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第1話
「自己PRをお願いします」
サラリーマン人生に疲れたような皺だらけな面接官は言った。
その面接官の方を向いて微動だにせず、哲人は口をパクパクと動かした。
哲人の表情はまるで最新型のアンドロイドのようで覇気がない。
そのようなやりとりが幾度となく、哲人の左右に座っているスーツを着た男女数人と機械的に行われ、数十分が過ぎた。
「以上で面接を終わります。合格の場合はは一週間以内に連絡しますが、連絡がなかった場合は、ご縁がなかったということで」
面接官は無機質な表情で言った。
哲人とその他の面接を受けた学生達は、椅子から立ち上がり、ドアの方へ向かい、一礼をしてそそくさと出て行った。
部屋を出てすぐに、「面接の感触どうでした?」と一緒に受けた女子学生が話しかけてきた。
「まあまあってところですかね」
哲人は苦笑いを浮かべて答えた。
「面接官の印象あんまりよくなかったですよね」
その女子学生は答えた。
哲人は女子学生の方を向きながら頷き、獲物を狩るように言った。
「この後暇ですか?よかったら就活の情報交換を兼ねてお茶でもしませんか」
「いいですね」
哲人は嬉しそうな表情で言った。
「近くに美味しいカフェがあるのでそこへ行きましょう」
哲人と女子学生は一緒に会社を後にした。




