15.自己紹介と魔力
僕達は森の奥に進みながら、軽い自己紹介をする。
「僕はレクト!よろしくね!」
「レミーよ。この試験の間だけよろしくね。」
挨拶を済ませると、僕はレミーに話しかける。
「ねえ、レミーはどんな戦い方をするの?」
「風属性魔法を中心とした剣を使っての戦闘よ。」
「へえ〜。ちなみに僕は魔法中心の戦い方だよ。」
「いいじゃない。私、魔力量は多いけど、風属性魔法があまり伸びなくてね。」
「それにしては強いみたいだけど?」
レクトも1ヶ月も冒険者をやっていれば、相手の強い弱いくらいはわかる。
「そうね、風属性魔法があまり伸びなかったから、
魔法の精密さを極めているのよ。」
「へえ〜、僕も魔力は多い方だけど魔法の精密さとかは気にしてないな。」
さっきから話に出てきている魔力というのは、生まれた時から上限が決まっていて、魔法を使うのに必須な要素の一つだ。
平民は少なく、貴族は多い傾向にある。
「それでもいいけどこの先ランクをあげたいなら、魔法の精密さはあって困ることはないわよ。」
「それもそうだよね〜。」
なんだかんだで僕の話に付き合ってくれるレミーは、案外お喋りなのかもしれない。
それから魔物に一回も出会っていない僕達は、順調に森を進んでいた。
「魔物、でないね?」
「他の受験者が狩り尽くしているんでしょう。」
今回の試験は別に合格人数に制限がないが、成績優秀者はBランクに飛び級できるという噂があった。
(そんなことをあるはずないのに……)
僕の時が例外だっただけで、基本的にギルドは飛び級を認めない。
CランクとBランクには、ネズミとライオンの差がある。
そう言われるほど1ランクの差は大きいのだ。
この試験もCランクならできて当たり前といった試験だ。
(あんなに弱そうな【モヒカンズ】だって、攻撃を反射鏡で返さなければ勝てなかったかもしれない。)
一応あれでもBランクだし……
だからこそレクトは飛び級が認められたわけだか、こんな理由で飛び級は基本的にあり得ないのだ。
[人は噂話を信じたくなるものなんですよ。]
『そういうものなのか〜。』
そうこうしていると、本当に一回も戦闘せずに森の中心あたりまできてしまった。




