告白
宿の入口に丁度、白咲さんがいた。フラフラしていた。
「白咲さん、どうしたの??」
話を聞かれたかもしれない。しかし、我は平然をよそおって話しかけた。
「んー、ちょっと飲みすぎちゃったかなって。。」
「そっか、外の風にあたるといいよ、ベンチに桜庭いるけど、」
「あ、うん、ありがとう。」
白咲さんはそういってベンチの方へ歩いていった。
すぐに桜庭と白咲さんの話し声が聞こえたので我は宿に入った。
二泊三日の旅行はあっという間に過ぎていった。その間玲奈は我に話しかけても来なかった。目も合わなかった。
帰りのバスで隣の桜庭に
「怒ってる女性には、悪いことをしてもしていなくても男が謝る。それがこっちでの常識だよ。」
と、耳打ちされた。生意気言ってやがる。
しかし、我は帰ったらとりあえず謝ることにした。
大学には19時に到着した。馬場ちゃんたち上級生はこれから街へくりだし、また飲み会をするらしい。我はそんなことよりも玲奈にいつ、どのように謝るかで頭がいっぱいだった。
「ねぇ、陽。」
我は急に玲奈に話しかけられ思いっきりびびってしまった。
「お、おう、どうした。」
「今から少し時間ある?二人で話したいことがあるの。」
「わかった。」
タイミングがいいとおもい、みんながいるところからはなれ、サークル部屋がある建物へむかった。サークル部屋は鍵がかけてあり、入れないので薄暗い廊下で話をすることになった。
いざ、向かい合うと二人とも黙りこんでしまった。
「陽、この間の夜はごめんなさい。せっかくの旅行だったのに、喧嘩しちゃって、嫌な雰囲気にして。。白咲さんに勝手に焼きもちやいて八つ当たりしちゃったの。」
白咲さんにやきもち??桜庭がいってた通り、玲奈は我が好きなのか?
「こっちこそごめん、桜庭から聞いた。玲奈と桜庭が恋愛関係とかじゃないってこと。」
「よかった。。」
玲奈は安心してうつむいた。
「もうひとつ話あるの。」
「ん?他になんかあるの?」
そう言い返しながらも内心は緊張していた。桜庭が余計なことを吹き込んだから。
「うちね、陽が好き。友達とかじゃなくて、恋愛感情的な意味で。高校のときからなの。うちの初恋なの。。」
顔を真っ赤にしながら告白してきた玲奈の目には涙が溜まっていた。