10.あらぬ疑い
祝10話!!!
僕は仕方なく組合前に待機させていた鏡の僕を呼び寄せると、組合長と受付嬢さんについていく。
同じ人物が5人現れたことにより、組合内がかなりざわついているのは見なかったことにしておく。
ついていくと組合長室という看板がついている部屋で止まった。
「入れ。」
指示に従って大人しく入ると、魔物の標本がたくさん置いてある不気味な部屋だった。
(大丈夫だよねこれ?取って食ったりしないよね?)
『メモ、これ座っていいの?食われたりしない?』
[組合長は人間のため、そんなことはしないと予想されます。]
メモに助けを求めてみるも、冷静な答えが返ってきただけだった。
(違うんだメモ、そうじゃないんだ。)
僕がそう悩んでいると組合長がソファに座って言った。
「座れ。」
「ひゃい!」
僕はその声にガチでびびって、変な声が出てしまった。
「よし、ここにお前を呼んだのは【モヒカンズ】について話があったからだ。」
(あいつらについての話?僕にはありませんけど!)
僕の心の叫びなど誰にも聞こえるはずもなく、組合長は続けた。
「まず最初に言っておく、俺はお前が【モヒカンズ】を襲撃したんじゃないかと疑っている。」
(ほらやっぱり、ろくなことじゃなかった!)
僕はそう心の中で毒づきながら必死に弁明する。
「まず僕がやるメリットがありません!それに僕は襲われた側なんですけど?」
僕がそういい返すと組合長は続けた。
「メリットについてだが、昇級のためのポイントになる。最低ランクのFランクがBランクの、それもパーティを倒したとなると、かなりのポイントになるだろう。」
あれ詰んでね?と思いながら僕は話を聞く。
「さらにFランクがBランクのパーティをソロで倒したというよりも、FランクがBランクのパーティを不意打ちで襲撃したと言われた方が納得がいく。」
さらなる根拠を出されて軽く絶望してる中で、組合長は「だか」と続けた。
「証拠がない以上、本人達に白状させるのが一番効率的というわけだ。」
そう言いながら組合長は続けた。
「お前、本当にやってないんだな?」
そう言った瞬間に部屋の空気が一変する。
(すごい殺気、これを魔法なしでやってるのか。)
僕はしれっと殺気を鏡に写しながら答える。
「はい、僕は襲われたのを返り討ちにしただけです!」
僕がそう言い切ると、組合長は「そうか。」とだけ呟いて、のされてる3人組に詰め寄った。
「お前ら起きろ!」
全員に殺気をとばすと、3人が飛び起きた。
(この殺気で起きるなんて、腐ってもBランクなんだな〜、こいつら。)
僕はそんな呑気なことを考える。
[レクト、現実逃避は良くないと思いますよ。そんなことをする暇があったら、打開策を考えましょう。]
メモにもっともなことを言われたが、この状況が変わるとも思えない。
このまま【モヒカンズ】が口裏合わせて終わりか、と思っていたが、いきなり【モヒカンズ】は自白し始めた。
「すいません。あいつに組合追放されたと思って、俺たちから襲いに行ったんです!」
「「ごめんなさい!」」
僕は何が起きているのかを理解できていない。
そんな中で組合長が口を開いた。
「わかった、そんなに牢屋に入りたいなら俺が入れてやろう。」
組合長はそう言いながら、また殺気で【モヒカンズ】を気絶させた。
そしてこっちに向かい合い、言った。
「本当に申し訳なかった!」
「へ?」
僕はいきなりの謝罪に困惑するしかないのであった。
受付嬢さんは案内の途中で離脱して仕事に戻ってます。




