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1話

 順調? にリリース当日になり、十時からのサービス開始を楽しみにVR機器の調子を確かめながら、暇している。

 ほんとに暇。響と話してようかと思ったら「ちょっと忙しいから待ってくれ」とか言われて一人ぼっちだし……。あと十分なんだけどね。始まると思うと意外と楽しみで楽しみで、七時に起きちゃったくらいだよ。まったく。その間に公式サイトとか眺めてたら色々と分かったから、確認でもしてようかな……。


『フリー・プレイヤーズ』公式より

 無限に広がるこの世界をその名の通り自由に生活せよ!

 強大なモンスターに挑むもよし! 神器に名を連ねるものを探すもよし! またそれらを創るもよし!

 ただ一つだけ言えることは、この世界は楽しむためにある! ということだ。

 諸君らが楽しさでこの世界を埋めることを期待している!


 ステータスなどの上昇について

 このゲームはスキル・レベルの複合でステータスが上がって行きます。

 レベルアップの際に得られるステータスPでも各ステータスを上昇させることができますし、スキルのレベルが上がった際にはそれぞれに適したステータスを自動で振分けられます。

 よってキャラクターの性能は本当に千差万別となります。

 しかし、考えて育たないと取り返しがつかない……などということはありません。そこまで含めて真に自由なのです。工夫次第でいくらでも強くなれます。

 なので安心してゲームを楽しみましょう!

 なお、このゲームに所謂『職業(ジョブ)』システムもありません。皆で役割を決めたりするところまで自由にやれます。

 

 スキルに関して

 このゲームのスキルはプレイヤーの行動によってレベルアップします。

 さらにプレイヤーの行動しだいで新たなスキルを覚えることや、スキルが合体することも……?

 ステータス面だけでなく、スキルをも握ることがより楽しいゲームへの近道となるでしょう。

 


 ……ふう。なんだかとても長い説明をしていた気がするよ。でもよく読んだらそんなに長くないね? なんでこんな気分になったんだろう? (作者の腕がつかれたから)

 何か頭をよぎった気がしたけど、気のせいだよね。

 とか、やってる内にもう十時になるみたいだしそろそろ入っておくかな。


「ゲームスタート!」


 そして僕の意識は落ちていった……と思ったらすぐ目覚めた。当たり前か、ゲームに入っただけなんだし。

 僕の頬を風が撫でる……って、風? うわぁ、ほんとにリアルだよこれ。風を感じて目を開けてみたら、そこに広がる街並みは美しくて、とてもデータ世界とは思えない。


「なるほど。響の言ってたことも誇張でもなんでもないな」


 ひとしきり街の様子に感激していると、他のプレイヤーもどんどん増えてきて、口々に「なんだこれ!」「リアルとかそういうレベルじゃねえ」とかとか、びっくりしているようだ。多分僕と同じで正規版からの人だろうな。その人たちを見て「うんうん」「初めてのときは衝撃強いよね~」とか言ってるのはβ組だろう。とにかく、人がいっぱいに集まってきている。早目からいる人たちやβ組はもうパーティー募集とかしてるし、そろそろ僕も響を探さなきゃな。

 ……しまった、響の名前聞き忘れた! あああどうしよう。一回ログアウトして探すとかヤダしな……。

 

「おーい、お前恭夜か?」 


 呆然としていたら呼びかけられた。この声は響か!

 

「あってるよ、響。いや、名前聞いてなかったから焦った」

「お、すまん。そういえば名前を教えあいしてなかったな。恭夜はキョウヤでまんまだったから助かった」


 名前そのままにしといてよかった……。


「俺はこっちでピース、って名乗ってるからそれでよろしく」

「わかったよ、ピース」


 はあ……落ち着いてきた。落ち着きがてらピースを見ると、顔とかはあんまりいじってないようだが、鎧というか、装備が豪華だな、おい。


「ところでピースその鎧とかは? なんかちょっと豪華なんだけど」

「ん、ああ。これβからの引継ぎなのな。ちょっとずるいかもしれないけど、これも特権さ」

「いや、β組のやつなら納得だよ。ていうか普通そうだよね」

「まあな。まあ、装備については置いといて、キョウヤはスキルとステ振りどんなにしたんだ?」


 そう言われたのでピースに僕のステータスカード(便利なやつ)を見せる。そしたら「おま、コレ……」とか信じられないものを見るような顔でこっちを見てきた。


「なんかおかしいところでもあるの?」

「おかしいっつか、投神とやらは置いといても他のやつ偏りすぎだろ……ほぼ極振りじゃねえか。一応少しづつ伸びるっても普通もうちょいバランスよく取るもんだぞ……」


 そう言いながらピースも僕にステータスカードを見せてきた。


name:ピースlv1



skill:片手剣lv1 盾lv1 攻撃力上昇lv1 防御力上昇lv1 挑発lv1 回復力向上lv1 重鎧lv1 反射速度lv1 ステップlv1 VIT上昇lv1



status:HP:40

:MP:13

   :STR:5

   :VIT:9(1)

   :DEX:3

:INT:2

:MIN:4

:AGI:3


 わーバランスが取れてらっしゃる……。なんだよ~上昇とかあったのかよ……確認ミスした僕のせいか。


「なるほど。僕のやったことはお馬鹿さんのそれというわけだ……」

「残念ながらな……」


 二人して沈む。特に僕。


「ま、まあこれで決まるなんてことは無い! って公式にも書いてあっただろ? 大丈夫だって。……多分」


いまこいつ多分って言いやがった。


「うんまあ、こんなんにしたの僕だしね。これはこれで楽しむとするよ」

「それならいいんだが。ならせめてどっちの方向行けばどんな感じかくらいは教えてからいこう。そろそろ来いって、ギルドの連中に言われてな。悪い」

「いや、十分だよ。もともと自由にやるって言ってたじゃん。だからある意味問題なし」

「ん、そか。ならな……」


 ピースによると、この街より北は山、東は海、南は森、西は草原になっているそうだ。「初めてだし草原がいいかもな」と言ったあたりでピースはギルドの招集がヤバくなったとかでそっちに行った。

 いってらっしゃーい、と見送ったところで草原へと足を向ける。

 正直なところ、期待で胸いっぱい。

 よし、行くぞ。いざ草原へ!


 

name:キョウヤ:lv1



skill:投げナイフlv1 投擲lv1 投げlv1 ブーメランlv1 ダーツlv1 手榴弾lv1 鍛冶lv1 木工lv1 素材加工lv1 投神lvMAS



status:HP:10

   MP:10

    STR:1

    VIT:1

    DEX:11

    INT:1

    MIN:1

    AGI:11

    残りステP:0


 そして、まだ戦闘に行かないというね……

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