選択。
「真実…ねぇ。
でも、それが俺にどう関係があるんだ?」
俺に思い当たる節はない。
一様まっとうな人間をやってきたつもりだし
天国に関わった覚えはもうとうない。
「そうね…、今は教えられないけど
絶対にあなたに関係する事だって事は保証するわ。
知って損はないけど、知ることによってあなたの中の何かが
壊れる可能性がある。
その辺は絶対とは言い切れないけど。
君、結構現実味ないことは信じなさそうだし」
「…悪かったな」
俺に…関係あること。
気になるけど俺が壊れる。
この身体を貸すだけじゃすまなくなるって事か?
そんなのはもちろんごめんだけど俺に関係のある真実…。
気になっているのは確かだった。
思い当たる節がなければないほどその思いは膨らんでゆく。
「それじゃあ例え俺が真実を知りたいといったら
君はどうするんだ?」
「もちろん連れて行くわ。君には知る権利があるもの」
「連れて行く…?」
「あれ?言ってなかった?
あたし、これから地獄へ行くの」
「じっ地獄!?」
普通天使なら天国へ行くべきなんじゃないのか?
それに天使が居る地獄って…。
とても創造できた物じゃない。
「天使はね、この世界から帰ってくるとき一人だけ天国へ連れて行っても
よさそうな罪人を連れてゆくの。
そうしていかなければただただ地獄に罪人が増え続けて
三つの世界の均衡が取れなくなる。
この世界の均衡を保つのも私達の仕事なのよ」
「三つの世界の均衡…」
てことは常に俺達の世界はこの天使達に守られてるって事か。
今考えてみればのんきなものだ。
「私はまだ一様天使の力を継続し続けているから
その規則だけは守らなければいけない。
でもあなたは…」
「俺は?」
「あなたが地獄を通り抜けるのは難しいかもしれない。
普通の人間は罪人の世界に落とされでもしたら地獄の一部として取り込まれるわ。
罪人のみが地獄でその身の原型を留めていられるの。
だから常に罪人たちは我先に助かろうと人間を狙ってる。
それがあなた達の世界で言う妖怪ね」
「なんか突拍子もない話になってきたな」
実際には天国ってのも厳しい規則で縛られてるし
結局の所どの世界も大変みたいだ。
「それでも行く?危険を犯してでも行くことはないわ。
あたしは結局の所あなたの体が借りられれば良いんだから」
「…」
行くか行かないか。
行けば少なからず俺に得られる物があるのだろうか?
きっといかな方が居のだろう。
…でも。
行かないわけには行かない。
そんな気がしてならないのだ。
「どうする?」
俺はきっと行くだろう。
初めからわかってた。
いや、初めから自分の心が決まっていたのかもしれない。
「分かった。俺も行くよ」




