表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
建国の技師  作者: kay
第一章 修理屋の少年と貧民街の少女
18/23

落下

お久しぶりです。いつもお読みくださり誠にありがとうございます。

なにぶんリアルが繁忙期の真っただ中でして、

不定期更新になりますが、連載を再開いたします。


2話の更新をいたします。読み飛ばしのないようご注意ください。

 あの男たちの声が聞こえ、ワイリーは恐怖のせいか顔が引きつっている。

 真っ直ぐに進めば逃げ切れるかどうかという微妙な場所で、じりじりと後ずさる僕らを、奴らは下卑た笑い声で追い詰めていく。



「走れっ!!」



 エッダの声で僕らは我に返り、奴らに背を向けて走り出した。

 真っ直ぐに走れば、エッダの言う『表の通り』、つまり奴らのような者が居ない場所に出ることが出来る。

 そうすれば警備兵が巡回しているから助けを求めることができるかも知れないし、もしかしたらあいつ等は追いかけてくるのを諦めるかも知れないと思った。


 先頭を走るエッダと、それに続くワイリーの背中を僕は必死で追いかけた。



「うわぁ!!」


「ルッツ!?」


「この、クソ餓鬼! ちょこまかと逃げやがって!!」



 でも、所詮は子供の足で大人の男に足の速さで勝てる訳がなく、二人よりも体が小さい僕は走るのも遅く一番先に捕まってしまった。

 ワイリーとエッダは、僕を助けようと立ち止まってしまい、それが状況を悪化させてしまった。


 僕は男に襟首を押さえつけられ、持ち上げられて足がぎりぎり地に付いているかいないかという状態だ。ワイリーたちも危ないし、こいつらから逃げようとして暴れると、男は僕の首を掴んでいる手に力を込めてきて、僕は息が出来ないのと首の痛みで目がチカチカした。



「くっそ! 離せ!!」


「チッ、大人をからかうんじゃねぇぞガキが。おーい、こっちの貧相なガキよりそっちのガキの方が良い金づるになりそうだ! ま、こいつは顔が悪くねぇからどっかに売り払うのもアリだな!」



 立ち止まってしまったエッダはすぐに他の男に捕えられ空き家の壁際に押さえつけられている。

 男は押さえつけたエッダを顔や服装を観察し、ワイリーを追っている男と会話をしている。



「く、来るなよ……」


「ははっはは! そんな話は聞けねぇなぁ! まぁ、危ねぇ場所に自分から足を突っ込んだんだから、自業自得ってやつだ!」



 ワイリーも複数の男たちから追い詰められており、下卑た笑みでにじり寄られ、顔が恐怖で引きつっていた。



「離せよ!!」


「くっそ、噛みつきやがった! このクソガキ!」



 僕はどうにかこの手を外そうと、せめてもの抵抗を試みるけれど、首を押さえつけられているために動けば動くほど意識が朦朧としてきた。

 僕の動きを封じるために男は腕を僕の首に巻きつけようとしたが、目の前を横切った男の腕を思い切り噛みついた。

 思わぬ反撃に驚いた男は、激高し僕を地面に叩きつけそのまま腹を蹴り上げた。

 痛みと衝撃で僕はそのまま蹲り、男の暴力を無抵抗のまま受けざるを得なかった。



「おい、売り物が減るだろうが! 少しは加減しろ!」


「なぁに、こんな売り物にすらならねぇチビが一人くたばったところで、別に誰も困らねえよっ!!」



 ひときわ強い蹴りを腹に受け僕は意識を保つことすらできなくなっていた。

 朦朧とする意識の中で、いま僕が魔法を使えたのならみんなを助けられただろうかと頭をよぎり、誰か僕らを助けて欲しいと強く願った……。



【―――・・・・・】



 最悪の状況の中、僕は鈴の音のような声を聞き、妙な浮遊感と共に意識を失った。

 


7月20日(水)12時に2話目を更新いたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ