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第十話:夫婦揃ってお忍び

今回は下手くそながら俳句を書きましたので、読んでみて下さい。

「・・・・んー」眠りから目を覚ました妾は、隣で規則正しく眠る飛天がいた。


「飛天・・・・・・・」やっと捕まえた。


愛おしくて愛おしくて止む事を知らない妾の殿方。


飛天が城を出てから一月ずっと抱かれていなかった妾を飛天は宣言した通り、たっぷりとしとねの中で可愛いがってくれた。


久し振りに味わった飛天の身体は、媚薬と言っても過言ではない位に妾を酔わせた。


嗚呼、これから半年間は飛天と甘い甘い生活が送れると思うと、眼から鱗が落ちそうじゃ。


自然と笑みを深くしながら妾は、眠る飛天の唇を奪った。


・・・・・んふふふふ、愛しておるぞ。飛天。


それこそ殺してやりたい程にのう・・・・・・・・


まだ朝にもならぬ真夜中の時の妾の愛の告白じゃ。







翌日の朝、妾にしては珍しく朝寝坊じゃった。


「起きたか、月黄泉」ぼやけた視線を向けると飛天と視線がぶつかった。


「んー、まだ眠りから覚められぬ。主の熱い口付けで目を覚まさせてたもれ」


甘えた声で飛天の胸に擦り寄る。


「・・・・・まったく朝から我儘な女狐だな」小さなため息を吐きながらも妾に口付けをしてくれる飛天。


「目が覚めたか?」唇を離しながら尋ねる飛天。


「ん、目が覚めた」名残惜しかったが、あまり我儘を言う訳にもいかない為に我慢した。


「よしっ」満足そうな声をしながら飛天は褥から立ち上がった。


「そう言えば、お前が寝ている内に女中が来て、暫らくは政務を休んで良いだとよ」


ふふふふふふ、当然じゃろう。


飛天が居なくなってから一月、ほぼ休みなしで働いていたのじゃからな。


この半年間は何一つ仕事はせぬぞ。


「何を一人でにやけてるんだ?傍から見ると不審者に見えるぞ」訝しげな視線を送る飛天。


そんな視線でも妾にとっては、愛しい殿方に見られてると取ってしまう。


やれやれ、これは妾が思っていた以上に飛天が恋しかったようじゃな。


「????」頭に疑問符を浮かべながら飛天は部屋を出て行き、妾も後を追って夫婦仲良く顔を洗った。


朝食を済ませた後は、二人で貝合わせをしたり絵巻物を見て過ごした。


午後は楽や舞をしたり池に船を浮かべ紅葉を楽しみ充実した日であった。


夜は夜で、飛天の膝の上で夕食を頂き湯にも一緒に入り床も一緒で言う事なしの一日じゃ。



そんな充実した日々を三月ほど過ぎた日であった。


中庭に植えてあった木の下で飛天に膝枕をしてもらっていると


『城下で紅葉祭をやるそうよっ』


『本当?じゃあ、イケ面も来るかなっ?』


と女中達の会話を耳にした時に飛天が微かに反応したのを妾は見逃さなかった。


「のう、飛天。主もそろそろ城下に生きたいのではないか?」伸ばした右手で飛天の頬に触れる。


「ほう?俺の心を読んだのか?」


「三百年も主の妻を務めている訳ではないぞよ」くすりと笑う。


「まぁ、否定はしない」苦笑しながら妾の狐耳を摘んだ。


飛天は伊達に“風の男爵”と言われている訳ではなく異名通り、常に旅や外出をしている。


三月も城に閉じ込められては我慢の限界じゃろうて。


「妾が納得するような秋の句を言えば、祭りに行って良いぞ。もちろん妾も一緒じゃがな」


「ならば、女帝様がお喜びになられるような句を読みましょう」


落ちてきた紅葉を一葉つまむと


「秋風に 流れて魅せる 紅葉の君」


「どういう意味じゃ?」些か不に落ちぬ点があった。


「秋風に揺れる紅葉の君のお姿に魅せられた、というつもりで読ませて頂きました」


「紅葉の君とは、誰の事じゃ?」まさか、他の女子ではあるまいな?


「これは面妖なことを仰せになられる」口の端だけで笑う飛天。


「紅葉の君とは、女帝様の事ですが?」


「・・・・・妾?」少し呆気に取られた。


よもや飛天が、こんな洒落た事を言うとは・・・・・・・・・・・・


「どうしました?女帝様の為に読み上げた句、お気に召しませんか?」


「・・・・・いや。最高の句じゃったぞ」首を振り静かに膝から上体を起こす。


「そなたの句、真に見事であった」


「有り難き幸わせ」


「主の句へ返句じゃ」瞳を閉じて読み上げる。


「我が想い 秋水の如く 流れ行く」


「妾の想いは、秋水の如く清らかで真っ直ぐに、主に行くと読んだ」


「素晴らしき句を頂き、この飛天夜叉王丸、感激いたしました」あぐらから正座になり頭を下げる飛天。


「句の礼に、今宵の祭りに招待したいのですが、よろしいでしょうか?」


何時の間にか妾が誘われる形になったが、それも一興かの。


「うむ。主の招待を受け取ろう」


「では、牛車の用意を致すため失礼します」立ち去ろうとする飛天の後ろ姿を見て急に一月前の事が頭を過った。


また、妾を置いて何処に消えてしまうのではないか?


もしかしたら、もう逢えぬかも知れない。


そう思った瞬間、身体は無意識に動いていた。


立ち去ろうとした飛天の着物の裾を掴んだ。


「・・・・・牛車の用意など女中に任せておけ」するりと飛天に擦り寄る。


「・・・・・目を離すと直ぐ何処かに消えてしまうからな」不安気な声が出てしまう。


「・・・風なので、自由気儘な性分でございます」食い下がる飛天。


「牛車の用意が出来るまで傍にいてくれ。・・・・・・・・・これは女帝としての命令ではなく、一人の女としての願いじゃ」


妾の手を優しく振りほどくと正面から抱き締めてくれた。


「・・・・・牛車の用意が出来るまで貴方様の傍にいましょう」


恐らく、気紛れじゃろうがそれでも構わなかった。


「例え、気紛れじゃろうが礼を言う」飛天の背中に手を回し抱き締める。


「もっと強く妾を抱き締めてくれ」


「・・・・・お望みのままに」飛天は更に抱き締める腕に力を入れてくれた。


飛天に抱き締められると心地よく安心できる。


飛天は妾の願い通り、牛車の用意が出来るまでずっと抱き締めてくれた。


そして牛車の用意ができると妾と飛天は、数人の共を連れ城下町に向かった。


この時、妾は紅葉祭でライバルが出来るのを知らなかった。

すいません!下手すぎる俳句ど本当すいません!?

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