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第十八話:先は遠い

段々、終盤に近づいてきます!

「・・・・・・・・」


玉藻は荒い息をしながら全身汗だくになりながら惜しみもなく曝け出した裸体を床に沈めていた。


「そんなに疲れたのか?」


煙管を蒸かしながら夜叉王丸は玉藻の身体を優しく撫でた。


「・・・・・・飛天の意地悪っ」ぷいっと顔を背ける玉藻。


本当なら身体ごと背けたかったが、身体に力が入らず顔だけを背ける。


「くくくくくっ、負けん気が強いのも月黄泉と同じだな。流石は親子だ」咽喉元で笑いながら夜叉王丸は紫煙を吐いた。


「さぁて、そろそろ月黄泉達も追い付いて来る。次の手を打つか、それとも大人しく捕まるかどっちにする?」


意地悪な笑みを浮かべながら尋ねる夜叉王丸に玉藻は


「・・・・・・決まってるわ。まだ捕まらないわ」


「意地悪な俺とまだ一緒に逃げるのか?」


少し驚いた表情をする夜叉王丸。


「・・・・・意地悪でも私は貴方が好きなの」


「くっ、姫みたいな美女に慕われては男冥利に尽きるぜ」


愉快そうに笑いながら夜叉王丸は床に広がった玉藻の銀髪に自身の唇を付ける。


「・・・・煙草の臭いが染み付くわ」


「俺の物って印を付けるんだ。良いだろ?」


「出来るなら身体に付けて欲しいわ」


「なら、そうするか」


「あっ・・・・・・・」


声を上げた時には胸元にくっきりと紅い痕が付けられていた。


「これで良いだろ?」


「えぇ。これで良いわ」


満足気に笑う玉藻。


「さて、貴方の次は私の番ね」床に身体を沈めながら指を軽く鳴らす玉藻。


「これで大丈夫ね」にっこりと微笑む玉藻。


「何をしたんだ?」煙管を口に銜え直し尋ねる夜叉王丸。


「ちょっと過激な試練かしら」悪戯っぽく笑う玉藻。


その顔は幼さを残す少女の笑顔だった。


「過激?姫の過激は半端じゃないだろ?」


「また月黄泉の心配してるの?」不機嫌な表情になる玉藻。


「あいつは慣れてるから良いんだよ。問題は水藻殿とお葛殿の方だ」


「二人なら大丈夫よ。月黄泉が一緒だもの」


月黄泉ではないのを聞いて笑顔に戻る玉藻。


「なんだ?二人には妬かないのか?」


「あの娘達は良いのよ。私から見たら赤ん坊だもの」


「私には月黄泉の方が厄介よ。我が子だからこそ怖いのよ」


「そんなものかねぇー」適当に相槌を打つ夜叉王丸。


「そんなものよ」夜叉王丸から煙管を奪い自身の口に銜える玉藻。


「私は飛天みたいに優しくないわよ。月黄泉」


紫の煙を吐き不敵に笑う玉藻を見ながら夜叉王丸は床に身を投げ瞳を閉じた。


『やれやれ。姫と月黄泉に付き合わされた二人は哀れだぜ』


そんな事を思い夢の世界に夜叉王丸は旅立った。

もう少し付き合って下さい!?

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