19.数の暴力
本日は2話。
わからない、わからない。
どうしてこんなに非合理的な事ばかりするのだろうか。
(危険な魔物なら逃げればいい。他人を守る必要はない。)
理解したい、でも理解できない。
それでも私は知ってみたい。
だからこそ語りかける。
[レクト………]
―――――――――――――――
僕は教官に襲い掛かろうとしている熊に対して魔法を放つ。
「映鏡×10!」
映したのは火球、10個の火球が熊に直撃し、燃え盛った。
「ガァァァ……」
熊は少し鬱陶しそうにしたが、すぐに火を振り払ってこちらに向かってきた。
(魔物にも学習能力はある。反射鏡はいざという時以外は使いたくない……)
最初はリフレクトで終わらせようと思っていたが、火球をもろともしない硬さを見て、考えが変わった。
(ベストは全力の一撃を反射させること。でも全力まで僕は反射鏡なしでは耐えられない。)
そんなことを考えているうちに、熊が目前へと迫ってきている。
(使うしかないか……)
「反射……」
そう魔法を唱えた瞬間に、熊の腕が半分くらいまで切断された。
「私を忘れてくれたら困るのよ。」
レミーは剣についている血を振り払って言った。
「ナイスレミー!」
「レクトは少し気をつけなさい!いまのだって私が腕を切らなければ死んでたわよ。」
僕はレミーに感謝しながら魔法を唱える。
(今の一撃に驚いて、熊が距離をとった。ここで終わらせる!)
「映鏡×10!」
映したのは複合魔法、台風だ。
10個の暴風が熊を襲う。
熊は飛び交う水の刃にズタズタに引き裂かれて、その場に倒れ込んだ。
(倒した?いやでも……)
そう思った瞬間熊が飛び起き、僕の方に走り出した。
見るとレミーが与えた傷は完治し、今与えた傷は再生し始めている。
(っ、台風だと巻き込まれる……それなら!)
「映鏡×10!」
「風刃。」
隣からも魔法が放たれ、僕の映した水球もどちらも熊に直撃した。
だか熊は止まらず、僕に向かってまっすぐ走ってくる。
そこにレミーが熊の首に3回ほど、刃を叩き込んだ。
だか、首が切断されそうになっているのにもかかわらず、熊はこちらに向かってきた。
「レクト!」
レミーが何かを叫んでいたが、僕はもう聞いてすらいない。
[レクト、3・2・1・今。]
「反射鏡!」
熊はこちらに渾身の一撃を叩き込んだが、それを僕は正確に反射した。
その瞬間、熊は切れかけていた首が吹き飛び、攻撃をはなった腕も原型をとどめないほど吹き飛んだ。
(え、意外に威力がやばいんだけど……)
僕は頭が吹き飛んだ熊の体を呆然と見つめるのであった。
レミーの使っている剣は、刀みたいな形。




