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獣様と私  作者: あむ
獣様と私と時々師匠
12/13

お片づけとゆずれないものと 後編

「私の名前は、クリスティーヌ・デ・マルゲリータです!!」


宣言するように告げれば、なんだか、周りが静かになった。


『えっと、……クリス??』

「聞いてなかったんですか? 私の名前は、クリスティーヌ・デ・マルゲリータです!!」

「お、おい…」


師匠が何やら言いたげだけど、これだけはゆずれないのです!!


「師匠!!」

「何だよ」

「私を慰めようと、腹話術まで使って頑張ってくれたのは嬉しいです。けど、私の名前はクリスティーヌ・デ・マルゲリータです。クリスなぞではありません!」

『ふくわ…じゅつ……』

「ふ、腹話術……いや、だからな、そんな簡単に真名を口にするなって何度も言ってるだろう? 特にお前は魔力強いんだから、真名は大事にしまっといて、普段は愛称で呼ぶのが普通なんだって」

『そうそう』


師匠の言葉にうなずくように、辺りを飛ぶ精霊さんまで瞬くのが、更に癇に障る。


「ですが、私は、両親に付けていただいたこの名前を誇りに思っています。それを簡単に短縮されたくはありません!!」

「…ったく、なんでお前は毎度毎度、この話になると口調がしっかりするんだよ……」

「師匠!! 聞いているんですか!?」

「はいはい。だからいつも名前でよばねーよーにしてんじゃんか。

 だいたい、どう呼ばれたらお前は満足するんだよ」


どう呼ばれたら満足…。考えたことはなかったけど、う~ん…


「クリスティーヌ・デ・マルゲリータで。」

「だから、真名はダメだって!!」

「じゃあ、クリスティーヌか、マルゲリータ。これ以上はゆずれません!」

「…どっちもイヤダ……」


何が嫌がられるのかさっぱりです。こんないい名前はないと思うのに……。





「おや、こんなところにいたのかい」

「あ、おば…カレンさん」


いつの間にか、部屋の片付けは終わったみたい。

出てきたカレンさんを、一瞬おばあちゃまって呼びかけたらものすごい形相で睨まれた…。おそろしや…。


「じゃあ先生、こっちはだいたい片付いたんで、私は失礼しますね。

 また何かあったら呼んでください」

「あ、はい…」


師匠も、カレンさんの前ではなんだか改まっているのが面白い。

そう思いつつ、ニヤニヤしてたら、またカレンさんに睨まれた。


「リタ! あんまり先生に迷惑かけるじゃないよ!」

「は~い…」

「じゃ、たまには家にも顔出しなよ」

「はいは~い」


帰っていくカレンさんを見送っていたら、なんか師匠に変な目で見られていた。

精霊さんも、なんだか元気がない。


「どうかした?」

「…リタ?」

「あぁ、昔から、家族にはそう呼ばれてるよ」

「あ、そう…」


そういえば、カレンさんが来るときは何かしら用事を見つけて出掛けてたから、師匠の前でカレンさんとしゃべるのははじめてかもしれない。どうも、おばあちゃまってお小言が多いから苦手なんだよねぇ…。

とか考えてたら、もう師匠はいなかった。

しかも、精霊さんたちまでいなくなってるし。さみしいなぁ。


手元に残ったのは陣と呪文の書かれた紙。

そういえば最近実家に全然顔出してないし、とりあえずこの紙の裏にでも手紙書いて出してみようかな。

そしたら、なんか魔術の勉強してるっぽく見えるよね!






****その日の夜の獣様


「で、ジャムは?」

「ジャム?」

「野いちごのジャム。ビンは見つかったんだろう?」

「あぁ、あのジャム、カレンさんの好物だから、お礼にって全部あげちゃった」

「全部……」

「あれ? フェル様、あのジャム好きだったの?」

「……嫌いじゃない」

「じゃあまた採りに行こうよ。毎年、何日かに分けて採りに行くんだ。で、いっぱい作り置きしとくの。

 今年はいつもより豊作みたいだから、いっぱい出来るよ!!」

「…予定を空けておこう」

「ありがと!」


「お前ら、仲いいよな……」


獣様と野いちご狩りの約束をしてたら、なんだか影を背負ったままの師匠がつぶやいていた。

師匠も仲間に入れて欲しいのかな?


とりあえず、これでネタ切れです。

また思いついたら続くかも?

何かリクエストあればお願いします!!

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