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第2話

―コールドウェル辺境伯領 北の森―


 森の中を少し歩くと、大小様々な規模のモンスターの群れをチラホラ見かける。


「まぁ、あのくらいが丁度いいか」


 その中から10体前後のゴブリンの群れを見繕う。


「さて……【剣士】(ジョブ)ネトゲ知識(チート)がどのくらい通用するかお試しといきますか!」


 この世界には職業(ジョブ)の他にもスキルが存在する。

 使えるスキルの種類は職業(ジョブ)の内容で決まるが、俺の勘が正しければこれはできるはずだ。

 とりあえずゴブリンの注意をこちらに向けさせるため、手頃な石を探す。

 武器は森の中で拾った錆びた剣だ。


「あったあった」


 握りこぶし程の大きさの石を持ち、構え…


ピシュッ!


 甲高い音とともに空中を切り裂き――命中!


「グギャッ!」


 豚のような鳴き声を発して、こちらに振り返る。

 どうやら怒ったらしく、周りにいたゴブリンを2〜3匹引き連れてこちらに突撃してくる。

 俺は剣を地面と水平に構え――


「―〈虚空一閃〉」


 剣で目にも留まらぬ速さで横一文字を描き、空間ごとゴブリンの首を3体まとめて断ち切った。

 ほかの個体の死に気がついたのか、他のゴブリンも突撃してきた。


「よし。次は…〈八方殺〉!」


 剣を地面に突き刺した瞬間全方位に衝撃波が……………あれ?

 剣を地面に突き刺して、その後なにも起きない。


「ありゃりゃ、これはだめか。なら―〈百連斬〉」


 目にも留まらぬ速さで無数の連続斬りを叩き込み、一瞬でゴブリンは肉塊と化した。


「最後は…〈天地両断〉ッ!」


 地から天へと縦に一気に切り裂き、残りのゴブリンは真っ二つに割れた。


「やっぱり、一部だが適正と経験さえあれば再現できるな」


 予想通り、【剣聖】と【剣士】は同じ剣術系の職業(ジョブ)であるため、【剣聖】のスキルの一部は、経験さえあれば再現できるらしい。

 ただ、威力は本物のそれとは劣るほか、再現可能なものもスキルの効果範囲が狭い近接系に限られるようだ。

 まぁ、一部とはいえ、うまくいっただけも上々だろう。


「実験と確認はこんなもんか。

 さて、冒険者登録にし行きますか!

 …あ、一応魔石は回収しとくか」


 俺は、近くの街へと向かった。


―コールドウェル辺境伯領 中央都市 リハンメル―

 

 街全体を取り囲む用に白いレンガ造りの城壁。

 その北の大門をくぐり抜ける。

 すると、白い漆喰と木材の壁に、赤い洋瓦が敷かれた三角屋根の家々が視界へと飛び込んでくる。

 石畳の道路には人や馬車が行き交い、露店が立ち並ぶ。

 ここ、リハンメルは貿易の街だ。

 

「久々に来るけど、やっぱ賑わってるなぁ」 


 南門から伸びる大通りをまっすぐ進む。

 すると、街の中心の広場にある噴水の向こうに一際大きな建物―冒険者ギルドが見える。


「よし、入るか」


―コールドウェル辺境伯領 リハンメル 冒険者ギルド―


 冒険者ギルドの重い扉を開け、中に入ると周りから野次が飛んできた。


「貴族の坊やが何の用だぁ?」

「腰抜けはさっさと帰んな!」


 まぁ、気にするだけ無駄だろう。

 ギルドの受付へと向かう。


「ようこそ、冒険者ギルドへ。

 えーっと……今日は何のご要件ですか?」


 美人なお姉さんが受付をしてくれるらしい。

 眼福だ。

 少し間があったのは、おそらく身なりが貴族のそれだからだろう。


「冒険者登録をしたいのですが…」

「わかりました。冒険者登録ですね。ランク昇格の推薦状などはございますか?」


 そんな物があるのか。

 まぁ、平民とは違い、貴族は専属の魔術や剣術の講師などを雇うことも多いし、おそらくそれだろう。


「ありません」

「わかりました。そうなるとFランクでお作りすることとなりますが…よろしいでしょうか?」

「問題ありません。

 あ、そういえば魔石の買い取りってできますかね?少し問題があるのですが…」

「はい。状態にもよりますが可能ですよ。魔石を拝見してもよろしいでしょうか?」

「こちらなんですが…」


 そう言って真っ二つに割れた魔石を6個置く。


「…」

「…」


 お姉さんは魔石を見つめたまま固まってしまった。


「…えーっと、こちらが買い取りをご希望の魔石ですか?」

「はい」

「…少し上に確認してきますね」

「わかりました」


 受付のお姉さんはそう言って裏に行ってしまった。


「…なぁ、見間違いじゃなきゃあいつが持ってた魔石、半分に割れてなかったか?」

「俺も見たから見間違いじゃあねぇ。

 だが、魔石ってそう簡単に割れるものじゃないだろ…?」

「魔石が割れる程の馬鹿力と技術を戦闘中に使ったってことか…?」

「新人でそれってどんだけ実力があんだよ…」


 先程から後ろでなにかひそひそと話し声が聞こえるが、よく聞き取れない。

 気にしてもまあ無駄か。

 少し待っていると、受付のお姉さんが戻ってきた。


「お待たせして申し訳ありません。少々別室にお越しいただきたいのですがよろしいですかね?

 ギルドマスターが直接会って確認したいとのことでして…」


 俺、なんか呼ばれる様な事したっけ?


「わかりました。問題ありませんよ。」

 

 俺は、受付のお姉さんに導かれ、ギルドの奥へと向かった。


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