36.お荷物
リアクション等待ってます!
僕は背後にいる相手に映し出した《ウォーターボール》を放つ。
相手はたじろいたが、飛び退いて泥だらけの地面をぬける。
(こいつの対策は夜中に散々考えたけど、ケント達が動けなくなっているのは想定外なんだよね。)
「俺が一撃を喰らわされるとは……少しなめすぎてしまったらしい。」
相手はそう言うと足を上げ、地面を思いっきり踏む。
その瞬間相手の足元が膨れ上がり、 棘が突き出してきた。
「やっぱり移動系の特殊属性魔法じゃなきゃ、基礎属性魔法を持ってるよね!」
僕は予測していたので驚きもせず避けようとするが、頭の中でメモが叫ぶ。
[この軌道だとケント達も巻き込まれます!]
「っ!鏡壁……」
僕はギリギリのところで鏡の壁を作り、土の棘を相殺する。
それに驚いたのか相手からの追撃はなかったが……
(まずいな、魔力がそろそろ……)
タイマンならまだ勝てたかもしれないが、ケント達がいる以上、ケント達を守りながら戦わなければならない。
相手もそれに気づいたようで……
「おい、やれ。」
後ろで戦いを傍観していた3人の男に、ケント達を指差して言った。
「サイ様の命令なら……」
「しょうがないよなぁ!」
3人は下劣な笑みを浮かべると、ケント達に向かって歩き出す。
(まずい、あっちを止めないと!)
[レクト前です!]
「土砕!」
メモの声が聞こえると同時に、僕の腹に拳がめり込む。
その衝撃で折れていた骨が軋み、傷から血が吹き出す。
(痛みはない!このまま……あれ、体が動かない?)
神経を魔力で麻痺させているため痛みはないが、体の方が限界を迎えたようだ。
僕が倒れ込んだ姿勢から起き上がれずにいると、3人は震えるケント達に近づいていく。
(ケント達を守らないと……なんで、なんで体が動かないの!?)
サイと呼ばれた男は僕を見下ろして言った。
「その歳でお前はよくやったよ。
お荷物さえなければもう少し楽しめたのだろうが、ここでお前には消えてもらう!」
そうサイが拳を振り下ろした瞬間に、僕は魔法を使う。
「反射鏡ぉ!」
「!?」
サイは跳ね返ってきた衝撃に耐えきれずひっくり返る。
それを見届けると僕は賭けに出る。
(これはなるべく使いたくなかったんだけどね。)
「映鏡!」
その瞬間僕の体から風が吹き出し、僕の体を持ち上げる。
映し出したのはレミーの風纏。
魔力制御を少しでもミスったらお陀仏のとんでも魔法だけど、今体を動かすにはこの魔法しかなかった。
なんとか風を使って立ち上がった僕は、ケント達を襲おうとしている3人に魔法を放とうとする。
しかしその魔法は、後ろから飛んできた攻撃によって遮られた。
「どこを、みている!」
「っ!?しつこい!」
相手も満身創痍のようだが、こちらも魔力がそろそろ2割をきる。
早くトドメを、と思った時、絶望を告げる声が聞こえた。
「ねえ♪私も混ぜてくださらない♪」
声がした方向を見ると、クラウンが楽しげに笑っていた。
鏡壁は反射鏡の応用です。
反射鏡で相殺と書いてあるのは、跳ね返せなかった場合の攻撃の消滅を表しています。




