再度のトラブルとスマホ発見
長く続く下校トラブルの末、ようやく落とし物コーナーの列も進み、自分の番が回ってきた清夜。足を踏まれたり、荷物をぶつけられたりと何度も痛い目に遭いながらも、ついにスマホを取り戻す瞬間が訪れる。
中世風の校舎という舞台にもかかわらず、起こる事件は足踏みやスマホ忘れといった“現代のあるある”。ラストスパートかと思いきや、まだ危険は潜んでいるようで……。果たして清夜は、念願の帰宅と優依との再会を無事果たせるのか?
ようやく俺の番が回ってきて、風紀委員と思しき生徒に「どんな落とし物?」と聞かれる。
「黒いケースに名前シール貼ってるスマホで…」
係の生徒が棚を探すと、「これかな?」とスマホを差し出してくれた。バッテリー表示は少ないものの、間違いなく俺のやつだ。
「やった…!」
嬉しさに声が漏れる。どうやら昼休みあたりに落ちてたのを誰かが届けてくれたようだ。
お礼を言って列を離れた瞬間、後ろに並んでた男子が勢いよく前進してきて、俺の足を踏みかけるが寸前で回避。
「あっぶねえ…!」
ギリギリ踏まれずにすんだが、最後の最後まで気が抜けない。とはいえ、スマホさえ手に入れれば、もう何も怖くない。これで優依にも連絡できるし、やっと家に帰れる…はず。
ここまで読んでいただきありがとうございます。やっとスマホを取り戻した清夜にとって、ひとまず一件落着…と思いきや、最後の最後まで足を踏まれそうになるなど、気が抜けない展開でした。
とはいえ、スマホさえあれば優依に連絡できるし、清夜の家路を阻む最大の要因はクリアされたと言えるでしょう。今まで散々だった分、ここから穏やかな帰り道が待っているのか、あるいはまだ何かが起こるのか。ささやかな期待と不安が入り混じったこの物語は、次回へ続きます。