第1章 大きな問題
~ 登場人物~
〇スチュアール·カイトウ
ジークフリー王国カルロス市出身。18歳男。行方不明となった妹を探す為怪盗になり情報を集めている。殆ど冷静な策略家。
〇ローン·ジュリー
ジークフリー王国ウィンバリー市出身。16歳女。唯一の人宝『ブラックウィッチの姫君』。現在はカイトウの助手をしている。意外とおっちょこちょいな天然姫…かも。
〇ミラエル·タイホウ ジークフリー王国ミスト市出身。18歳男。別名『殺し屋ガン·ブラット(血の銃)』。カイトウの好敵手でもあり、仲間でもあるが、目的は暗殺する事。
〇サリー·ノエル
日本出身。16歳女。いつの間にかジークフリー王国に家族と共に迷い込んでしまった少女。ジュリーの同級生。タイホウの助手。
〇セナ
『未知の島々』に住んで居た美少女。何故か島にあった銅像と姿がとても良く似ている。今のところ詳細はまだ不明。
カルロス市の裏通り。この市の怪盗達は全てといっても良いぐらいにここに住んでいる。何故なら裏通り自体も市街から少し離れており、一般の民衆は滅多に立ち寄らないため、隠密行動がしやすいのだ。その中の特に大きい3階建てのビルに、カイトウ達は住んで居た。
「カイトウ様、何か考え事でも?」
高級そうなテーブルに肘を立てながら考えているカイトウを心配して、ジュリーが話しかけてきた。
「いや、この前の地図と手紙の事で迷ってたんだが…。」
「あ、未知の島々…ですか。」
「あぁ。」
二人が後ろを向くと、壁には大きな長方形の古い地図とボロボロに破れた一通の手紙が貼り付けてあった。何故こんなにボロボロなのかというと、帰りにジュリーが手に持って逃げていたら、転んで破けてしまったのだ。「重要な部分が破れたもんな…。」
「すみません!」
破れた部分には、目的地までの注意が書かれていた。
「ところで、どうやってこの島から出る?」
「ん~…あっ!遊空機なんてどうです?」
カイトウは暫くの間考えていたが、「だめだ」と諦めた口調て言い放つ。
「…パイロットは?」
何故なら、二人共遊空機を操縦した経験が無かったからだ。 「…………。」
二人の間に沈黙が訪れる…。
続く》