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実に一か月以上ぶりの更新です。

 「王都は眠らない」

王都のキャッチフレーズであり、バイストン王国の王都であり、王国の威信、誇りの詰まった王都を表すこの言葉に嘘偽りはない。

 確かに夕方となり陽が落ちて周りの村、街の中では真っ暗になっている時間になっても、王都ではシャルティ曰く生活級光属性の魔法が込められているらしい街灯が街並みを構成しているレンガ造りの家と石で舗装された昼間と同じくらいの人の行きかう道路を照らしていた。

 その光景は地球の蛍光灯の光に照らされた無機質な街並みしか見たことのなかった蒼太の心をとらえて離さなかった。

「綺麗な街並みだな。こんなにきれいな街は見たことがないよ」蒼太は独り言のように呟きながらシャルティと白に約束した服を買いに街の人ごみの中へと入っていった。


蒼太は大通りから服屋を探して歩くことに決めた。なぜならその通りには洋服店が数多く並んでいるというのを先ほど通りかかった冒険者が教えてくれたのだから。


蒼太たちが、最初に行くことにした洋服店は大通りに面した土地に店を構えていた。その店はとても大きく華美な外装をしていた。

 蒼太達が中にはいるとそこにも豪華な内装をした空間が広がっていた。そして、そこに置いてある服や生地なども金糸をあしらったような豪華で高そうなものばかりだった。店の経営方針としては貴族相手の商売をしているのだろう。そんなことを思いながら少しの間店内に置いてある服を見て回っていると店の奥からこちらもまた華美な服装をし少し太った商人と思われる男が客が来ているのを感じとったのか、いそいそと出てきた。

商人はシャルティと白の顔を見て少し劣情に歪んだ顔をしていたが蒼太の身なりを見てがっかりしたように蒼太に向かって、ぶっきらぼうに「この店にはお前のような者が着れる服はないから帰りな!あぁそっちの子との交換なら譲ってやってもいいがな!」そう言うとまたも劣情で顔を歪めていた、蒼太は少しいらりとしたものの今の自分の格好を客観的に見てみるとお世辞にもお金を持っていそうにないなと思った。

´ぎゅっ!´

 蒼太の服の裾をいつの間にかシャルティが握っていた。シャルティは男の顔を見て怖くなったのか今にも逃げ出しそうにしている。蒼太はこれ以上ここにいてはシャルティが可哀想だと思いシャルティと白を連れて店を出ることにした。

その後も大通りに面した土地にたっている洋服店を何件か回ったが、全て最初の店よりは派手ではなかったが、同じような傾向の物がおいてあり、蒼太達は全て身なりで門前払いを食らった。そのため、蒼太は大通りに面した店は諦めて、裏通りにも多少はあるであろう服を売っている店を探し始めた。

蒼太がついた裏通りは大通りに数多くあった街灯の数は圧倒的に少なかったが、そこら中に自ら明かりをつけた露店が多くあり、大通りに勝るとも劣らない明るさと、大通り以上の活気に溢れていた。露店は食べ物を売る屋台や占い、冒険者用のアイテムまで幅広く様々な種類の物があり、食べ物の屋台からは美味しそうな良い匂いが漂っていた。

「くぅ~~~~」

蒼太の後ろから可愛らしいお腹の鳴る音が聞こえた。蒼太が振り返ってみると、シャルティが顔を真っ赤にして下を向いていた。シャルティのお腹の音か可愛いな。そういえば、何も食べてないな。今日はいろいろと有りすぎて、食べるのを忘れてここまで来てしまったからな。「お腹が空いているのか?」蒼太がそう聞くとシャルティはうつむきながらうなずいた。

「はい。朝から何も食べておりませんでしたので。」

 よし、シャルティもこういっているからな屋台で何かおいしいそうなものがないか探して食べるか。「よし!屋台でなんか買って食べるぞ。シャルティ!白!」そういうとシャルティはパアッと顔をあげ、白も食べたそうな顔をして待ちきれないような表情で蒼太の前へと出てきた。自分でも探したいのだろうか、首を左右に盛んに振り回している。そして何か見つけたのか蒼太の元へと戻ってきた。

「ソータ!あれが食べたい!」そう言って白が指さしたのは肉の串焼きを売っている屋台だった。確かにそこからほかのところよりも格別おいしそうな匂いが漂ってきている。「あれにするか!美味そうだしな!」蒼太は肉の串焼きを3本買い、それぞれに配り同じ一斉にかぶりついた。

「「「おいしぃぃぃ~~~~!!!」」」3人の声が重なり肉のおいしさを的確に表していた。

蒼太達は肉を瞬時に食べ終え、また服を探しに人混みの中へと紛れていった。

服を売っている店は少し歩けば見つかった。

「へい!らっしゃい!」

威勢のいい声が服屋であるはずの屋台から聞こえてきた。そして、中から出てきたのはおじさんだった。

「ここ、服屋だよな?」蒼太は思わず聞いてしまったのは、蒼太は悪くはないと思う。「そうだぞ、ここは正真正銘の服屋だぞ。」おっさんは蒼太の問いにたいしてそう答えてきた。

「ほんとか?ていうかこの店おっさん一人だけでやってるのか?」蒼太は気になっていたことをおっさんに聞いてみた。

「おう、俺一人で服を作りここで売ってるのよ!趣味が仕事になっちまったのさあとそれとおっさんおっさん失礼な奴だな、俺にはアレキサンダーという名前が有るんだぞ!あと、俺はまだ28歳だぞ」おっさん改めアレキサンダーはかわらず周囲に聴こえているであろう大きな声で話していた。

「老けてるな!」蒼太はアレキサンダーの年齢を聞いて思ったことを率直に言った。

「それにしても、いい服を売ってるな。」そうなのだ、この店は地球の服と同じくらいか以上の肌触りのよさと頑丈さを持っているのだ、この世界の他の服屋が麻などで作られた地球の量産品の服の足元にも及ばない服しか売っていないのを思うとこの店は異常なのであるのだが、地球からきた蒼太にとっては知らないことなのだが。

そうは言っても他の所よりは格段にちがうということは蒼太にもわかったので、約束していたシャルティと白の服はもちろん、学生服のままだった蒼太も自身の服を買った。

「おう!たくさん買ってくれたな!まけてやるよ!」アレキサンダーは気前よくまけたくれた。

「ありがとよ。この店は安いしいい服が売ってるし、アレキサンダーもいいやつだから次からも王都にいる間の服はこの店で買おうかな。」蒼太はアレキサンダーの気前のよさや人格に触れ良い奴だなとおもっていた。

「そうしてくれ! それとアレキサンダーなんていうよそよそしい呼び方はやめてくれ。 アレクでいいぞ。」アレキサンダーは笑いながら蒼太に向かっていった。

アレキサンダーの店から出て蒼太達は蒼太が泊まっていた宿へとかえっていった。


本当に遅くなってしまい、すみませんでした。

これからも亀更新になるかと思いますが、よろしくお願いします。

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