48.魔法遊び
何度か実験をしてみてわかった事をまとめよう。
まず心写鏡の魔力消費は写鏡のの2倍くらいだ。
そして写せるものには制限があるようで、僕が効果と構造をある程度把握していないといけないようだ。
例えばメモの記憶から"銃"と言うものを写すと、引き金を引いても弾が発射されない不良品が出来上がった。
この場合記憶にある知識では、構造がわからないからこのようなことが起きたのだろう。
だからといって効果と構造を全て把握していなければいけない訳でもなく、ショーで見た風球を心写鏡で写すと、構造の理解が足りていないからか、多少威力は弱まった。
しかし魔法の知識がある訳でもないのに部屋の中で風が起きたのだ。
このことからある程度の構造や効果と、僕がそれを発動するイメージがあれば、心写鏡で写すことができる、とメモが言っていた。
「やー、知らないことが沢山あったね。
メモがいなかったら一生終わらなかったかも。」
[お役に立てて光栄です。]
ちなみに後日実験していた時にわかるのだが、写鏡はそのような制約を全て無視して、問答無用で魔法などを写すことができるようだ。
その代わり心写鏡と違って、鏡に直接写したいものを写さなければならないが。
そうこうしている内に時計は16時を回り、いつも通りケント達がお見舞いにきてくれた。
「エミーが〜……来たぞ〜!」
「おい、教会で走るなよ!
あれ、やけに嬉しそうだけど、何かいいことでもあったのか?」
いつも通り僕に突っ込んでくるエミーを体で受け止め、ケントに言葉を返す。
「よくわかったね、遂に今日で魔法が使えるようになったんだよ!」
「レクトお兄ちゃん魔法が使えるの?
見せて見せて!」
エミーはうきうきしているが、ケントはこちらをじっと見つめている。
「ケント?どうかしたの?」
「本当に体は大丈夫なのかよ。」
「別に激しい運動でもしない限りはもう平気だよ!
心配してくれてありがとね。」
ケントは気恥ずかしくなったのか顔を逸らす。
それをふふっと笑って見ながら、映す魔法を決めたると、早速映鏡で映し出す。
「よし準備よし、いくよー!」
「わぁ!」
「綺麗だな。」
映したのはショーで見た、演出用に小さく圧縮された水球。
複数映し出した水球は空中でゆらゆらと動き続け、僕が魔法を解除するとともに弾け飛んだ。
「わぁ、すごかった!」
「そう言われると嬉しいよ。
他の魔法を見せてあげようか?」
「うん!」
そうしてケント達としばらく魔法で遊んでいると、最近では何回目かわからない、ドタドタと廊下を走ってくる音が聞こえた。




