26.迎えまでの時間
小さい子供達って可愛いですよね。
かくれんぼをした日から3日が経ち、僕は依頼が終わると大通りの子供達と遊ぶ毎日を送っていた。
「レクトお兄ちゃんがきたよー!」
「「「わー!」」」
1人の子供がそう叫ぶと、周りの子供が一斉に駆け寄ってくる。
子供達は僕のことをレクトお兄ちゃんと呼ぶようになり、最年長ということもありみんなのリーダー的存在になっていた。
「今日は何やる?」
「かくれんぼ?かくれんぼ?」
「今日はだるまさんが転んだをやるよ〜。」
僕はメモから教えてもらいながらルールを説明して、いつも通り夕方ぐらいまで遊び続けた。
「楽しかったー!」
「また明日〜!」
17時くらいを回るとみんな家に帰っていく。
最後に残るのはケントとエミーで、2人の両親が迎えにくるまで、街の広場で一緒に話すのも楽しみの1つとなっていた。
「レクトは今日何してたの?」
「何してたのー?」
ケントとエミーは兄妹で、ケントが8歳、エミーが6歳らしい。
「いつも通り依頼を受けてきたんだよ。」
「すごーい!」
「まだレクトが冒険者だなんて信じられないや。」
最初にこのことを話した時は、ケントがとても驚いた反応を示し、ランクや依頼の様子などを興奮した様子で聞いてきた。
それまで話しかけても基本エミーしか答えてくれず、距離があったような感じだったから正直驚いた。
「お兄ちゃんはひとみしり?っていうんだって!」
「おいエミー!」
その後のこんな会話を聞いて、嫌われていたわけではないとわかって安堵したのは秘密である。
「ケントは冒険者になりたいんだよね?」
「そうだよ!【幻国】みたいにかっこいい冒険者になるんだ!」
「私もー?」
「エミーはわかってないでしょ……」
(【幻国】……どっかで聞いた気がするんだよね。)
[組合長が呟いていた言葉と一致します。]
言われても正直ピンと来なかったが、聞いてみればいいかとケントに質問する。
「【幻国】って?」
「え!?冒険者やってて【幻国】知らないの!?」
「知らないよ〜。冒険者になったのだってお金目的だもん。」
「そうなんだ……【幻国】っていうのはね、龍殺のカイさん、星読みのコヨミさん、絶壁のタントさんで組まれたSランクパーティで、ドラゴンを簡単に倒せる戦闘力は勿論、原因不明だった病気の治療方を生み出すなどの、知識面での活躍も多い正真正銘の冒険者最強パーティなんだよ!」
そんなすごいパーティがあるんだなぁと思ったが、僕は説明されてもあまり憧れはわかなかった。
「そろそろ迎えが来る時間だね。」
「そうえばなんでケント達はなんで親が迎えに来るの?家って確か歩いて5分くらいだよね?」
「少し前までは大丈夫だったんたけど、2週間前くらいからいきなり迎えに行くって言い出して……」
「2週間前?なにかあったっけ?」
「2週間前は確か……」
ケントがそう言いかけた時に、ちょうどケント達のお母さんが迎えに来た。
「レクト君、いつもありがとう。エミー、ケント、帰るよ。」
「はーい。バイバイレクトお兄ちゃん!」
「じゃあな、レクト。」
「はいはい、また明日〜。」
この世界も基本的に暗くなる時間は変わらない。




