その足で立つために(短編版)
とびらの様主宰「あらすじだけ企画」用の作品です。つまりあらすじです。
企画主の批評も届きましたので、時間ができ次第
もともとのあらすじ
↓
改訂版
の順番で並べて比較できるようにしたいと思います!
小学生のしょうたは、親の事業が失敗したことで父方の祖母に預けられることになった。都会のタワーマンションに住み、私立学校に通う生活は一変し、農業や牧畜で生計を立てる家が多い田舎へ。金策のために忙しい両親とはなかなか会えない暮らしが始まった。
しかしそれまで当然のように使っていた上等な文房具や洋服は転校先の子供達の反感を買い、殴られたり物を壊されたり、放課後も悪ガキに絡まれるようになってしまう。
子供のケンカやいじめに理解のない祖母に家から追い出され、毎日いじめっこたちから逃げていたしょうたは、ある日祖母に「行くな」と言われていた村の端にある平屋にまで逃げてしまった。いじめっこすら近づきたがらないこの家にはさぞかし恐ろしい何かがあるのだろうと思いつつも庭らしき雑草天国に隠れる。結果、
「うちでかくれんぼするな、少年!」
家主にいたずら小僧と誤解され杖で殴られるはめに。
誤解を解き、話を聞いてくれた平屋の家主はまだ若い女性だった。見た目に反してとても口の悪い彼女は過去のけがが元で杖が必要であり、そのため宅配サービスの愛好者だった。年寄りが多く閉鎖的な村では避けられがちな彼女だが、都会育ちのしょうたは忌避することなく毎日「避難」するようになる。
数日ごとにやってくる宅配サービスや定年間近の警官以上に平屋に入り浸るしょうたは、女性が絵本作家と知り、次第に絵を描くことの楽しみを見出だしていく。少しずつ余裕ができるにつれて、村の人間関係にも目を向けるようになっていった。
しょうたから見て祖父母の世代、親の世代、その子供達は仲がいいわけではない。時代の変化に疎く家を継がせること以外に関心のない祖父母世代と、村の外の常識を知っており舅姑と上手くいかない親、その間に挟まれている子供。
その軋轢は代々村の地主であった家が二十年近く昔に事件を起こしたことから始まっているらしい。事件の際に地主一家を庇った祖父母世代と、反発し、家によっては村から去っていった者もいる親世代の溝は未だ深い。
女性に悪意を持っていないと判断されたしょうたは、苦い顔をした警官から話を聞くことに成功した。
「わしの家族はこの村にはいないから、昔のことを掘り返しても怖くないのさ。特におまわりさんは地主とまではいかないが、偉いんだ」
だが「村の少女にケガを負わせ、村全体で家族ごと追い出した」という事件を引き起こしたのがしょうたの父親、祖母であり、そのせいで親たちはいじめっこを諌めないということだけは警官は教えなかった。その事件の被害者が、平屋の家主の女性だからだ。
一方女性は自分の足を傷つけた地主の人間を庇った祖父母世代への復讐に、偶然出会ったしょうたを利用するという考えを改めていた。情が移り、次第にいじめに負けず立ち向かうようになったしょうたの成長を見守りつつ、他のいじめられっこを一緒に匿ったりと、それまで避けてきた村人との交流を少しずつ増やしていく。かつての友人たちとも和解し、祖父母世代に理解されない子供達の夢を応援するようにもなっていく。
やがて大半の家から親世代と子供達が出ていくことが決まった。祖父母世代の想像していた慎ましやかな、新しい変化の一切を拒む村のあり方を破壊したことより、子供達が未来への希望に目を輝かせ友人との縁を繋ぎ直せたことに女性は満足するのだった。
しかし、女性があえていい思い出のない村にひっそりと滞在していたのは復讐のためではなく、都会でストーカーに狙われたためだった。ふとしたきっかけで子供に絵本作家であることが知られてしまい、その情報が知らぬ間にストーカーにも届いてしまう。
復讐もでき、しょうたへのいじめもほぼなくなり、すっかりストーカーの動きも止み、安堵した女性は都会へ戻ることに。
だが一番しつこかった悪ガキに宝物を破壊されたことでついに激怒したしょうたは、初めて殴り合いをする。悪ガキの暴走は村を荒らした自分にあると考えた女性はしょうたに全てを話し、都会へ戻ろうとする。
だが彼女が一人で平屋に戻ったところを狙ったストーカーに襲われ、車に連れ込まれそうになる。後を追ってきたしょうた、騒ぎに駆けつけた警官、……ではなく田舎の悪習として親世代の不満を集めた放し飼いの犬などの動物たちにストーカーは倒された。
しょうたは向けられた悪意に立ち向かい、親しい女性に裏で父親への恨みを向けられていたことも受け入れ、父親のしたことに過度な罪悪感も持つことのない強さを持ったと知り、安心した彼女はいつかの再会を約束して都会へと戻った。の、前にしょうたの父親に謝罪されたため、杖で殴った。
そして数年が経ち、絵本展の招待状を手に会場にやってきた彼のことを、変わらぬ笑みで彼女は待っていた。
「変わらないな、少年!」
改行などを含んで1997文字です。
なおこのあらすじの小説を書く予定はないのですが、「書きたい」と思った方はぜひ読みたいのでご連絡下さい( ̄▽ ̄)