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鏡魔法で成り上がれ! 役に立たないといわれた鏡魔法はなんでもコピーできるチートでした。  作者: 〜蒼〜
第三章 霧の道化

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44.決別(アート視点)

貴族学院は冬の長期休暇に入った。

大体の貴族はお茶会や魔術の鍛錬、帰省するなどをして過ごしているころ、僕はというと……


「え!?なんでこんな面倒な魔術式を作らなきゃいけないんだ!?」


必死に冬の長期休暇の課題に励んでいた。

こんなことになった理由は数日前に遡る。


数日前、僕は友人であるカイトと一緒に帰省の予定を立てていた。


「そうえばアート、帰省を1週間だけ遅らせることってできるか?」

「無理、と言いたいところだが、とりあえず理由を聞こうじゃないか。」

「なんでそんな上から目線……いつものことか。

 その日に絶対に外せない予定な入っちまったんだ。」

「絶対に外せない用事?」

「ああ、実は……」


聞けば貴族の食事会的なものに招待されたらしい。

ただの招待なら断ってもよかったが、送り主がカイトの家とかなり親密な関係にあるらしく、出席が決まってしまったとのことだった。


「それならしかたないな……」

「お、わかってくれたか。

 なら出発を1週間だけ遅らせて……」

「僕1人で先に行っているから終わったらきてくれ。

僕は一刻も早くレクトを補給しなくちゃいけないんだ!」

「な、今の流れは遅らせてくれる流れだったろ!?」

「僕がその程度で出発を遅らせるとでも?

 そもそも勝手についていきたいと言ったのはお前だろう。」

(くっ、どうすれば……そうだ!)

「アート、お前はレクトと一緒に過ごしたいんだろ?」

「そうだが?」

「ならば先に課題を全て終わらせて仕舞えば、残りの休暇は気兼ねなく過ごせるんじゃないか?」

「確かに!

 ……まあいいだろう。

 その代わり1週間だけだからな!」

「よっしゃ!」


そんなわけで僕は冬の休暇に入っての課題地獄を、気合いで1週間で終わせた。



**


次の日。


「雲ひとつない快晴!

 絶好の帰省日和だ!」

「はいはい。

 早く出発するぞー。」


それから僕は3日かけて我が家がある、カリフの街に辿り着いた。


「いやー、この無駄に高い感じの家も久しぶりだなぁ」

「わからなくもないが、仮にもそれが久しぶりに見た我が家に対する反応か?」


軽口を叩きながら、無駄に高く作られたドアの呼び鈴を鳴らす。

すると家から両親が出てきた。


「おー!アートよ、帰ってきてくれたか!」

「心配したわよ!」

「アリガトウゴザイマス、オトウサマ、オカアサマ。」


(とんでもない棒読みだな……)


「アート、そちらの方は?」

「それは……」

「私から名乗らせていただきます。

 学友のカイト・レトイックと申します。」


(僕の前ではあんなにガサツなのに、こう見ると立派な貴族なんだよなぁ。)


「レトイック?どこかで聞いたような……

 あ、失礼しました。家をご案内しましょうか?」

「いえ、彼からはよく弟の話を聞かされておりまして、先に会ってみたいのですが。」


カイトがそれとなくレクトのことを聞く。

しかし両親は焦ったような反応をみせた。


「そ、それが次男は今外に出かけておりまして……」

「そうですか?

 なら帰ってきてから……」


そうカイトが言うのを小声で遮る。


「……カイト、移動するぞ。」

「は?いきなりどうしたんだ?」

「移動しながら話す、これ以上ここにいる必要はない。」


そう言いながら両親に背を向け歩き出す。


「おいアート!どこにいくんだ!?」

「……お前らがレクトを外に出すわけないだろ!

 僕はレクトを探しにいく、もう二度と会うことはないと思うから一応。

 今までありがとうございました!」


そう言って僕は、カイトの手を引いて走り出した。



**



「で、どういうことだ?」


カイトは未だ状況がのみ込めていない様子だ。


「あいつらはレクトのマナーがなってないとか言って、レクトを頑なに外に出さなかったんだ。

 本当は外に出して反抗されるのを恐れているだけなのに。」

「つまり家にいないってことは、何か弟に起きている可能性があるってことか?

 でも決めつけるには早いような……」

「あいつらはそういうことを平然とやる奴らだ。

 それにレクトの身に何かあったら、僕は……」

「わかった、わかったって!

 だけどもう遅い時間だし、今日はうちに泊ろうぜ。」

「それができるなら助かるが……

 まずお前の家に辿り着けるか?馬車はもうないんだぞ?」

「それはお前が呼べばいいんだよ!」

「?」


カイトはニヤッと笑った。

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