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カースドール  作者: はなちゃん
15/18

12.

「今回の依頼は僕も行っちゃおっかなっ!」

「しゃちょーも行くんすかぁ?じゃあしーちゃんも整備っすね。」


2人きりの事務所で、真司と梓は話している。悠たちが帰った後にはもう日が暮れ、辺りは暗くなっていた。


「今回の依頼は厄介みたいだからね。悠たちだけには任せられない。それに、そろそろ‘‘あれ’’も限界でしょ?」

「あー、そっすね。多分、コードilはそろそろ。」

「悠はあんなに楽しそうにしていたけど、これを伝えるのはまだ早いかな。」

「遅くなれば遅くなるほど、ここのダメージは大きいっすよ。」


そう言いながら梓は自分の心臓を指差す。真司は悲しそうな顔をしながら頷いた。




✕✿T




「「「主!準備出来ました!」」」

「よし!行くか!」


戦闘服に着替えた3人をにっこりと笑いながら出迎え、指輪をはめ直す。悠はお気に入りのコートを肩にかけると、扉を開けた。


「おっ悠。おはよう!今日は僕もついて行っちゃうよ!」

「社長…。おはようございます。仕事は平気なんですか?」

「今日のために有給を取りました~。しーちゃんも整備してもらったから準備万端だよ!」


隣に立っているように見える可愛らしい少女は、真司のドールのしおん。もちろん意識はない。真司と手を繋いで立っているのは、真司が呪術を使っているからだろう。よく見れば、この間梓が凛華のために作ったドレスを着ていた。


「実はね、悠。今回の依頼はかなり厄介みたいなんだよ。だから!僕としーちゃんがお助けに来たってわけ!」

「一応僕もいるけどね」


真司の後ろから顔を出したのは梓。いつもなら凛華に会うと直ぐに出てきて口説きに行くのに、今日は何故か落ち着いている。


「よう、梓。今日はどうしたんだ?」

「おはよ、悠。どうしたって、何が?」

「凛華が見えてないのか…?」

「?

おはよう、悠のドールたち!今日も頑張って依頼こなしちゃってよ!」


おかしい。絶対に。悠は不思議に思いながら家の鍵を閉めた。



「依頼の場所はここら辺のはず…」


電車とバスを乗り継いで2時間程。着いた先には洋館。しかし明らかに人は住んでおらず、錆び付いた門に蜘蛛の巣の張った玄関が見えた。


「まぁ、いつも通りってとこっすかね。変な廃墟よりはまだいいっすよ。」

「主ぃ…。あそこ…」


恐る恐る悠の袖を引っ張ってきたティーは、洋館の2階の窓を指差す。悠はティーの指差す方向を見ると、誰かと目が合った気がした。しかし、すぐにその感覚は消え、なにかがいた証拠である揺れたカーテンだけが残っていた。


「ティー、何を見た?」

「黒い影が…目と思われる場所が一瞬光ったので、目を向けたらこちらを見ていました。」

「分かった。ありがとうティー。」


悠は落ち着かせるようにティーの頭をそっと撫でると真司の方を見た。


「うん。じゃあ入ろうか。悠、戦闘態勢」

「了解」


悠は指輪をぼんやりと光らせた。途端にドールたちの意識が無くなる。真司のドール、しおんも、武器である大きなナイフを構える。悠たちはギーッと大きな音を立てて開いた門の中に入っていった。

遅くなり申し訳ございません。はなちゃんです。

真司と梓の話していた「あれ」とは何なのか。洋館の中にいたのは、なんなのか。次回で全部分かります。嘘です「あれ」についてはもう少しお待ちください。次回は挿絵が入ります。真司+しーちゃんのキャラデザが分かるのでお楽しみに。

次回はもっと早く更新できるように頑張ります。(小声)

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 割とコミカルだった日常回から、一転して不穏な感じになりましたね。 元々意思を持っている悠のドール自体がイレギュラーみたいなので、 色々と厄介な制約のようなものがありそうです。
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