その戦の決着。
始まりは、どこかの国と国の戦争終了数分前からはじまる。
【世界の中心・魔王城(半壊)、謁見の間にて】
そこには二人の人影があった。
二人は各々の武器を持ち、対峙していた。
一人は白い鎧を身にまとい、太陽のような光を放つ剣を手にしていた。
もう一人は対極的に、黒い鎧をまとい月のような明るさを放つ剣を構えていた。
二人は全身傷だらけで、誰が見てもこの戦いは次の一手で決まる。そんな状態だった。
「…ずいぶんと、粘るじゃないないか…勇者よ…」
黒い鎧の人物、魔王は息も絶え絶えに対峙する仇敵、勇者に話しかけた。
「あんたが、さっさと、降伏でも…してくれたら、こんなに頑張らなくていいんだけど…?」
『魔王よ。貴殿はよく戦った。同族に裏切られて尚、自分の統治する国のため、その身を賭して戦った。そんなものを斬るのは私も惜しい。どうか、降伏してはくれないか』
二人だけしかいないはずの場にもうひとつの声が響いた
「それは、無理なことだ」
魔王が答え、それに続くように重なる声がした
『私たちは、遅すぎたのです。この戦いは、どちらかが倒れるまで続くでしょう。新時代に名を残し、統治できるのは、勇者か魔王か。二つに一つのところまでもう来ているのです』
「…」
『…ならば、終わらせよう』
「そういうことだ。次の一手がこの世界の、未来を決める一手になる。…準備はいいか?勇者よ」
「…あぁ。いいさ。いくぞ、ヘリオス」
勇者は、太陽の輝きを持つ剣---ヘリオスに問う。
『勝つぞ、勇者。この戦いを、胸に刻め』
「…さて、ここまで付き合ってくれた礼を言ってなかったな、セレネ」
魔王もまた自らの持つ剣に話しかける。
『いいえ。礼を言うのは私です。あなたには過酷な道を歩ませてしまった。なのに、文句の一つも言わずともに戦ってくれて、感謝します。私はあなたの剣でいられたことを誇りに思います』
その言葉を聞くと、魔王は満足そうにただ一度頷きーーー
「ありがとう」
言い終わると同時に魔王と勇者はほぼ同時に互いに向かって走り出す。
「『輝け!太陽の光!!エクレール・サンライト!!』」
「『照らせ!月の光!!クリエイション・ムーンライト!!』」
ふたりの剣がぶつかり、そしてーーーーーーーーー
白と黒の光が、城を包んだーーーーーーーーーー
さて、始まりました。「折れた聖剣と魔王陣」
とりあえず読んでくれたあなた!ありがとう!!まだまだ頑張りますので、気が向いたらでもいいので、物語を楽しんでください!