第6話 早朝
――早朝。
いつもはずっと寝ているカイトだが、客がいるときだけは早く起きる。丁度。朝、8時頃にカイトは目を覚まし、昨日の辛いカレーの味は夜の内にサッと引いていた。カイトは家の外で背伸びをしていると、目の前には夜中カイトの家に侵入して、次の機会を狙っていたがそのまま、寝てしまったリリスが家の扉の前でスヤスヤと寝息を立てていた。
「ん? いや、だれ!?」
その時、幼女風の体格でありつつ確かな胸のあるその少女は目を覚ました。彼女は、上半身には鎧を纏い、下半身は異世界風の女性のセクシーな鎧を纏っていた。
リリスがゆっくりと目を覚ました。
「ふぁ! ご飯?」
目の前にはあのカイトがいる。
「お腹空いてるの? こんなとこで寝ると風邪引くよ」
「えっと、は、はい。お腹ペコペコです」
(ひ、こ、殺される)
リリスはさりげなく冷や汗をかきながらカイトの言葉に対して返答を返した。
「食べてく? 朝めし」
「その、出来るのであれば……」
カイトはその返事に対して無言で家の扉を開けて家の中に入っていった。
「あれ? 入らないの?」
「……は、はい」
リリスはカイトに招かれ、カイトの家へ入った。カイトは台所へ向かい、お湯を沸かし始めた。そして、その横では昨日のスパイスカレーが弱火で暖められていた。温める時に少しだけ水を足してある。
カイトはスパイスカレーの火を止め、軽く沸いたそのお湯をお茶の薬草の入ったパックで朝の特製ミントハーブティへと変え、コップに注ぐ。
「これのんで、暖まるから。それと、朝用にミントいれてある」
パーカーのポケットに手を入れ片手でそのコップをリリスに渡した。
「ありがとう」
「あ! そう言えば椅子足りないかも」
そう言うと、台所を出てカイトは外へと出ていった。
残されたリリスは渡されたその飲み物を飲んだ。
「これは……ヤバイわ。この飲み物!」
スッと抜けるミントが最初の口当たりだがその後に、お茶の葉っぱの甘味が口の中に広がりサッと抜けた後、冷えきった体を徐々に暖めてくれた。
その時、外から強烈な音が聞こえてきた。
――スパ! カタン。シュン!
リリスはビクッ! としつつ、そのお茶を口に運ぶとその冷や汗も消え、静寂が訪れたその時、エルナが髪がバサバサになりつつ、起きてきた。
「ふぁぁぁぁ!」
目を擦り、目の前の鎧を纏うその幼女を認識する。
「え、えっと!」
「……」
「どなたでしょうか?」
「お気になさらず……」
「そうですか」
その微妙な空気の中に、カイトがいい感じのデザインの椅子を二つ持ち入ってきた。それは、家用の椅子とテラスの机用の椅子だった。
カイトは椅子を並べると、テラスの方へと歩いていった。
そして、カイトが台所のテーブルへ戻ると、炊きたてのご飯の入った鍋を開け、少し冷めたスパイスカレーをご飯の横にかけ、コップを手から離せないでいるリリスと、ボサボサの髪で胸がはだけているエルナの座るテーブルへ三人分の食事を用意した。
「これが、スパイスカレーだよ~」
「いただきますぅぅ」
寝ぼけ気味のエルナがその出されたカレーを口に運んだ。口にいれた瞬間。昨日の辛さはなく、確かな甘味が口の中に広がり、スパイスの辛さが後を引きつつ、野菜の旨味が口の中に広がり、彼女の目を覚まさせた。
「――」
「うまいでしょ、スパイスカレーは一度熱した後、冷ますと甘くなるんだよ」
目が覚め、カレーの美味しさを堪能している横で、リリスが待ちに待ったカレーを口に運んだ。
「お、おいしいわ」
リリスのスプーンが止まらない。そして、皿がなくなった後、サッとスパイスの旨味が口の中に広がっていた。
「まだ食べる? 最初のスパイスカレーは食が進むと思ったからまだあるよ」
「おかわり!」
その後、リリスと、エルナは三杯おかわりをして、スパイスカレーの旨味を堪能した。
「ところで、この方は?」
「ん? 朝、家の前に寝てた」
「――」
「…………」




