03.
ドール達と楽しく食事中、悠の携帯に連絡が入った。
「主!依頼ですかね?」
食べることが大好きな清涙が、手を止めてまで悠の方に視線を投げかけてくる。
そうかもしれないね、とだけ伝え、携帯を確認する。その内容は
「違法カースドール使用者確認。迅速に取り締まり、確保をするように」
であった。
「さぁ、清涙、凛華、ティー。お仕事だよ。」
「「「はい!主!」」」
☆
メールとともに送られてきた住所は、小綺麗なオフィスビルだった。どう見ても血なまぐさい戦いが行われているようには見えないくらい、綺麗な所だった。本当にあっている住所なのか何度も確認したが、ここで間違いなかった。
「あー…、とりあえず、行くか。」
「主…ここ、あってるんですか?いつも廃墟とか…廃病院とか…森の中とかじゃないですか。」
不安そうなティーが尋ねてくる。しかし、悠は少しだけ困ったように笑い、ティーの手を引き歩き始めた。
中に入るとまず最初に思ったことは「静か」。
あかりもついてて、ちょうどいい温度にエアコンもついている。なのに、受付には誰もいないし、エレベーターも動いている気配はない。
「メールには3階、って書いてあったな…ったく上も人使い荒いよな」
愚痴を零しながらエレベーターに手をかけ、ボタンを押す。しかし、エレベーターはビクともしない。
「?
主?エレベーター、動かないんですか?」
凛華が問いてくる。少し期待したような目で。
「あぁ。凛華、お願いできるか?」
「!!はい!」
凛華は雷系の呪いを使って作り出したカースドール。そのため雷の技に特化しているのだ。つまり、ちょっとやそっとの故障、すぐに直せてしまうのだ。このエレベーターも、凛華にかかればものの5分で修理してみせる。
「主、直りました。」
少し自慢げに胸を張って終了の合図を見せる。悠は凛華の頭にポンと手を置いて感謝の意を伝え、エレベーターのボタンを押す。
ウィーン…
滑らかにエレベーターの扉が開く。4人は中へ入り、3階のボタンを押した。
「主!どんなドールちゃんがいるんでしょうね?」
「そうだな…水系の呪いは嫌だな。」
「あぁー、水系だったらティーと凛華がへばりますもんね」
ティーは炎系のカースドールである。そのため、水系のドールと戦うとなると、やはりティーには不利になってしまう。雷系の凛華も、感電してしまう為、暫くは動けなくなってしまうのだ。しかし、凛華が感電すると、必然的に相手のカースドールも感電することになる。なので、凛華には申し訳ないが、水系のカースドールと戦うことになったら、凛華には感電してもらうことになる。
一方、清涙は氷系の呪い。水系のカースドールには有利である。しかし、相手のカースドールが2体で、炎系の呪いだった場合は圧倒的不利になってしまうのだ。
「もしいい子にしてくれたら私も感電しないで住むんですけどねぇ」
「はは、そうだな。いつもごめんな、凛華。」
そんなことを話しているうちに3階に着いた。エレベーターの扉が空く。オッドアイのその目に飛び込んできたのは、壁という壁は破壊され、ほぼさら地になったオフィスに、1人の少年と、カースドールと見られる、男の人形だった。
次回、戦闘シーンになります。清涙、凛華、ティー以外のカースドールはただの人形です。あと、書くのを忘れてしまいましたが、本来ならカースドールはものを食べないし、寝ないし、歩きません。人形ですから。でもあの3人は違うようです。真相はまた別の話で…
まだまだじゃんじゃん書いていくのでよろしくお願いします。誰かに読んでいただけたらとっても嬉しいです。




