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セカイカイトウ  作者: 理澄
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第4章 罪深き神殿

これを書くのに、エラーで全ロスを三回ほど繰り返してしまいました。(バカ)(´A`)

ジークフリー王国を出発しておよそ1時間が経過し、やがて最初の島に着いた。着陸する途中、突風でジュリーが砂浜近くの海辺に墜落したが、これから起きる出来事と比べたら、些細な問題に過ぎない。


「…本当にもう、タイホウったら酷いですよ!『試しに落ちてみろ』とかぁ!」

森の中は、思っていたより薄暗く、見た事の無い生物や植物が数多く存在している。例えば、白いたてがみが美しい、『一角幻獣ユニコーン』などは清楚でとても素晴らしく綺麗だった。

「…なあ、なんかおかしいと思わないか?」

「え?なんでですか?」

「だって、未だに危険な生物に会ってないだろ?」

カイトウの額には冷や汗が出ている。

「ふぇ?」

そして、森の中を20分程歩き、古い石造りの神殿を見つけた。中に入り、内部を捜索している最中にジュリーが地下へと続く階段を発見する。だが、その階段からは禍々しい空気が漂っていた。

「明らかにヤバそうだな。」

「でも…もしかしたら秘宝があるかもしれないですよ?」

「だな、行こう。」

二人は慎重に階段を進む。最下層まで行くとひたすら長い通路になり、ジュリーが松明を取ろうと壁に手を伸ばした先をよく見ると、人骨が壁紙の様に埋め込まれているではないか!

「きゃあっ!骨!?」

「驚く程気味が悪いな。」

どうやら、この島を訪れた脱走者や怪盗達は得体の知れない何かに殺された様だ。

「怖いですぅ。」

「我慢しろ。」

「う~…。」

通路を歩いている間に沢山の蛇や鼠を調べた所、どれも考古学本で見たのと同じで、ここだけ時が進んでいないのか?と、そう考える程だ。


10分位気味悪い地下通路を進むと、かなり大きい広間に出た。 その広間の一番奥の黄金の台座に置かれていた楕円形の物体は、『幻獣ジュエルバードの卵』の一つ、

「『ラピスラズリ』だ!」

卵は三種類に分けられており、『ラピスラズリ』『ルビー』『ブラックトパーズ』がある筈だ。この卵は十年を経て孵化すると言うが、未だその瞬間を見た者はいないと言われている。

「やりましたね、カイトウ様!遂に一個目GETです!」

「いや、ちょっと待てよ…。やっぱり何かおかしい。」

「気のせいですって!だって、ほら!ここに……。」

ジュリーが卵に近付くと、足元でカチッとスイッチの様な音がした瞬間、赤い三角形の魔方陣が出現し、ジュリーを取り囲んでしまった。

「えっ!?罠!?」

そのまま床から一メートル位のところで静止し、回転し始めた。「キッヒッヒッヒ…また旨そうな若者が迷い込んで来たわい…。」

「姉さんや…今日は一人ずつ食べれますねぇ。」

すると、魔方陣の周りを囲むかの様に箒に跨がり、法衣を着た老婆の姉妹が現われた。「あたしはジージャ!」「あたしはジーニャ!」 瓜二つの魔法使いの姉妹は、ケラケラ笑いながら杖から火球を放つ。

「危ねえ!」

「まずはそこの若者から調理してやろうかのぅ!キーヒッヒッヒッヒッ~!」

次々放たれる熱い火球を避けながら、カイトウはカードの確認をする。

(炎六枚、水六枚、稲妻六枚、氷六枚、土五枚、重力四枚、飛行三枚、召喚二枚、弾幕一枚…)

枚数は少ないが、種類は豊富に揃えてある。これも昨日徹夜して作ってくれたジュリーのお陰だ。

「あれ、どうやら火球は効かないみたいだねぇ?それなら、これはどうだい!?」

次に放たれた魔法は水球だった。先程と変わらず避け易いが、飛び散った水がズボンの裾に染みて、足元が重たくなってしまう。

「そろそろ本気をだしますかね、姉さんや。!」

「そうじゃのう~もう我慢の限界じゃあ!!」

高らかな怒鳴り声を上げながら、杖を乱暴に振り回して様々な魔法を大量に放ち始めた。しかも、二人の動きがバラバラになり、動きが読めない。

「『ファイナルクッキング』!!」

「くっ!このままでは体力が…!。」

「カイトウ様これを!!」

魔方陣の空気口から、一枚の黒いカードが投げ渡された。初めて見る色のカードだ。

「サンキュー!ってどうやって使うんだ!?」

「それは、離れてから二人に投げ付けて『ロスト!!』と言って下さい!」

カイトウは来た道を急いで戻り、離れた姉妹の中心に思い切り投げ付けた。そして、

「ロスト!!」

と力一杯叫んだ。すると、姉妹の間に黒い空間が出現し、二人を引きずり飲み込もうとしている!

「ぎゃああぁ~!!」

「そんなバカな!!この魔法は、禁じられし魔法の筈!!」

恐怖の金切声を上げながら、姉妹は空間の中に消えた。

「技術の勝利ですよ♪」 空間があった場所にピースをする。

「おいジュリー、今のは…」

「はい、そうです!正真正銘『ブラックホール』です♪」

カイトウは悟った。何か機嫌を損ねる様な事をしたら、彼女に消されると。思わず冷や汗が頬を伝わった。

「それじゃあ、遠慮無く頂いて行きましょう!『幻獣ジュエルバードの卵』!!」

(アイツ…きっと殺されるな…。)

二人の怪盗は無事に遊空機の場所まで戻り、タイホウはブラックホールで死にかける寸前までジュリーをからかった。

――――――――――――《 続く》


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