プロローグ:ラブラブな朝
これは天魔恋物語と別サイトで書いている悪魔な男爵に出て来る飛天夜叉王丸を主人公にしていますので御了承を下さい。
一番鶏が鳴くと同時に朝日が世界を照らし出した。
それは人界だけではなく天界、魔界、妖しの世界でも同じ事である。
ここ物語の舞台でもある妖狐の里でも朝日が辺りを照らし出し里を治める女帝である月黄泉の住む居城の寝室にも朝日の光が差し込んでいた。
障子から差し出す光が寝室で眠っていた月黄泉の頬を照らした。
「・・・・・んっ」光が眩しいのか横に寝返りを打つ月黄泉の肩まで伸びた灰銀の髪が揺れた。
「・・・・・ひーてん」月黄泉は横で眠る愛して止まない夫の名を呼びながら寝返りを打った。
「・・・・・んー」横で眠っていた男は抱きついてきた月黄泉から逃げるように更に横に寝返りを打つ。
しかし、一足遅く月黄泉に捕まってしまった。
「ひーてん♪」月黄泉は男に抱きついて広い背に頬擦りをした。
その姿は大好きな飼い主に甘える子犬に見えた。
周囲から見た月黄泉の姿は毎日、威厳と厳格の気に満ち溢れ王に相応しい姿。
しかし、それと同時に近づき難い雰囲気に高慢な性格が仇となり嫁の貰い手も無く家臣一同も困り果てていた。
だが、結婚をしてからは昔の面影が嘘のように消えて無くなった。
これには家臣一同は大いに喜び祝福した。
しかし、夫である地獄帝国男爵、飛天夜叉王丸は結婚という人生の墓場に頭を悩ませていた。
これから描くのは束縛を嫌い自由を愛する夫とその妻であり甘えん坊な女帝のラブラブな日常生活である。
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