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第491話:異世界の健康診断

「ハ…こういうことか。ニーナのやつ…」


「すご〜い! いっぱいマミヤくんのこと書かれてるね! 『蒼の旅団』のことまで!」


「あーん、ワタシ読めないよ〜!」



 テオの屋敷へお邪魔させてもらった俺たちは、バーニスの爺さんから再び話題沸騰中の『蒼の英雄特集』が載った新聞を一部もらった。


 書かれてる内容はどれもこれも、あの時彼女から質問されたことばかりだ。

 …若干順番の入れ替えや、脚色も混じってるが。

 まあ、こんくらいは許容範囲内だろう。



「ほっほ…お気に召されましたかな?

 マミヤ殿の名は今や王都中で知れ渡っております。

 …密かに魔王の復活が街で噂されるなか、貴方様の行いが不安で駆られる人々の希望となっているのでしょう」


「「「!」」」



 バーニスさんのこの口ぶりは…? まさか…



「爺さん、アンタもしかして?」


「ええ、存じ上げておりますとも。

 恐ろしき『紅の魔王』が黄泉から舞い戻る…。

 領民を護るため…彼奴を討ち取るため、貴方の元へ身を寄せたと若より伺っております」


「そっか、テオくんが教えたんだね」


「おそらく腹心であるマクラウド様に事情を話さなければ、道理が通らないとお考えになられたかと」


「あはは、マジメなテオ坊らしいねー」



 そういやテオが旅立つとき、この爺さんや領民の人達は最初反対してたっけか。


『外』でも力が通用するってことを、わざわざみんなに証明するために、アイツは俺に挑んできたんだった。



「バーニス爺さん、テオにはよく助けてもらってますよ。

 しかも、冒険者としてメキメキ力を付けてきてます。

 最近じゃ新しいオモチャも手に入れてエラいゴキゲンみたいだし」



 おそらく、バーニスさんはテオのことを息子同然に可愛がっていたのだろう。

 あっちでも元気にしてるって伝えなきゃな。



「ほっほ、そうですかそうですか…。

 旦那様を早くに亡くされてから、若は孤独で寂しい人生を送られてきました。

 少々様子が気がかりでしたが杞憂でしたな。

 これからも息災であられることでしょう。

 貴方のような温かい御仁が傍に居てくれるのであれば、きっと」



 ☆☆☆



「こちらがシトロン様のラボになります。

 ご用事が済みましたら、また爺めにお声がけ下され」


「ありがとう、爺さん」


「お心遣い痛み入ります。マクラウド様」



 マスカット邸、特注ラボ前。


 俺がシトロンさんと会うのはわりと久しぶりか。

 最後に彼女と会ったのは、カジノでの騒動が終わったあとだったからな。



「それにしても…テオくんの屋敷って、見た目と内装が全然釣り合ってないよね?」



 バーニスさんが居なくなったのを確認して、モネがそんなことを言ってきた。



「はは、やっぱモネまで同じ感想か。

 それテオの前であんまり言うなよ?

 本人けっこう気にしてるみたいだからさ」


「ワタシ、テオ坊がお掃除する時になんであんなにうるさいか分かった気がするよ」



 そう、テオの実家はぶっちゃけボロい。

 ボロいが、家の中はめちゃくちゃ綺麗に…いや、清潔にされている。

 このアンバランスさは、彼に起きたあるトラウマが原因だ。



「レイト様、今は目先の用を片付けるべきかと」


「おっとそうだな。じゃ、入るかー」



 ザベっさんに急かされ、ラボ室のドアを押し開ける。

 そこには…



「来たか、マミヤ。久しぶりだな」



 ド派手なピンク髪のロングヘアー。

 白衣をまとった美人女医さんがクールに出迎えてくれた。

 元闇医者でアシュリーの友達、シトロン・ワーグさんだ。



「おひさー、シトロンさん。

 健康診断の予約してたマミヤでーす」


「フッ、悪魔(デビル)という病に感染してる割には大して怯んでないようだな」


「いやいや、こう見えてビビってるって。

 何気に異世界でキチンと身体のチェックするのは初めてだしさ」


「安心しろ。あまり時間は取らせん」



 そんな軽口のやり取りをして、シトロンさんは俺以外のメンバーに目を向けた。



「お前はたしか…エリザベスだったか?

 他の面子は完全に初見だな」


「はい。ご無沙汰しております、ワーグ様。

 本日はレイト様のお付き添いとして参った次第です」


「モネ・ラミレス、占術士(フォーチュナー)と女子大生やってまーす」


「カーティス・バルガ、赤竜(レッド・ドラゴン)やってまーす」


「てめえは冒険者だろうが!?

 せめて人間やってるって言え!」



 カーティスのやつ、どうしていつも正体すぐ明かしたがるんだ!?


 当たり前だが、カーティスの自己紹介を聞いた途端、シトロンさんはガタッと椅子から立ち上がった。



「レ、レッド・ドラゴンだと!?

 前にも海竜(リヴァイアサン)を屋敷に連れて来ていたが…いったい、お前の交友関係はどうなっているんだ?」


「そんなの知るかよ…気づいたらウチの家にべっとり住み着いてたんだ。

 群がるドラゴンによく効く殺竜スプレーとかあったら教えてくれない?」


「ワタシ害虫扱い!? きー! ひどいマー坊!」



 ポコポコ俺の頭叩いてきた。

 やめろ、お前やると地味に痛いから。



「ワーグ様。私は戦乙女(ヴァルキュリア)のカリキュラムの一環で、各種測定器の扱いに一定の心得がございます。

 微力ながら、お力添えが可能かと」


「ほう? なるほど、それは助かる。

 よし…ではさっそく始めるとしようか。

 マミヤ。まずはとっとと服を脱げ」







こんにちは、黒河ハルです。

貴重なお時間を消費して読んでくださり、とても嬉しいです!


開口一番、まさかのストリップ!

零人は脱いじゃうのか!?


「続きを読ませろ!」と思った方は、ぜひブックマーク、並びに下の☆を『5つ星』お願いします!

何卒、なにとぞっ!底辺作家めにお慈悲を…!!


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