第十七話:愉快な逢瀬
初めに言います。今回ら若干ですが大人の表現がありますので・・・・・
「・・・・・・・・・」
夜叉王丸は沈めていた顔を不意に顔を上げた。
上半身が曝け出した裸体は全身が傷だらけで傷がない場所などなかった。
この傷が彼が今まで歩んで来た道の凄惨さを物語っている。
「・・・・どうしたの?飛天」
夜叉王丸の下では着物を着崩し潤んだ紫の瞳で玉藻が見上げてきた。
乱れた十二単からは雪のように白い足と月黄泉とは比べ物にならない位の立派な二つの山が見え隠れしていた。
「俺の術が破られた」短く答える夜叉王丸。
「・・・・くっ、月黄泉もやるじゃねぇか」
愉快そうに笑う夜叉王丸と対照的に玉藻の顔は面白くなさそうだった。
「なんだ?我が子の成長が嬉しくないのか?」
「・・・・今は恋敵よ」
ぶすっと頬を膨らませて答える玉藻。
「そう怒るなよ。まぁ、怒った顔も可愛いから良いがな」
子ども染みた仕草をする玉藻に笑いながら夜叉王丸は玉藻の端整に整えられた唇に口付けた。
「・・・・・・ふっ・・・・・・・んっ」夜叉王丸の口付けを甘んじて受ける玉藻。
「あいつも俺に会いたいが為にしてる事だ」
唇を離し苦笑して諭すように喋る夜叉王丸。
「・・・・・・」玉藻は怒り心頭の表情で夜叉王丸を睨み付けた。
「何よっ。さっきから月黄泉の事ばっかり・・・・・・・・・・」八つ当たりで九つの尾で夜叉王丸を叩いた。
「私の方が貴方を好きだし喜ばせる事だって出来るのに月黄泉ばっかり・・・・・・・・・・」
ぺしぺしっと胸板を叩く尻尾からは甘くて酒に酔ったような香りがした。
初めは甘んじて玉藻の好きなようにさせていたが暫くすると飽きたのか
「あんまり悪戯が過ぎると仕置きするぞ?」
尻尾の一本を無造作に掴むと先端を甘く噛んだ。
「・・・・ひゃっ」尻尾を噛まれた玉藻は小さな悲鳴を上げた。
玉藻が怯むと夜叉王丸は先端を丹念に舐め始めて、もう一本尻尾を掴むと撫で始めた。
「あっ・・・・・・ふぁ・・・・・・・やっ・・・・・・・・んっ」
「くくくくくっ、もっと啼けよ」愉快に笑いながら愛撫する手を緩めない。
「やっ・・・もっ、んっ、あっ、だ、だめっ・・・・・・・・んんんんっ」
玉藻は自分の髪を噛んで声を押し殺していたが隙間から艶やかな声が漏れた。
「どうした?さっきの勢いは何処に行ったんだ?」愛撫をしながら狐耳に語り掛ける夜叉王丸。
「・・・・・んんんっ」
必死に声を押し殺しながら玉藻は首を横に弱弱しく振った。
「くっ、嫌がる顔もまたそそるな」
玉藻の反応を愉快そうに楽しみながら夜叉王丸は更に玉藻の身体に埋もれた。
二人を乗せた牛車は甘く妖艶な香りを漂わせながら深く森の中に入って行った。
すいませんっ。変に書いてすいません!?