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命を継ぐ者。 〜 Inherit the Life. 〜  作者: すにた
第七章 昨日とは違う明日へ。
39/143

はじまりとそのあと。 〜その壱

 ーーー未明。


 ドゥクパ王国・パロ空軍基地から、航空機二機、それも同一機種で構成された一編隊が間を開けずに離陸して行った。


 目を凝らして見ると、二機それぞれの傾斜(・・)尾翼左右外面に描かれたフィンフラッシュの国籍マークが異なっているのが分かった。


 先に離陸した方は、左向きの白い「雷龍」。続いて離陸した方は、白地に「赤丸」が描かれていた。


 つまり、連れだって離陸した二機は、それぞれ、ドゥクパ王国空軍機と日本国空軍機が一機ずつであると言うことだ。


 それら二機の航空機は、日本国が流星迎撃などの短期の超高空ミッションの達成を念頭に置いて開発した、三菱社製の超高空・弾道飛行専用航空機・F-3Dだった。


 その証拠に、しばらくすると、地球の自転方向に沿って離陸した二機から、それぞれ一つずつのカプセル(または増槽と見える何か)が同じタイミングで投棄された。それらは、電力供給用のコンデンサー(または外部バッテリー)だ。パラシュートが開かれて、ゆっくりと地上へと降りて来る。後で回収して、可能であれば再利用する為である。


 ーーーこれが三菱・F-3Dだけが持つ、決定的な特徴の一つであった。


 三菱社製のF-3Dは、大気抵抗(圧縮とそれから生じる高熱)を物理的に回避するために、主翼がとても小さい。ロッキード社製の超音速戦闘機・F-104を参考にしたのかと思える程に酷似した台形の翼しか与えられていない(前進翼でも後退翼でもない)。御陰で、厚い大気が立ち塞がる(立ちこめる)地表付近でも、信じ難い高速を維持した飛行を可能としていた(試す組織は少ないが)。また、不意の横風などの悪影響に対しても、強い対抗性を期待する事が許されてもいた。


 当然、そんな主翼であれば翼面荷重は高くなる。だから、この手の機体には、開発者も運用者も、機敏な動きを求めてはいなかった。だいたい、高速モードではターボジェット・エンジンではなく、ラムジェット・エンジンで飛行しているのだから、


 三菱・F-3Dは、目標地空域に他のどの機体よりも早く到着したり、俊敏な機動力を期待出来ない大型爆撃機や大型情報収集機に対してすれ違い時に攻撃/偵察を仕掛けるのを得意としていた。


 その代わり、敵勢力の大型爆撃機や大型情報収集機に真面な護衛戦闘機が付けられていた場合は、相手に気付かれていない様なら速度差を活かしたヒットアンドアウェイ戦術しか採れない。気付かれてしまったならば、それ以上は決して近付かず、直ちにアクティブ誘導の長距離ミサイルか中距離ミサイルをぶっ放してから一目散に退却するしかなかった。


 事実上のインターセプター(要撃機)。決して原型機であるF-35Aの様な制空戦闘機ではない。つまり、軍事的には日本国が重用したF-15Jに様な制空戦闘機ではない。どちらかと言えば、事実上の迎撃専用(・・)戦闘機とされた旧ソ連のMiG-25に近い道具であった。


 翼面荷重が高いと言う事は、離着陸が大変に困難と言う事にもなる。不慣れ(或いはセンスのない)パイロットでは何とか離陸操縦を成し遂げても、着陸操縦の成功に関しては奇跡でも起きない限り不可能な仕様となっている。


 しかし、そんな玄人や達人やマスターしか操縦出来ない仕様のままでは、国外市場において商業的な成功を収められるはずもない(マニア向けのプラモデルは小ヒットくらはするかも知れないが)。


 だから、三菱社製のF-3Dに"電子的空気抵抗操作技術開発(ドルフィン・スキン)"による助力を与えた。おかげで、離陸時と着陸時に限ってだが、通常の海軍空母用航空機と同等の翼面荷重を獲得出来た。


"電子的空気抵抗操作技術開発(ドルフィン・スキン)"とは、電子的、或いは仮想的な可変揚力緩衝器であり、VG翼(バリアブル・ジオメトリー翼=可変翼)以上に効率良く主翼特性を変化させる技術である。平たく言えば、それさえ搭載していれば、一時的ながら、特定の航空機の主翼の翼面荷重量の増減や失速特性を自在に調整出来る様になるのだ。


 離陸後に投棄されたカプセルは、離陸時の"ドルフィン・スキン"利用時に電力を消費し切った。これから行うハイレートクライム飛行に備えて、不要な重量を切り捨てたのだ。また、着陸時は、機内に搭載されている電力で"ドルフィン・スキン"を起動する事になる。


 二機の三菱・F-3Dは、ただ、ひたすら上空を目指して進み続ける。インド共和国とミャンマー連邦共和国の国境線のあたりで、二本のエンジンをターボジェット・モードからラムジェット・モードへと切り替える。


 開発中には"鬼門"として立ちはだかり、何人かのテストパイロット達にイジェクション・シートの有効性を再認識させた"エンジン・モード切替シークエンス"も、今では機体を制御する人工知能が賢く育ち、全く危なげなく機体姿勢を安定させてくれる。


 これらの縁の下の力持ち的な技術の御陰で、三菱・F-3Dは高度3万0,000m級の超高空飛行を手軽に行える手段の一つとして、民主主義国家群と権威主義国家群の両方で等しく認められていた。ただし、後者の方は、現場の人間が非公式に認めているだけだったが。


 ーーー超高空飛行の民主化。或いは、普及化への道筋が引かれたのだ。


 特別な才能の持ち主を集めて、それらに特別な訓練を施して、更に特別に高価な機体と特別に面倒な整備を用意する必要がなくなった。宇宙空間が一般人に完全開放される前に、成層圏体験の日常化と言う将来がもう直ぐそこまで到来しているのだ。本当に、もう、足音が聞こえるくらいに。


 ーーー権威主義国家群LOVEの人達に言わせれば、それも「軍靴の音」として評価されるに違いないのだろうが。


 ドゥクパ王国空軍機と日本国空軍機のフライト・プランは、ドゥクパ王国・パロ空軍基地を離陸し、人民共和国の防空識別圏(ADIZ)を奥深く侵入し、日本国の馬毛島で着陸する事になっていた。人民共和国の防空識別圏(ADIZ)では、弾道飛行の最高高度(ピーク/頂点)である高度3万5,000mへ達する予定だった。


 これは、明らかに示威行動だった。


 しかし、これをどうしても行わなければならない事情が民主主義国家群にはあった。


 月軌道プラットフォーム(LOP-G)ゲートウェイ(Lunar Orbital Platform-Gateway)が、地球への最接近位置へと回って来る。


 月軌道プラットフォーム(LOP-G)とは有人の宇宙ステーションである。ただし、地球の衛星軌道上を回る人工衛星ではない。月を支点として、つまり月を周回する複数モジュールで構成される約50トンの宇宙ステーションである。


 コア・モジュールとして、ノースロップ・グラマン社製のHALOに、ゲートウェイ了解(MOU)覚書に署名した、NASA、ESA、ロスコスモス、JAXA、CSAが主導で開発した追加モジュールがドッキングする事で成り立っている。


 これを地表や衛星軌道からと予期される攻撃から、何が何でも守らなければならなかったのだ。


 月軌道プラットフォーム(LOP-G)ゲートウェイとは、民主主義国家群が地球と月の間に打ち上げた宇宙ステーションである。正確には、地球に衛星である月の衛星。つまり、孫衛星である。


 月軌道プラットフォーム(LOP-G)ゲートウェイは、月を要とする月長楕円極軌道(NRHO)(near-rectilinear halo orbit)を約6日かけて一周するコースを常に飛行中だ(往路と復路は、それぞれ約3日ずつかかる)。


 月長楕円極軌道(NRHO)とは、月からの近地点はとても短く、月からの遠地点はとても長い。そして、民主主義国家群の宇宙開発組織は、その"月からの遠地点"を"地球最接近機会"として設定している。


 かなり歪な(横長な)楕円であるが、これは離心率の操作でいくらでも調整が出来る(イオン・エンジンの様な低出力スラスターでも可能)。また、軌道離心率が1を越えてしまうと、既に月の孫衛星ではなく、太陽を中心に太陽系を周回する人工惑星の一つへとクラス・チェンジしてしまう(または、地球の引力に捕らわれて地球の衛星となったり、地球へ落下する)。


 月面への最接近時には、月からたった1千,500kmと言う本当に手が届きそうなスレスレと言って良い近距離を通過する。月からの最離脱時には7万0,000kmと言う、完全に地球の裏庭を掠めて去る。


 スケジュール的には、約3日間に1度、地球の直ぐ側に近寄る(約3日間に1度、月からの遠地点を通過する)。更に約3日後には月へと最接近する(約3日間に1度、月からの近地点を通過する)。つまり、一カ月間に五往復の定期バスであると考えると、そのありがたさ(・・・・・)が身に染みる事だろう(同じ軌道に2つ目や3つ目のゲートウェイと建設すれば、一〇往復や一五往復の定期バスを仕立てる事も可能)。


 これで、アポロ月探査船に往復させるよりも速い(アポロ11では往路に4日と6時間を要している)。しかも、化学燃料をほとんど消費しない。真にSDGsってヤツだ。持続可能な(月面)開発目標。


 先にも書いたが、決まった軌道を安定して周回するには、定期的にスラスターやジャイロで小修正(微調整)を繰り返す必要がある。とは言え、基本的には慣性を利用した遠心力頼りの無動力飛行である。国際宇宙ステーションのISSと同じで、仮に重大事故が起こって全機能喪失に陥っても、事故後に追加でもう一周する(もう一度帰って来る)くらいの余地は離心率的に残されている。


 対処不能が原因で事故を放置しても一週間後には地球圏へ帰還出来る(を通過出来る)と言う保証がある(月軌道プラットフォーム(LOP-G)ゲートウェイの軌道内側は、ISSのそれと異なり特濃の大気と言う摩擦要素はないので周回回数は相当に多く見積もれるだろう)。


 一カ月間に五往復の定期バスと書いた。つまり、地球最接近時に月軌道プラットフォーム(LOP-G)ゲートウェイに飛び乗れば(ランデブー出来れば)(※)、たった3日で、大した量の人類資源を消費せずに、無誘導で(引き摺られて)地球から月へ向かう事が出来る。しかも、自動的に(容赦なく)だ。


 これさえあれば、月探査と月面開発が(おもね)る。単純計算では、地球と月の往復が二週間も掛からないと言うことになる。しかも、表向きは、宇宙機の推進用の燃料を大量に消費したり、持ち込む輸送計画(ロジスティック)も必要もなくなる。


 これによって、民主主義国家群による月探査と月面開発は、とても(・・・)ゆっくりとだがとても(・・・)確実に進んでいた。


 もちろん、権威主義国家群の方も月面開発には乗り気だった。前のめりだったと言っても良いくらいに。十分な核融合インフラもないのに、月面上のヘリウム3の確保に躍起になっていた。


 しかし、権威主義国家群の方は、月長楕円極軌道(NRHO)(near-rectilinear halo orbit)にまで、巨大構造物を建造して加速させられずにいた。だから、合衆国が1970年代にサターン・ロケットを使って行った月面探査と同じ手法で、月面開発に乗り出していた。つまり、月を目指す毎回、巨大ロケットを地上から打ち上げると言う事だ。


 地球の低軌道に、彼等なりの20カ国以上の国が(名目上)参加(賛同)する国際宇宙ステーションは存在している(人民宇宙ステーションと言う)。しかし、低軌道を周回する宇宙ステーションは、押し並べて、大した速度で飛行している訳でない(当然ながら、第一宇宙速度のエネルギーしか(・・)保有していない)。


 実際、ソ連が運用していた末期のサリュート計画の様に、金さえ払えば誰も宇宙飛行士として人民宇宙ステーションまで人民共和国のロケットで送り届けてもらえた。実は、初めて宇宙を体験したインド人宇宙飛行士と言うのも、ソ連に大枚叩いてお客様としての宇宙訪問したと言うのが実体である。


 月や火星へ向かう為に適当なデルタV(730m/秒)の加速を目指す為のプラット・ホームとしては、不適当(不十分)である(無いよりはマシだろうが)。だから、彼等が扱う月宇宙船は、人民宇宙ステーションへストップ・バイする事はない(万が一の事故でも起これば、そんな事も起こりうるかも知れないが)。


 これでは、月探査や火星探査を行う上で、とても効率が悪い。何故かと言えば、どこへ向かうにも毎回、全てを地表から持ち上げている様では、微速前進もままならない(一進一退が精々だ)。それは、燃料を運ぶために消費しなければならない燃料が、そう言う物理的な矛盾を孕む問題が次から次へと積み重なってしまうからだ。


 ソ連とのスペース・レースに明け暮れていた頃の合衆国が、事もあろうか、アポロ計画でサターン・ロケットをコスト度外視で今で言う「禁じ手」を延々と使い続けていたのは、それ以外の選択肢が皆無だったからだ。


 もし、もっと低コストで安全な手法を提供可能な謎の科学組織、または科学集団が接触して来たとすれば・・・。


 合衆国の大統領であれば、例えハダカと蝶ネクタイ姿で全世界へ向けた演説をその代償として強要されたとしても。


 微塵も躊躇することなく、科学的真理の教えと科学技術発展に対する助力をまとめて乞うただろう。


 その程度の生き恥で物理的な限界を超えられると言うのなら、月を目指した自国の宇宙飛行士の奥方や子供達の不安を解消してくれると言うなら、安い買い物である筈だ。


 それが、民主主義国家群の強みである。恥を忍んで、「面子を捨てて利益を拾う」ことを賞賛する寛容性のみが成せる。名を捨てて実を取る。あんなこんなも認める余地が残された多様性。


「多様性不足で不寛容である」と何者かに追求ばかりされている我々の側の社会であるが、そんな世紀末的な光景が見られるのは、実はまだまだ多様性が豊富に残されており、実際の所は寛容な社会であったし、あるし、あるだろうと言う事も証明でもある。


 一方で、権威主義国家群において、「面子を捨てて利益を拾う」とそれらの国に暮らす人民(有権者とは言い切れないところがミソ)が認める事は難しい。面子は利益よりも大切であり、それを失ってはどんな利益を社会や組織や民族でもたらしたとしても、侮蔑こそされ賞賛される余地は微塵もない。


 とても不寛容な社会である様に感じるが、そうではないのだろう。そこ(・・)は我々の側の世界よりも素晴らしい社会である筈なのだ。この目で確認はしていないが、沢山の善良であると自認する有識者や知識人が挙って「そうだ」と言うのだから、「嘘を付いて(無用な意地を張って)いるのかも知れない」などと疑っては大変な失礼に当たるだろう。


 きっとその様にネガティブな印象を受けたのは、筆者側の単なる誤解なのだろう。そう、筆者側に一方的な落ち度があるに違いない。未熟を恥じてもっともっと熱烈に勉強しなければならない。この捻くれた価値観を正しく修正しなければならない。


 そのせいでかどうか知らないが、権威主義国家群、特に人民共和国は、民主主義国家群が抱えている月軌道プラットフォーム(LOP-G)ゲートウェイに対して酷く怒っていた。何だか良く分からないが、「世界から不当に略奪した富」で運用する「大罪の象徴」であると憤っていた。


 民主主義国家群は、月軌道プラットフォーム(LOP-G)ゲートウェイ計画から人民共和国を閉め出している訳ではない。実際、ロシア共和国は民間会社のロスコスモスを通じてだが、一枚(の半分くらい)は咬んでいる。


 しかし、鶏口牛後。


 ーーー大きな集団や組織の"小物"に加えていただくよりも、小さくても良いから"大物"となって重んじられる方が好ましい。


 として「牛後と為なる」よりも「鶏口と為なる」道を人民共和国は選んだのだ。


 民主主義国家群は、人民共和国のヒステリーにはやや閉口してたが、自分達の邪魔さえせずに勝手に公園の砂場で大きな山を作る事に熱中しているのなら・・・このまま放置して差し上げる所存だった。民主主義国家群は、人民共和国の文化を多様性の一つとして認める事も(やぶさ)かではなかった(意外に寛容じゃね?)。


 しかし、どうやら、そんな風に大人ぶって構えていられない状況が醸し出されつつあった。既に故人となられた、日本国だけではなく、世界の天文物理学会に大きな影響を与えた巨人「廿里 千瀬(とどりちせ)博士」。彼女が書き残してくれたと噂される「予言の書」によれば、この年のこの時期の月軌道プラットフォーム(LOP-G)ゲートウェイに関する穏やかさとは無縁の記述が存在すると確認されたからだ。


 ーーー人民共和国を中心とする権威主義国家群による、月軌道プラットフォーム(LOP-G)ゲートウェイへの物理攻撃を実行する機運が高まる。


 月軌道プラットフォーム(LOP-G)ゲートウェイが楕円軌道の最端である地球付近へと最接近するタイミングを狙って、大した速度まで加速出来ない様な、彼等が保有する衛星軌道用の(初歩的な)機動機雷であってもギリギリで射程に捉えられる事に成功する。


 その様に予言が記されていた。当初は「まさか」であったが、過去に記述通りに「想定外」の実現が繰り返されていた為に、念のために確認を行った。すると、地球との重力バランスの差の振れによって、最も離れる時には7万0,000kmとなる楕円軌道が、7万2,000kmまで延長されると判明した。スーパー・ムーンの様に、通常よりも月軌道プラットフォーム(LOP-G)ゲートウェイが地球へと近付くのだ。


 このみみっちい、たった(・・・)2千,000kmが、人民共和国が宇宙世界に誇る、新型爆雷兵器の高速破片をある程度の密度()を維持したまま到達させる事を可能としていた。背伸びしたら何とか手が届くと言うレベルの話でだが。


 更に、常に軌道面を地球方向に正面を向けている(当然、センシング機材と通信機材を常時可動させている)、月軌道プラットフォーム(LOP-G)ゲートウェイが、地球方面から測距を目的としているとしか思えない怪電波の受信を繰り返している事も報告された。


 これで、疑いは明らかな警戒へと変化した。人民共和国を中心とする権威主義国家群は、本気で月軌道プラットフォーム(LOP-G)ゲートウェイへの攻撃を仕掛けるつもりなのだ。


「予言の書」には、そのテロまたは戦争行為を事前に防ぐ為の手段も記載されていた。


 ーーー大気圏内と大気圏外の両側から、有効実弾を搭載した航空機と宇宙機による防衛を目的とした示威活動を行う(ご丁寧に、大気圏外を飛ぶ宇宙機の最適軌道の指示まで書かれていた)。


 つまり、月軌道プラットフォーム(LOP-G)ゲートウェイが地球に最接近する24時間に渡って、地球低軌道と成層圏上層から権威主義国家群の兵器プラットホームを迎撃する戦力と権威主義国家群の領土へ報復攻撃を実行出来る戦力を目に見える形で展開させろと言っているのだ。


 月軌道プラットフォーム(LOP-G)ゲートウェイと権威主義国家群の地球領土との間に、盾として24時間継続いして本物の戦力展開と行う。それはそれで大変なコストを伴う。地球規模での展開になる為に、景気の良い発展途上国の国家税収一年分を遙かに超える事は間違いなかった。


 しかし、ここで完璧な防御態勢を見せ付ける事が出来れば、権威主義国家群の月軌道プラットフォーム(LOP-G)ゲートウェイに対する直接攻撃は数年単位で先延ばしさせる事が出来るらしい(その他の対象に対するテロ行為まで先延ばしに出来るとは言ってない)。


 実際、ドゥクパ王国空軍機には、低衛星軌道まで届く対衛星攻撃兵器(ASAT)が搭載されていた(一般的には核弾頭搭載型だが、今回に限っては政治的な事情でショットガン的な散弾型(クラスターな)が搭載されていた)。日本国空軍機には、逆に音速で地表に向けて投下する精密誘導弾(特殊貫通弾頭)が搭載されていた(事実上の、慣性力上乗せの大質量弾頭となる)。


 また、彼等の頭上である大気圏外では、合衆国宇宙軍の有人機と無人機が第一宇宙速度で衛星軌道を周回中だ。飛行速度が周回飛行速度(第一宇宙速度)を下回ると、地球の重力に捕まって(引かれて)落下し始める(高度を失い始める)。落下によって、位置エネルギーが運動エネルギーに変換される。すると、飛行速度が周回飛行速度(第一宇宙速度)を上回る。今度は逆に、勝手に、地球の引力を振り切って上昇を始める。


 周回飛行速度(第一宇宙速度)の正体が遠心力である事は間違いなく、飛行速度が遠心力の増減を決める。そんなからくりで、低軌道域をアップダウンを繰り返しながらこれ見よがしに権威主義国家群領土上の宙域を通過していた(おそらく、合衆国の無人のスペース・プレーン(往還宇宙機)のボーイング社製のFA-37シリーズのどれかだろう)。


 大気圏を境に二手に分かれた迎撃隊の全容は、大気圏内に限ったとしても、ドゥクパ王国から離陸したたった(・・・)一隊で完結する筈もない。この後、日本国から太平洋上で警戒する一隊、合衆国からは太平洋(ハワイ離陸)大陸上(西海岸離陸)大西洋上(東海岸離陸)で計画する三隊、欧州からは中東(ヒュースロー離陸)アラビア海上(イスタンブール離陸)を警戒する二隊、合衆国のディエゴガルシア島基地からは引き続きインド洋を警戒する一隊が引き継ぐ。


 そして、二周目はドゥクパ王国からではなく、インド共和国から、オーストラリア連邦などの民主主義国家の領地から、大気圏内迎撃隊を飛ばす予定が組まれている(台湾民国空軍は、海峡への侵入を試みる解放軍・海軍艦隊と睨み合いに忙しくて(精一杯で)、この防衛行動への参加は見送られた)。


 ラムジェット推進を停止させる頃合いを測りつつ、三菱社製の超高空・弾道飛行専用航空機・F-3Dのパイロットは、彼自身も何処にいるのか分からない、本名どころか国籍も分からない管制官との通信を開始する。


「こちらフリーダム1。"LOP-G"を捕捉した。どうぞ」


 ーーーこちら、マーキュリー・コントロール。"LOP-G"を捕捉、了解。どうぞ。


 本日の管制官は女性だった。キレイな英語だ。おそらく、英国留学または長期間の駐留、或いは英国からの移民者であると見当が付いた。少なくとも、合衆国東岸のスノッブな面子の一員・・・つまり、合衆国の軍籍にある誰かである事が推測出来た。


「フリーダム1、フリーダム2共に問題なく飛行中。どうぞ」


 ーーーフリーダム1、フリーダム2へ。チェック、戦術CO。間もなく上空後方から友軍機が通過する。脅威ではない。繰り返す。脅威ではない。後方警戒システムの警戒指示音は鳴らさない。どうぞ。


 フリーダム1は、ヘッドアップディスプレイの電源を切って、与圧ヘルメットのシールド越しの肉眼で確認した。


「こちらフリーダム1。"友軍機"を6時方向に視認した。どうぞ」


 もし、機械通信のインプラントや、日本製の第二小脳でも移植済みであれば、管制官からの指示を受け取る前に自己感覚で"友軍機"を捉えられていただろう。しかし、彼は生身そのままだった。骨折部を支える為のボルトやナット一本すら取り込まれていなかった。


 彼の父親の厳格過ぎた教育方針のせいで、義務教育期間中のインプラント行為を一切禁止されていたせいだ。彼の悪友共は半分以上が、当時であってもインプラント済みだった。第二小脳はやり過ぎかも知れないが、イヤホン無しで音楽を聴いたり、運転中に前方から目を反らす事なく天気予報や交通情報にアクセス出来ないのは不便極まりなかった。


 しかし、今ではすぐに殴ったクソ親父に感謝している(もちろん、息子も華麗に殴り返した)。その御陰で、彼には降って沸いた新しい目標への挑戦権を掴み取れたのだから。


 女性管制官が、まるでローパスフィルター皆無のロスレス(カットオフ無し)音声であるかの様に明確な音質で戦闘指示を行った。


 ーーーフリーダム1、フリーダム2へ、ウエポンベイ開放せよ。


 フリーダム1は、脊髄反射で指示に従った。アーム機能の全開放シークエンスをマニュアルに対して忠実に実行し始めた。


「フリーダム1、ウエポンベイ開放、了解」


「フリーダム2、ウエポンベイ開放、了解」


「カウント・オン。3、2、1、0。開放」


 三菱・F-3Dの腹に抱えた巨大なウエポンドアが開く。


 これは、領空侵犯は行っていないにしても、完全な仮想敵国への敵対行動だった。間違いなく、仮想敵国の方でも、現場の末端では、ステルス特性を停止した事で突然にキャッチしてしまったレーダー影に「どこから現れた?」と驚いてる事だろう。


 ーーーこちら、マーキュリー・コントロール。ウエポンベイ開放を確認。


 管制官は、おそらく、モニター面から視覚によってではなく、有線インプラント経由で二機の三菱・F-3Dの状態を把握出来ている様だ。


 ーーーもしかしたら。


 フリーダム1は気付いた。この音声は生音声ではなく、デジタル通信に最適化された合成音声である可能性なのかも知れないと。そのせいか、彼は自身のリビドーがほんの少し萎えて行くのを知覚した。


「こちらフリーダム1。長距離レーダー波と測距レーザー光を探知。どうぞ」


 フリーダム1は、自機が搭載するパッシブ・センサーが、地上から照射された電磁波で舐め回されていると報告した。


 ーーーこちら、マーキュリー・コントロール。フリーダム1、フリーダム2へ。警戒システム出力最大を許可する。


「フリーダム1、警戒システム、出力最大」


「フリーダム2、警戒システム、出力最大」


 警戒システムとは、対電子戦モードを指す。欺瞞だけでなく、場合によっては対戦相手に対してウイルスや悪意の込められたスクリプトを送る嫌がらせまで含まれる。基本は、事前にパイロットが組んだ条件付けに基づいて、人工知能が自律して戦う。だから、パイロットは、戦闘後にならないと実機が経験した戦闘の詳細を知ることは出来ない。


 もちろん、日本国が誇るトップレベルの擬体航空兵や合衆国のサイボーグ航空兵であれば、その辺りの状況をリアルタイムで把握して、その上で指示を与える余地があるのかも知れないが。


 警戒システムの効果は直ぐに現れた。


「こちらフリーダム1。長距離レーダー波と測距レーザー光が停止」


 仮想敵国の警戒網は、少なくとも現場レベルでは、フリーダム1とフリーダム2の機体を見失った様だ。続いて、短波レーダーへと切り替えて、大まかな位置情報を掴もうとしている。どうらや、現場指揮官だか責任者は、かなり場数を踏んだ"有能"であるらしい。


 ーーー諦めが良い。それでいて思考の切り替えも早い。


 叩き上げに違いない。そして、それは今居る地位が最終キャリアとなるだろう事を意味している。21世紀になってからの人民解放軍では、そう言う人材が幹部として取り立てられる事は皆無となった。基本的に、地方の寂れた現場へ送られて、任官期間が終わるまで飼い殺しにされてしまう。勿体ないことである。


 ーーーこちら、マーキュリー・コントロール。現状を維持せよ。


「フリーダム小隊、現状を維持、了解」


 ーーーこちら、マーキュリー・コントロール。ウエポンベイの閉鎖を許可する。


 しばらくすると、敵対行動の終了指示が届いた。フリーダム1は、ケツにむず痒さを感じていた。おそらく、地上の"有能"さんが、自機の位置を全周囲探査目的の短波レーダーである程度割り出して、直感頼りの画像素子検出によって再ロックし終えたのだ。


 ーーー頼むから、中央に取り立てられるなよ。面倒事が増える。


 フリーダム1は、顔も知らない、一人なのか複数人であるのかも分からない"有能"さんに別れ告げた。


「フリーダム1、ウエポンベイ、閉鎖了解」


「フリーダム2、ウエポンベイ、閉鎖了解」


 ケツにむず痒さを感じなくなった。臓物曝し(サービス・タイム)が終わった事で、画像素子検出に役だった情報的"コントラスト"が消失した。それで、地上からのロックが外れてしまったのだ。


 ーーーこちら、マーキュリー・コントロール。コースそのまま。通信チャンネルは指示あるまで維持せよ。


「フリーダム小隊、コースそのまま了解。通信チャンネル維持了解」


 ーーーこちら、マーキュリー・コントロール。予定通り馬毛島へ迎え。台湾民国領空西側とフィリピン共和国領空西側の通過は出来るだけ回避せよ。


「フリーダム小隊、馬毛島コース了解。フィリピン東岸飛行制限了解」


 フリーダム1が、自機に核弾頭搭載ミサイルを搭載出来なかった事情はこれだ。着陸地が日本国であるために、非核三原則と言う形骸化した政治的風習がある為だ。自国領や自国領会への流星迎撃時にはやもえず、それしか有効な選択がない為に、核弾頭搭載ミサイルを抱えて宇宙防災活動(作戦とは言わない。政治的事情で)に従事しているに拘わらずだ。


 それに、ついでに流星被害から救ってもらっている筈の周辺国でも、一部とは言え、未だにいろいろと五月蠅く干渉して来る場合も多々あるし。それらが国内勢力と団結して、学校のクラブ活動のノリで、つまり根性論頼りで我武者羅に外患誘致に熱中するとなかなか面倒なのだ。


 ーーーこちら、マーキュリー・コントロール。これより管制を日本国へ引き継ぐ。通信終了。


「フリーダム小隊、通信終了」


 三菱社製の超高空・弾道飛行専用航空機・F-3Dのコックピットからは、弧状の水平線や地平線が見える。頭を上に持ち上げなくとも、群青色から黒色へもグラデーションで染め上げられた空が見える。


 成層圏(ストラトス)を漂うように飛ぶ。周辺に比較対象が存在しない為に、音速を超えた速度で飛行しても、まるで停止しているかの様に感じられる。


 もしかしたら、日本国から離陸する「リバティベル小隊」の姿を拝めるかも知れないと期待する。条件さえ揃えば、低層雲を通過するタイミングでラムジェット推進が照らし出す影が見える筈なのだ。


 しかし、その条件が揃わないらしい。或いは、「リバティベル小隊」の高い技術で外部からの視覚的認知を避けたのかも知れない。


 フリーダム小隊隊長機のパイロットは諦めた。そして、素早く興味の方向性を切り替えた。


「フリーダム2、しょんべんチビってねえだろうな?」


 随伴機に向かって声を掛ける。実は、通信制限は掛けられてはいない。示威行動として仮想敵国の領空知覚を飛行しているのだから、むしろ存在感(嫌がらせ)を強調する為に、余裕があるなら無駄口を叩けと言う命令書には書かれていない指示もあったりする。


「ウルセえ。クソ・ペック。くじ引きで今回だけ隊長役に就いただけだろ」


「フシミ01。隊長には敬意を払うように」


 フリーダム1こと「(クソ・)ペック機」には、ドゥクパ王国空軍・大尉の「ペック」。が搭乗している。彼は、ドゥクパ王国民と日本国民のハーフだか、ダブルとして誕生した。父親は日本国民でありながら、王国貴族である"ダショー"の位を授かったと言う変わり者だった。タック・ネームの「ペック」は、その父親から引き継いでいた。所謂、二代目とか二世のパイロットである。


 フリーダム2には、日本国の宇宙航空研究開発機構(JAXA)が抱える宇宙飛行士候補者群から出向中の森 向日葵(ひまわり)飛行士が搭乗している(訓練名目の尉官級軍属扱い)。タック・ネームは母親が使用中の「フシミ00」に続く、「フシミ01」を与えられている。こちらも、所謂、二代目とか二世のパイロットである。


 敢えて、この二人に迎撃隊の第一陣を命じたのは、この二人の親達が人民共和国にとってトラウマ的に過剰反応する人物達であったからだ。もし、人民共和国の攻撃モチベーションをトラウマ頼りに初っ端から砕ければ、後はそのまま押し切れると言う民主主義国家陣営の読みがあったからだ。


「おい、フシミ01。"LOP-G"が肉眼で見えるぞ」


「こっちはテメエみたいな野生児じゃねえ。見える筈ねえだろ」


 二人は幼馴染みだった。国籍は違えど、親同士が師弟関係にあったり、パイロット同士であったりして、物心つく前から交流を持っていた。まあ、人生イロイロです。


「ったく。これだから都会人はダメだな」


「それがフツーなの。こっちは"LOP-G"へもうすぐ送られる運命なんだから。拒否権なしだとさ」


「・・・羨ま・・・いや、卑怯だぞ。この特異体質(光回復能力)者」


「ショーガねえじゃん。モルモット役(人体実験サンプル)。宇宙線に強い身体に生まれちゃったんだかな」


 森 向日葵(ひまわり)飛行士は、もっとも最初に発見された特異体質(光回復能力)者だ。宇宙から降り注ぐ紫外線などが破壊する細胞内の染色体を、何と自動修復機能出来ると言う特殊能力を持った、新しいタイプの人類である。重粒子線を含む太陽風全般に対して有効である事が判明し、宇宙飛行士などの職業病であった、宇宙放射性由来の癌、腫瘍、免疫系異常などの発生を過度に心配する必要はないとされていた。


「まあ、オレもいつか行くさ。何とか合衆国の宇宙プランに潜り込んでやる」


「その時は私が"LOP-G"の船長(コマンダー)だから。下っ端として()き使ってやる」


 森 向日葵(ひまわり)飛行士が生まれ持った特性は、地球と火星の往復ミッションと火星滞在ミッションに最適とされていた(火星には、地球と違って電磁場バリアーがほぼ存在しない)。火星地表に居ても、惑星間宙域に居るのと変わらない宇宙放射線に曝されるので、特異体質(光回復能力)はとても重要な生存条件である。


「しかし・・・行きてえな・・・火星」


「あ、それ、私はそっちにも送られるよ。多分」


「くそ。ヘンテコ遺伝子羨ましいぜ」


 火星探査が進んで居住スペースが地下に埋められるまでは、火星滞在者にとって宇宙放射線は大きな脅威のままであるだろう。それによって、生涯を通じて地球圏の外に滞在する時間制限が設定される将来が見込まれていた(少なくとも民主主義国家の価値観では、宇宙に死に場所を求められても困るのだ。行ったらキチンと無事に生還するまではミッションであるからして)。


「まあ、待ってるよ。"LOP-G"には遅刻しても、核熱推進の火星探査船の方には遅刻すんなよー」


「ああ。オレは目が良いんだ。地球からでも火星とフォボスとダイモスを見分けられるぜ」


「あー。ウソはいけないんだ」


「ハッタリも重要な才能なんだよ。オメエみたいに生まれつきのチートは持ち合わせてなんだから」


「あー。運命は過酷ね」


「テメー、せーかく悪いなー」


 その辺りで、日本国の管制官からコンタクトが入った。


 そこから先は無駄口を叩く閑がなくなる。"電子的空気抵抗操作技術開発(ドルフィン・スキン)"の起動テストなどで忙しくなる。


 もし、ドルフィン・スキンが再起動出来ない様なら、改修ネットやフックを利用する「超高速着陸」を実行して根性試しに挑む必要がある。それは南海の島の現地生活者の誰もが経験する、命懸けの通過儀礼程にヤバイ挑戦となる。滑走路脇には、もちろん複数の化学消防車の待機は必須条件だ。


 実際に、それを成功させたのは、開発初期に活躍した極少数のテストパイロット達だけ。そして、日本国外において地上サポート無しでそんな離れ業を成功させたのは(しかも、ぶっつけ本番でやり遂げたのは)、森 向日葵(ひまわり)飛行士の母親である"朝間ナヲミ(生ける伝説)"ただ一人である。


※= ランデブー。実はこれが意外に難しい。月軌道プラットフォーム(LOP-G)ゲートウェイに近付くだけでない。同一軌道へ接近+かなり近い速度まで加速する必要がある。日本国の"こうのとり"が国際宇宙ステーションとドッキングするのと同じで、極めて高い科学的裏付けなければならない。地球からLOP-Gと並んで飛行する為には、加速だけでも、地球から月への離脱加速度=デルタVを730m/秒が要求される。その後、更に精密誘導が要求される。間違えば、物凄い速度で明後日の方向へ飛んで行ってしまう。簡単に出来る訳がない。


蛇足: おそらく、地球(低軌道(LEO)または宇宙待機軌道(PO))〜LOP-G(月長楕円極軌道(NRHO))の移動を担当するホーマン遷移軌道専用往還船は、とにかく軽量で、積載重量も控え目になると思われる(機会が激減するので会合周期は無視。重量級の輸送であれば、LOP-Gを利用せずに地表から月まで大型ロケットで直接に打ち上げる筈だ)。それから、目的地である月直前の減速方法も考えないといけない(月地表にぶつけて無理矢理に減速達成ってのは無理)。やっぱり、何事にも都合の良い面と悪い面があるのだ。テッサだかカナメに言わせれば「便利なモノとは常に両刃の剣」であるらしいし。物理法則はそんなに甘くない。世間に上手い儲け話はない。日の当たる場所に新しきモノなし。トドメに、軌道速度の維持には最低でも年間で10m/秒の追加加速が必要と見込まれている。建設して終わりでなく、その後の維持費の確保も念頭に計画するべきだ。勢いとその場のノリだけで何とかなる話ではない。計画の成功・失敗が、運用を終了した後に収支計算してみないと判定出来ないいレベルの資金が注ぎ込まれる事になる。計画はご利用的に。

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