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殺人鬼2  作者: ityou
7/8

狂気

俺の名前は堀内光輝。

今までは白い方の俺が身体を支配していた。

そのため、いままで色々と制御ができていた。


しかし、連日の精神的ダメージが溜まりまくってた。

そして、さっきの宮國の発言が最高の精神的ダメージとなった。


白い方の俺は心の奥底へと葬られた。


同時に俺の理性は解かれた。


今はなんでもできる。



包丁を持った生徒が廊下を歩いている…

それだけで大問題だ。

一斉に先生たちが現れる。

「おい、お前。それ包丁だよな?なにしてるんだ?」

体育科の先生と思われる奴を中心に俺の進む道を塞がれる。

「え?見てわかりませんかね?」

俺は堂々と言う。

「わかりたくないが犯罪だけはやめてくれよな。」

先生が呆れて言う。

こいつ、俺が冗談でやっていると思っている。

「俺、本気だぞ?まさか止める気ですか?」

「お前が本気ならなおさらな。生徒を守るのも重大な仕事だ。」

先生がガチ顔になる。

「せっかく関係者以外は何もしないつもりだったのに…」

俺は一気に先生との距離を縮める。

少し先生が引いた。

威勢はいいが結局チキンなんだよ。


俺は迷いもせずに手に持っていた包丁を腹に刺した。

「うっ…」

一気に血が溢れてくる。

しかし、これでは致命傷にはならないと思った俺は刺した包丁を再び抜いて頚動脈付近に切り込みを入れる。

すると血がどんどん溢れていく。


これを見た他の先生たちは逃げ出す。

「ま、逃げて当然だよな。でも、関係者はみんな殺る。」

俺は走りだした。



数分後、俺の体は返り血で真っ赤に染まっていた。

生暖かい血液が体にかかる感触にハマってしまう。

「1本じゃ少ないか…」

俺は包丁を補充しに家庭科室へと再び向かった。


さっきと同様にボックスへ…とおもったがなくなっていた。

「チッ…」

周りを見渡すと家庭科の先生が震えながら俺のことを見ていた。

「先生、素直にそのボックスを渡してくれたら何もしませんよ。」

「だ、ダメよ堀内くん。今ならまだ何とか立ち直れる。」

「嘘はいけませんよ先生。俺はもう12人殺った。もう死刑以外はねーよ!!」

俺は躊躇なく先生を殺った。

喉を一突きで。

「素直に渡せばいいものを…」

そう言いながら、足元に転がったボックスを手に取る。

ふと、先生の顔を見る。

「涙…?」

先生の頬には涙がつたっていた。


「吉バァ…先生は殺したくなかったのに…」

優しくそして面白い先生。

先生というより本当におばあちゃんみたいな先生で…


「はっ!!」

俺は一瞬、白い方の俺に戻っていた。

「早くしないと避難されちまう…」

そう思い、俺は放送室へと向かう。

中に入るとやはり緊急放送の準備をしていた。

そこで準備をしていた3人の先生を殺り、放送機材を壊した。

ついでに凶器を探すため職員室も物色した。

すると、何本かのカッターナイフと果物ナイフをゲット。

ついでに8人の先生を殺る。


ふと、劇薬も欲しくなり理科室へと向かう。

そこにも先生が待機。

「来ると思ってた。」

「なら、話は早いですね。塩酸を頂いてもいいですか?」

「ない。」

「嘘。俺たち、ちょっと前の授業で使いましたよね?」

「あれで最後だ。」

「ふーん…」

俺はそう言いながら先生の首元を切る。

そのまま先生は床に崩れ落ちた。

「あるじゃん。」

『劇薬注意』と書かれた棚に厳重に保管されている。

「先生、鍵借りますね。」

死体となった先生の体から鍵を探す。

案の定、持ってなかった。

「なら、理科準備室かな…面倒臭いなぁ…」

俺は持っていた包丁を棚のガラス部分へ投げつける。

するとあっさりとガラスが砕け散った。

「ゲット~」

俺は塩酸もゲットした。

「でも、この量じゃ致死量いかなさそうだな…」

それでも持ちだした。


俺は教室へと急いだ。

俺が到着した時、避難の準備が始まった段階だった。

「動くな!!」

俺は教室に入ると同時に叫んだ。

教室の空気が一気に冷める。

「窓際は窓閉めて鍵をしろ。後ろの扉も閉めろ。」

包丁を突き出しながら命令する。

すると、震えた何人かの生徒が閉めだした。

「逃げるなよ…逃げたら苦しいことになるぞ…」

俺は笑みを浮かべた。

これは、完全に悪魔だ。

「待て、話しあおうじゃないか。」

担任がしゃしゃり出てきた。

「あ?」

俺は思いっきり睨みつける。

「殺して何の意味があるんだ?お互いに傷つくだけじゃないか。なら止めよう。今ならどうにかなる。人生をやり直そうぜ。な?」

担任の必死のスピーチ。

「マジ、笑えるわー。いいけ、俺は今日だけで25人殺った。もうやり直す人生なんかねーんだよ!!」

俺は持っていた包丁を担任の体へ刺す。

抜く。

刺す。

抜く。

刺す。


たった数十秒で白いシャツが真っ赤になり、担任の周りは赤い池ができていた。

もちろん、意識があるわけがない。

「さ、次はお前らの番だ。」

俺は包丁を握り直し、距離を縮める。

「うちらが何した?」

学級総務がしゃしゃり出た。

「そうだよ。何もしてない!!殺される理由がわかんないよ!!」

そいつの友人も言い出した。

「ったく。キャーキャーうるせーよ。この殺しに大きな意味は無い。そりゃ、多少の恨みはあるけど。ただ、暇つぶしにやるゲームみたいな感覚かな。だって、俺には友達も彼女もいないんだもん。遊ぶ人がいなくてつまんないんだよね~」

そう言って俺は総務の髪を引っ張る。

「お前みたいにしゃしゃり出る女が一番ムカつく。」

心臓に一発。


「一気に行くぞ~」

俺はグラセフで人を殺る感覚で一気に行く。

心臓を刺される人もいれば、首元の頚動脈を着られる人。

腹を何度も刺される人。

性器を滅茶苦茶にされてから殺られる人。


刹那、逃げ出そうとする奴が現れた。

「おいおい、ルールは守ろうよ。」

俺はポケットに入れてあった果物ナイフを投げつける。

当たらないと思ったが案外簡単に刺さった。

しかし、急所は外した。

「ルール守れない人はお仕置きだね。」

俺はそいつの喉の奥に理科室から盗ってきた塩酸を一気に流しこむ。

するとそいつは床に藻掻き苦しみだした。

「ほぉ…意外と効くもんだな…」

俺は藻掻いているそいつを無視し、残りの生徒に手をかけた。


数分後、教室に残ったのは俺も含めて5人。

宮國に健二にその彼女。

「さて、ただ殺すだけは面白く無い。君たちにはチャンスをあげる。」

俺は胸ポケットから2本のカッターナイフを取り出した。

それを宮國と健二に渡す。

もちろん俺は油断せず、常に包丁を突き出している。

「今渡したカッターナイフで彼女を殺せば逃がす。嫌なら自殺。」

明らかに4人の表情が青ざめる。

「ちょ、これじゃ私達は死ぬしかないじゃん!!」

宮國の彼女が叫ぶ。

「あぁ。」

「これは不公平じゃん!!」

「うるさい。平等なんか存在しない。」

俺ははっきりと言い切った。

「さ、じっくりと考えな。」


沈黙が始まる。

周りには41人いる。

なのに静かだ。

静かすぎて、床に滴る血の音が聞こえる。


沈黙を破ったのは健二だった。

「なぁ、絵美。俺なんかと付き合ってくれてありがとな。俺、あまりにも純情すぎて何もできなかったね。こんなことになるならもっとお前と一緒に居ればよかった。本当にごめん。」

健二が頭を下げる。

絵美は首を横に降った。

「謝らないで。私も楽しかった。最後に付き合ったのが健ちゃんで。あっちでも私のことを愛してね。」

「あぁ…」

そして2人はキスをした。

真っ赤に染まった教室で頬を真っ赤に染めながら…


そして


健二は絵美にカッターナイフを差し込んだ。


絵美も覚悟ができていたみたいで抵抗もしない。


健二が俺を見る。

「今までありがとな。そして、ごめんな。」

そう言うと、手に握っていたカッターナイフで自分の胸を刺した。




また、沈黙。

「ごめん、愛優!!」

宮國が急に動いた。

宮國は愛優の喉に刺していた。

「っ…」

声帯を損傷したらしく声が出ない。

そしてだんだんと意識が薄れていった。


「さ、彼女を殺したぞ。逃がせよな?」

宮國が息を切らせて言う。

「後悔はしてないか?」

俺は宮塚に問う。

「あるさ。人を殺めたことは重罪だからな。」

宮國が当たり前の答えを言う。

「彼女に対しては?」

「うーん。ないね。どうせ性欲処理の道具程度だし。さ、逃がせよ。」

俺の怒りは上限を超えていた。

「お前みたいな人間のクズは生きる価値はね~よ!!」

俺は持っていた包丁で宮塚を殺った。



俺は教壇に立った。

床は血の海と化していた。

窓や天井にまで血が飛散している。

床には40体の死体が転がっている。

もしかしたら息をしているのがあるかもしれないがどうでもいいや。

さすがにこの生臭さは限界に近い。

俺は窓を開ける。

「涼しい…」

一気に外の気流が流れ込む。


俺は自分の席へ座る。


『リア充なんか爆発すればいいのにな。』

『同感。』

『同じく。』

あの時の…

俺に新しい自分が生まれる前の会話が蘇る。

「黒い方の俺、派手に殺ったな…」

俺は席を立ち上がり、宮塚と健二の顔を見る。

「最後の死に顔だけでも見させてくれ…」

健二は満足そうな顔で死んでいる。

宮國はかなりこわばった顔で死んでいる。

「もう、お前らとバカなことできないんだな…俺のせいで……。」

俺は涙を流す。

幾度の裏切りや暴言があっても友は友。


「ほんと、ごめんな…。」


俺は泣き崩れる。

しかし、時間は待ってくれない。


「あれ、なんで泣いてんだ?」

俺は今後のことを考えた。

刹那、パトカーのサイレンが聞こえてきた。

「逃げるか。」

俺は開いた窓から逃げ出した。




当然、次の日のニュースはこの事件で持ちきり。

TPPとか増税とかいろいろあったはずなのにそれがすべてこの事件で埋めた。

なんか嬉しい。

犯人は以前逃走中だと。

怖いねぇ。


以前、読んだ本にこんな一節があった。

「一度ついた血の匂いは消えない」

まさに、今の俺のことだ。

自首したところで65人も殺った俺が死刑以外の選択肢を選べるわけがない。

死にたくはない。

でも、生活は営まないといけない。

生きていくためには働く。

でも、こんな俺が働ける場所はたくさんはない。

俺は働ける場所…

人を殺す組織。


そう


俺は「殺人鬼」として生きていくしかないのだ。




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