悪い癖
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
言えないことも沢山あるよねぇ。お友達だもん。
お友達と遊んで、沢山気遣っている様で、何時も気を遣われてしまったと思う本日。振り返って見れば余計なお世話ばかりだったと思う本日。
あんまり好きな物を皆の前で公言したり、布教したり、行ったりしないから、無理してるんじゃないかと思う事がままぁある。我慢してるんじゃないかとか。
――あんまり推し活してるイメージがない。
――話してくれても大丈夫だから。
でも……それこそが多分余計なお世話なんだと思う。一人で楽しみたいのに、自分の行いを強制させるとか、私が一番やられたくない行動じゃん。
家に帰ると、彼が玄関の扉を開けてくれた。彼は相変わらず無表情にも私の事を見ると、黙ってリビングへとすっこんでしまう。
何時もの事だった。何時ものこと以外の何ものでもなかった。でも今日は、其れが一段と寂しくて、私は玄関に立ち竦んだまま声を上げる。
「あの……あのさ……」
「ん?」
彼が此方を振り返る。玄関に立ちっぱの私を見て、変に感じたのか此方側まで歩み寄ってくれる。其れから黙って私の顔を覗き込んだ。
「言いたいこと……何でも言ってくれて良いからね。本当に何でも。好きな人が出来たとか、ハマってる事とか、本当になんでも……。君、無口だから……その……」
彼は寡黙で無口で余計な事を言わない人間だった。何時も静かに事をなし、頭の回転の良さを生かして先回りしてくれる。だから凄く心配になった。何処かで無理してないかとか、本当は言いたいこと我慢してるんじゃないかとか。
そういう人程、何でも受け入れてあげたい。この人の受け皿になりたい。必要と……されたい。何時も……お世話になってるから。
「お前という女がありながら、何で浮気するような真似するんだよ」
……私の悪い癖。余計な事を言って不快を買う。ドイツ語の諺で、無能な働き者は処刑するしかない。なんてたるけれど、私はそれなんだと思う。何時も余計な事ばかり。
「愛情表現しないのが不満なのか? なら此処で立ち直れないくらい言ってやるが」
「そうじゃなくて……」
そうじゃないの。そうじゃないの。貴方は無口だから、無口で優しい優等生だから、何時も知らないところで我慢を強いてないか不安なの。ある日突然、糸がぷっつり逝って、離れてしまうんじゃないかと不安なの。良い事も悪い事も話して欲しいの。
「うぅ……」
「今日のお前、本当に分かんねぇ。友達になんか言われたのか? とりあえず、ソファ行くぞ」
とりあえず導かれるままリビングへと移動して、そのままストンとソファに座らされた。彼の気配が無くなる。戻って来る時には麦茶とコップが握られていた。
「とりあえず、言いたいことは全部言ってる。大丈夫だから」
其れから暫く二人で一緒になっていた。彼は相変わらず気遣いの鬼で、木偶の坊と化したわたしの世話を甲斐甲斐しく焼いてくれた。
「余計な事、今日沢山言っちゃって。もしかしたら、気が付かないところで沢山相手に嫌な事してるかもって思って、そしたら君の顔が浮かんで……それで……お節介だなって……思って」
あぁ、嫌だなぁ。これ以上君に迷惑掛ける真似はしたくないのに。
「誰かに言われたのか? 言われてないなら気にするな。そもそも其れが言えない間柄でもねぇだろ。毎日会わなくても連絡して遊び合う相手なんて、信頼のおける奴ぐらいだ。何でも言ってるよ。お前の友達も」
「うん……」
其れから暫くしがみついて泣いた。彼は私の元を離れる事無く、ずっと傍に寄り添ってくれた。
自分で言うのも何ですが、デリカシーがクソほど無い人間なので、夜になって反省会開くんですよ。
今日も沢山、余計な気遣い、世話焼きました。
そろそろ話す口は黙ろうと思います。
一人で楽しみたい子は良かった事を語り合いたいとか思わないでしょうし。
其れを話して欲しい。というのは有り難迷惑な行為だと思いますし。
そう思ってしまうのは、一種の支配欲、束縛かなぁと思ってのこの子の自虐です。
お友達だから話せない事もあるよねぇと思います。
貴方と話したくない。
とか私はあんまり言いたくないんですよ。