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転入手続き?

遅くなって申し訳ありません

あと、今回少し長いです。

「ほんと、ロイも運が悪いねぇ」

隣を歩く金髪の青年が陽気な声で言う。

「運が悪い、か、このことを幸か不幸か決めるのは捉え方次第だろうな」

「と、言うと?」

ロイドが返すと金髪の青年はよくわからないと言うふうに聞き返す。

「強い奴と闘えることを喜ばしく思うのか、絶対絶命のこの状況を嘆くのか、ということだ」

「ふぅん、で、ロイはどっちなのさ?」

「強いて言うなら、両方だ」

「なんだよ、それ」

金髪の青年は少し笑う。

2人は長い金属製の廊下を歩いていた。

少し先に出口が見える。どうしてこんな所にいるのか、それは1時間前に遡る。

ーーーーー

ーーー


「はぁっ、はぁっ、何とか間に合ったな」

隣でアカツキが肩で息をしている。路地裏から出て20分間ずっと全速力で走っていたのだ、さすがの霊具使いでもこれはかなりキツいものだろう。

「ここが、ログレス士官学院・・・」

目の前の巨大な門、そしてその奥にある建物を見て呟く。

「そうか、貴様は初めてだったな、歓迎するぞアルカディア、ようこそログレス士官学院へ」

そう言ってアカツキが手を差し伸べてくる。

「ああ、よろしく頼む」

アカツキの手を握り、握手する。

「そういえば・・・」

ロイドの中に1つの疑問が浮かんだ。

「ん?どうした?」

「どうしてお前はあそこまで焦っていたんだ?」

確かに、アカツキはかなり焦っていた。そのためここまでもずっと走っていたのだ。

「ああ、それはだな・・・」

アカツキが話そうとすると、突然ガシャンと大きな音がした。

「あ・・・・」

「ん?・・・」

音がした方を見ると、門が閉まっていた。

「えっと、その、これが理由だ」

閉まった門を見上げたままアカツキは言った。

「開かないのか?」

アカツキの反応からしてわかっていることだが、一応聞いてみる。

「ああ、この門は自動でな、1度閉まったら夕方まで開かない」

アカツキはまだ門を見上げている。

「そうか、なら開けるまでだ(、、、、、、)

「は?」

ロイドはレーヴァテインを抜き放ち、構える。

「レイド流 "炎龍撃ナーガ"!」

レーヴァテインを横薙ぎに振るう。すると剣から炎が迸り門と激突した。

「一体何を・・・くっ!!」

凄まじい衝撃波が広がる。目も開けていられない。

衝撃波が収まる。目を開けるとそこには依然として先程と全く変わらない門があった。

「・・・ダメか」

「当たり前だ!そんな一撃で壊れたら、門の意味がないだろう!」

アカツキが怒鳴る。それもそうだ、入れないから壊して入るというのは泥棒もしくは賊のやり方だ。

「さて、一体どうするか・・・また明日出直すか」

「その必要はない」

諦めようとすると、声がかかる。男の声だ。

声がした方を見ると、門が少し開いたおり、そこから鎧をまとった男が出てきた。年は自分より上に見えるが、そう離れてはいないだろう。

「先程この門を攻撃したのは貴様か?」

男が質問してくる。

「ああ、そうだが」

「そうか、なら・・・死ね(、、)

次の瞬間、男が剣を抜いて迫ってくる。

(っ!速い!)

ロイドもレーヴァテインを抜いて受けようとするが、男の剣が速く、吹き飛ばされてしまう。

「くっ!」

空中で何とか姿勢を整え、着地する。

「ほう、今のを受け止めたか、やるな、だが次は・・・ない!」

先程と同じように男が迫ってくる。

「レイド流"炎障壁アグニ"!」

剣を地面に突き立てる、すると、ロイドの周囲に巨大な炎の渦が現れ、ロイドを囲む。

「なるほど、炎の壁か・・・確かに厄介だ、だが!」

男は更に加速した。

「この剣にそんなものは通用しない!」

男が剣を横薙ぎに振るう。すると、炎の渦が切り裂かれる。

「なっ!?」

「これで終わりだな・・・」

男が剣を振りかぶる。

「そこまでです!」

しかし、男が剣を振り下ろす直前、声が響き渡った。

声のする方を見ると、女性が門から出てきていた。

「ランスロット、その方は敵ではありません」

「会長・・・しかし・・・」

「その方はロイド・アルカディア、我が学院の生徒です」

(何故俺の名前を・・・)

ここに来るのは初めてだし、女性とも会ったことがない。それなのにどうして女性が自分の名前を知っているのか、ロイドには訳がわからなかった。

「・・・わかりました」

男が剣を収める。

「お怪我はありませんか?」

女性が手を差し伸べてくる。

「いや、大丈夫だ。それよりあんた、どうして俺の名を・・・」

「あら、そのことでしたら生徒会室でお話しいたします」

そう言うと女性は歩き出す。男も女性に着いて行く、ロイドも後を追った。

(これで入ることはできたが・・・)

いきなり殺されかけ、反撃はおろか防御しかできなかっのだ、後味はあまり良いものではなかった。

門をくぐり、正面の一番高い建物に入る。階段を上がる途中、ふと1人の少女のことを思い出した。

「そういえば、アカツキは?」

「彼女でしたら、先に生徒会室に向かうよう指示しています」

「そうか・・・」

しばらく上がり、廊下を進むと扉が見えた。

「こちらです、どうぞ」

女性と男が中に入る、ロイドも中に入ると、そこには先程まで一緒だった少女、そして金髪の青年がソファに腰掛けていた。

「来たか、よく無事だったな」

アカツキがロイドに声をかける

「あと少しでも闘いが長引いていれば、無事じゃなかったがな」

「あんなことをしたのだ、当たり前だろう」

「・・・まぁな」

会話をしていると、1つの視線に気がつく。

金髪の青年がずっとロイドの顔を見ていたのだ。

「なああんた、俺の顔に何か・・・」

「ロイ・・・だよね?」

「ん?」

「君、ロイだよね?」

どうやら金髪の青年はロイドのことを知っているようだった。

だがロイドはこのような青年を知らなかった。が、ロイドをこのように呼ぶ人物には1人だけ心当たりがあった。

「お前、アーサー・・・?」

たった1人の幼馴染の口にする。すると、

「やっぱり!ロイだ!まったく、心配したんだよ、ずっと連絡取れなくて、死んだんじゃないかと・・・」

青年は子供のようにロイドに抱きついてきた。

「・・・放せ、アーサー」

アーサーを引き離す。

「ふふふ、感動の再会、ですわね」

女性は楽しそうにこちらの状況を見ていた。

「申し遅れました、私はグィネヴィア・アステリア、この学院の生徒会長を務めています」

グィネヴィアと名乗った女性は隣にいる男の方に目を向ける。

「そして彼が副会長のランスロット・ヴァーミリオン」

次にアーサーに目を向ける。

「もうお知り合いのようですが、彼がアーサー・ペンドラゴン、言わずと知れたこの国の王子ですわね」

アーサーが王家の血筋ということはロイドも知っていたが、霊具使いだということは知らなかった。

「そしてロイド、貴方のことはそこのアーサーと貴方の先生、いえ、師匠から伺っております」

「師匠が!?」

これには動揺を隠せなかった。まさか師匠がこの学院と繋がっているなど思いもしなかったからだ。だが、これでどうして彼女が自分の名前を知っていたか納得いった。

「それと、転入の件ですが・・・」

グィネヴィアの空気が先程と少しだけ変わる。

「簡単に認める訳にはいかなくなりました」

「・・・どういうことだ?さっきあんたは俺は既にここの生徒だと言っていたが」

「ええ、貴方が学院に対して|何の被害も出していなければ《、、、、、、、、、、、、、》、言葉通り貴方は生徒のままでした」

「門のことか」

確かに、あんなことをすれば本来は退学ものだ。

「はい、しかし完全に認めない訳ではありません」

「じゃあどうすれば・・・」

「貴方の存在価値を示すのです、貴方がこの学院にとって、国にとって有益であることを」

つまり、認めてもらえればこの学院に入れるというわけだ。

「なるほどな、で、どうやって示すんだ?」

「そちらのカスミ・アカツキさんと決闘していただきます」

「は!?どうして私が・・・」

カスミが真っ先に反応する。

「あら、アカツキさん、遅刻は御法度ですよ?」

「ぐっ、だがたかが遅刻で・・・」

「処罰は生徒会長である私が決めます」

「・・・わかりました」

渋々といった様子でカスミが引き下がる。

生徒会長というのは結構な権力を持っているらしい。

「ロイドも、それでよろしいですね?」

「ああ、勝てばいいんだろう?」

「はい、ですがそう簡単にはいきませんよ、彼女はうちの中でも指折りの実力者です」

「聖戦に出ればいずれは闘うんだ、それにまず聖戦に出るためにも勝たなければならない」

「あら、頼もしいですわね、では決闘はこの後午前10時から、闘技場コロシアムで行います。アーサー、ロイドを案内してさしあげて」

「はい、じゃあ行こうか、ロイ」

「ああ」

ーーーーー

ーーー


こうして今に至る。

闘技場コロシアムの入り口はすぐそこに迫っていた。

「頑張ってよ、ロイ」

アーサーが先程とは違う真剣な表情で言う。

「もちろんだ、負けるわけにはいかないからな」

そう親友に返し、ロイドは闘技場コロシアムの入り口へ向かった。





次話はできるだけ早く投稿しようと思います。

また、間違いなどあったらご指摘よろしくお願いします。

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