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鏡魔法で成り上がれ! 役に立たないといわれた鏡魔法はなんでもコピーできるチートでした。  作者: 〜蒼〜
第三章 霧の道化

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39.約束(ケント視点)

<ケント視点>


俺は何をしているんだろう。

あっちではレクトが俺達のために戦ってくれているのに、俺はこの場から動けずにいる。    


(何が冒険者になりたいだ。)


将来は親と同じ冒険者になりたいと思った。

子供の頃に聞かせてもらった冒険の話はとても面白そうで、俺も同じようになりたいと思った。

強くなってみんなを助けてあげたいと思った。


しかし今はどうだ?

みんなを守るどころか、今も足を引っ張っている。


(動かなきゃ!せめてレクトが思いっきり戦えるように!)


普段はあんなに優しいレクトが、血まみれになりながらも戦っている。

2対1なんていう絶望的な状況なのに、俺達を守るためだけに1人で。

しかし覚悟を決めて震える足で立ち上がると、正面から3人組の男が歩いてくる。


「あれ、動けるのはお前だけか。」

「面白くねえなぁ。

 せっかく少しぐらいなら痛めつけていいと許可をもらってきたのに。」

「まあいいじゃねえか。

 動けなくならない程度に痛めつけて遊べばいいだろ?」


男達はそう言うと俺に近づいてくる。


(やばい、逃げなきゃ……)


そう思った瞬間に、腰のあたりからチャキという音が聞こえた。


(……じゃなくて、みんなを守らないと!)


後ろではまだ4人が動けずにいる。


(約束したんだ!)


腰から短剣を抜くと、俺は相手と向かいあう。

男達は少し驚いた表情だったが、すぐに笑い出す。


「ガキが武器を持ったところで何ができるんだぁ!」

「っ、おら!」

「な!?」


たまたまか、才能か、ケントは相手の拳を避けると、相手の背中に全体重をのせて短剣を突き立てる。

相手は体重がのった一撃に少し揺らいだが、すぐに体を起こし、そのままケントの胸ぐらを掴んだ。


「ガキがぁ!調子にのりやがって!」

「ばぁーか!」

「ガ!?」


俺は相手の股間を思いっきり蹴る。

相手はその場でうずくまり、他の2人は驚いたようにかたまっている。


(今のうちに!)

「みんな!外に逃げるよ!」

「おとぉさん、おかぁさん!」

「怖いよぉ……」


ケントが呼びかけても4人は動けそうにない。

その間に2人の男は正気に戻り、うずくまっていた男もこちらを睨みつけながら起き上がった。


(俺の渾身の一撃ですら相手を怯ませることしか出来なかった。

 次はもう、耐えきれない。)


ケントは頑張っただろう。

相手がどんなに勝ち目がない相手でも、逃げることではなく守ることを優先したのだ。

しかしいくら頑張ったとしても、現実は変わらない。

それでもケントは諦めなかった。


(せめて、みんなだけでも!)


そんな思いを胸に、一歩踏み出した時だった。


『頑張って。

 世界を救ってね。』


そんな声が聞こえたかと思うと、俺は光に包まれた。









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