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第十九話:おのれ母上!?

間もなくクライマックスです!?

「ひぃぃぃぃ!?月黄泉様!!」


「月黄泉様!怖いよ!?」


「・・・・・・少し離れんか」


妾の腰にしがみ付く側室の二人に妾は嫌そうに溜め息を吐いた。


飛天の術を破った妾らは更に母上達の後を追ったが途中で道端でとぐろを巻く大きな蛇に出くわした。


どうせ母上の差し金じゃろう。


よほど飛天を妾に渡したくないようじゃな?


妾も母上の気持ちは理解できなくはないが、自分の愛する夫を渡す訳にはいかない。


何としてでも飛天を妾の胸に取り戻してみせる。


「・・・・・・・・」


妾は腰にしがみ付く側室の二人を何とか引き離し大蛇に近づいた。


「つ、月黄泉様っ。駄目ですよ!?」


「そうですよ!危ないですよ!!」


後ろから側室の二人が騒いでいたが気にせず前を歩んだ。


母上の差し金なら飛天の術より危険。


だが、飛天を妾の手に取り戻せるなら多少の危険は覚悟の上じゃ。


何せインド、中国、日本を荒らし回った母上を相手にするのじゃから命を捨てる覚悟で行かなくては飛天を取り戻せない。


「このようなミミズ如きに恐れていては飛天は取り戻せぬ」


妾の言葉を聞き大蛇が起き上がった。


「「ひぃ!?」」


後ろでは側室の二人が悲鳴を上げて抱き合っていた。


「そこのミミズ。妾は先を急いでいる。大人しく道を開ければ良しじゃが・・・・・・・」


一端、言葉を切る。


「・・・・・・飽く迄、母上に味方し退かぬなら容赦せぬぞ?」


五つの銀の尻尾を青白い炎で燃やし右手で狐火を構える。


「もう一度だけ聞く。そこを退くか退かぬか、どちらじゃ?」


「・・・・・・・・・」


答えとばかりに大蛇は尻尾を妾に目掛けて振り下ろして来た。


「ふっ、どうやら退かぬようだな」


尻尾を避けて妾は後方に跳躍した。


「・・・・・ならば実力で通るまでじゃ」


狐火を放ち尻尾の炎を燃え上がらせる。



「生憎と妾は飛天を取り戻す為なら、母上だろうと容赦はしない」次々と狐火を放つ。


「ぐゎわわわわあああああああああ!!」


全身を炎に包まれた大蛇は悲鳴を上げながら火を消そうと躍起になっていた。


「無駄じゃ。この炎は飛天から直々に教わった煉獄の炎。簡単には消えん」


「もう一度だけ言う。そこを退け」


「・・・・・・グゥ」


恨めしい声を上げながら大蛇は姿を消した。


「・・・・・ふん、口ほどにもない」


牛車に呆然とする側室の二人を入れると妾は再び牛車を走らせた。


・・・・・母上。この借りは必ず返してみせるぞ!?

題名は映画、陰陽師の敵役の「おのれ!晴明!」で思い付きました。

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