表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
交換メール  作者: ナカマヒロ
18/19

『暑中お見舞い申し上げます』【添付画像あり】

 『少し気が早いかな、と思うけど

  関西の夏は暑いよね(・・;)

  社会人になってはじめての夏、無理せず元気で頑張って下さい』



 昼に、母親と買い物に出かけた先で食べたかき氷の写真を添えて送信ボタンを押した。

 田舎のショッピングセンターの素朴なかき氷は、在学中に大阪や京都で見かけた物のような華やかさはないけれど、どこからみても、かき氷とわかるので涼しげな写真になった。


 サークルの集まりで女性陣が喜んで写真を撮ってSNSへアップロードするような凝った趣向の物よりは、こうした地味で昔ながらのかき氷の方がワタルは好きだった。



 もうすぐ一年か。



 夏休み入って直ぐに家庭の事情で大学を中退することになり、慌しく引越しをしたのはお盆のすぐ後だった。

 送別会で、メールアドレスを教えてもらってから、アカリとしたやり取りは数える程しかない。

 元々、サークル内でも親しくしていた訳でもない、顔見知り程度の関係だった。

 だからこそ、暑中見舞いという理由をつけてメールを送った。


 相手からのメールを待っているだけでは、彼女と自分を繋ぐ、この眼に見えない電波が途切れてしまいそうな気がしたからだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ