人
クイディバ…ハイエルフの国。エルディバの台頭により名目上はエルディバに編入されたがエルディバの介入がされずに自治が許されている。その理由としてはエルディバの祖たる初皇帝がここの出身である事と、ここでしか取れない最高級の魔法石とその加工技術による魔法杖が理由だとされている。人口は不明瞭だが推定で100万人程度だとされている。
合計で12の国。人口は5000万人を超えている。(正直、イタルディバ以外の人口は情報が古いか不明瞭なのでブレがある)
……日ノ本の人口を遥かに凌ぐ人口に自分でも理解が追い付いていない……前世界での日ノ本の人口が何人いるかは見当も付かないが……
なお南方植民地は皇国直下の領地である。
魔法杖の免許交付場はイタルディバに2か所。オルレンスに2か所。ザルビンツィに1か所。テルティバ・クイティバに1か所ずつの7か所。クイティバは入国規制が掛かっており、実質6か所である。
この免許交付場から国の発展ぶりがわかると言われている。
ひとまずはここまで。
ミイソス歴1775年。
←このような空間がないのはオドレイのとりあえず覚える為のノートだからです。
初皇帝については、以前は始皇帝と明記してましたが、突然の事ですが変更させていただきます。申し訳ありませんでした。
地図の方はpixivにあるR^3氏(Twitterでは@kiginu氏)の作品を許可をとって使用させていただきました。
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