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カースドール  作者: はなちゃん
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【番外編】~悠のお話②~

「さっ!入って入って~」


半ば強引に連れてこられた場所は、扉に「違法カースドール使用者取締事務所」と書かれたシールが控えめに貼ってあるアパートの一室だった。


「ここ、事務所なんですか?」

「ん~、一応ね。社長は僕。社員は一人しかいないんだけど…」


中に入ると小さなローテーブルが1つにソファが2つ。奥の部屋には大量のガラスケースが見え、電気がついている。まだ混乱と困惑が抜けない悠は、見かけによらず広い部屋だな、などと1度どうでもいいことを考える。すると、奥の部屋から小柄な男が出てきた。


「んぁ、社長おかえり~。捨てドールでも拾ってきたのーって誰?その子」

「ただいま梓。君、彼が社員の成天梓だよ。それで、僕が社長の伊調真司。そういえば名前、聞いてなかったな。」


真司が小柄な男の紹介をした。悠の名前も聞かれたが、正直名乗りたくなかった。父親がつけた名前を。悠が俯き黙り込むと、真司は少し微笑み紙とペンを出してきた。


「あまり喋りたくないのなら筆談にしよう。名前を書いて?」


真司の予想は少しズレていたが、言うよりマシか、と悠は小さく名前を書いた。


「うーん、あらき、ゆう、くんかな?」


悠は驚いた。読み方が間違っていたから、という理由ではない。同じ字でも読み方が違うだけでこんなにも他人のようになれるのか。そう思った悠は自分でも無意識に返事をしていた。


「そう、そうです!僕の名前はあらきゆう…!荒木悠(アラキユウ)です!」

「そうか、悠くん。よろしくね。」


突然喋りだした悠に、真司は少し驚きながら右手を差し出してくれた。そんな真司の優しさに、少しくすぐったい思いをしながらその優しく大きな手を握った。


「うぇ~!なんか変なの拾ってきちゃったね?社長?」

「そんな事ないさ。梓も悠くんにご挨拶、ほら。」

「ちぇっ…僕は梓。悠、だっけ?何しに来たの?依頼?依頼じゃないならできるだけ早く出ていってよ?」

「こら、梓!そんな敵意をむき出しにしない。ごめんね、悠くん。」


はじめからものすごく嫌われている。そんな感想を頭の中で述べた悠は、自分も挨拶しなければ、と慌てて名乗った。


「はじめまして、あらb…荒木悠と言います。梓さん、よろしくお願いします。」


にっこりと笑った真司は悠をソファに座らせ、自分は向かいのソファに座り、真面目な顔をして話し始めた。


「あのね、悠くん。行く場所ないって言ってたでしょ?だから、社宅を貸してあげる。」

「ヴェッ!?」

「梓、うるさい。それで、その代わりにここの社員になってくれないか?」

「ヴェェっ?!」


途中、変わった相槌が入ったが、誰よりも驚いているのは悠自身だった。ここに住まわせてくれる。代わりに社員に?いや、ないない。働ける自信も、役に立てる自信もない。自分の中での葛藤は続く。


「答えは今すぐにじゃなくて全然いいんだけどね、頭の片隅にだけでも入れといてくれないかな。見てのとおり、うちは社員が1人だ。さらに、名前で分かると思うけど、違法者を取り締まる事務所なんだ。だけど、生憎戦いの場に出られるのが私しかいない。梓は非戦闘員だからね。それに僕の本職は警察官なんだ。なかなか忙しくてね。そこで社員を増やしたいと思っていたところに君がいたんだ!君みたいな才能抜群な人を僕は見たことがない!」

「いやいやいやいや!!!才能なんてないでしょこんなガキ!絶対無理だって!やめとこうよ!どうせ邪魔になるだけだよ!」


全く話が見えない。才能?戦闘?違法者取り締まり?なんのことを言っているのか分からない悠は、ひたすらに勧誘してくる真司と、それを必死に止めようとする梓を呆然と眺めているしかなかった。

番外編第2弾です。

実は悠くんと梓くんは同い年です。

だからこの時梓くんも17歳。若いですね。

社長はこの時24歳の若手警察官で、優秀でした。社長も結構な実力の呪術者で、プロトタクト使わないでドール発動出来ます。さすがです、社長。

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