逸話:朝風呂で幻想術
更新が遅れてすいません!今度も遅れるかもしれません(爆)
「♪♪♪♪」妾は鼻歌を歌いながら着ている着物を脱いだ。
「あー、身体が怠い」隣では気怠い声を出しながら飛天が着物を脱いでいた。
「昨日は母上と何をしていた?」
自分で不快な気持ちになるのは、分かっているが聞かずには入られなかった。
「んー、酒を飲んで、抱いた」
「・・・・・そうか」やはり聞かなければ良かった。
まぁ良い。今日は妾が朝から晩まで飛天を一人占めじゃからな。
「何にやけてるんだ?」さっさと着物を脱いだ飛天は妾を置いて先に行ってしまった。
「あっ飛天。ま、待ってくれっ」急いで着物を脱ぎ捨て後を追う。
「きゃあっ」慌てて行ったので簀の子に足を滑らせ転んだ。
「朝から盛大に転ぶな」冷ややかな眼差しを向ける飛天。
「手くらい貸しても良いのではないか?」打った腰を摩りながら涙目で睨む。
うぅぅっ、痛い。
「怠いのに」文句を垂れながらも優しく抱き上げてくれた。
流石、妾の夫。優しいの♪
しかし、そんな甘い一時もつかの間で風呂に放り込まれた。
「きゃあ!」ざっぱーんっと水しぶきを上げて湯の中に沈んだ。
「何を・・・・っ!?」文句を言おうとしたが、母上が飛天に抱き着いていた。
しかも一糸纏わぬ裸で。
「玉藻、いき成り抱き着くなよ。月黄泉が落ちただろ?」迷惑そうに顔を歪める飛天。
「んー、私も簀の子で滑っちゃったの(はぁと)」
可愛いらしく謝っていたが瞳の奥が、悪戯が成功したと物語っていた。
「母上・・・・・・・」怒りを抑えながら湯から上がる。
「今日は月黄泉と一日過ごすから今度な」
妾が怒る前に飛天が母上を窘めた。
「えー!何で!!別に良いじゃない!?」
当然、母上からは不平不満の声が出た。
「前からしてた約束なんだよ」
おぉ、流石は飛天。女子との約束を健気にも守るとは感心じゃ!
「・・・・・・・・」この言葉に母上は完全にへそを曲げた。
「大丈夫か?月黄泉」湯に沈んでいた妾を抱き上げてくれた。
「助かったぞ。飛天」夫の首に抱き着く。
どうじゃ?母上?羨ましいか?
「身体洗いっこでもするか?」
「おぉ、良いのぅ」落ち込む母上に見せ付けるように喜ぶ。
「じゃあ、やるか?」
「優しく頼むぞ?飛天」
先に飛天が妾の背中を洗ってくれた。くぅー、気持ち良い。「どうだ?久し振りにやるから、下手か?」
「とんでもない!前よりも心地が良いぞ」
「そうか?それなら良い」背中を洗い終えると今度は髪を洗い始めた。
「くぅー、気持ち良い。もっと洗ってたもれ」
「分かった」妾の頼みを快く引き受けてくれる飛天。
本当に最高の殿方じゃ。一生、離さぬぞ?飛天。
「髪の次いでだ。耳掃除もしてやる」ぬるりと飛天の舌が妾の耳の中に入ってきた。
「おぉ!飛天!?」快楽に身を委ね飛天に縋ると、違和感に気付いた。
むっ、この違和感・・・・・・・・・・幻術か!!
飛天から離れ狐火を放つと簡単に飛天の姿は消え風呂場には妾だけが残っていた。
このような高等な幻術を扱える者は、妾と飛天、母上しかいない。
そして、こんな馬鹿な事をするのは母上しかいない。
「くっ、おのれ!母上!?」恐らく妾を風呂に蹴り落とした時に術を掛けたのだろう。
冷静に判断し直ぐに飛天を探しに濡れたまま着物を羽織り浴室を飛び出した。
待っておれよ!飛天!?
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