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最強ギルドごと異世界に転移した最強種たち、暇なので世界を滅ぼしてみた  作者: 朝雨 さめ
第一章

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第二十六話 王都守護隊長




―――固有魔法。


それは俺らの知っているゲーム【ユグ:ドライアス】の中でも聞いたことのないものだった。


彼女曰く――これは人間種特有の力。

誰もが使える一般魔法とは別に、人間種の中でも個人でしか扱えない特殊な魔法が存在するのだという。


ゲームでも、似たような種族特性や固有パッシブなんてのはあったけれど、固有魔法……か。


「……で、ちなみにソフィアさんの固有魔法はどんななの?」


俺がそう尋ねると、彼女は少しだけ目を伏せて静かに答えた。


「はい、私のは魔法と呼ぶにはあまりにも地味ですが……"自身の体感速度を限界を超えて引き上げる"というものになっています」


その言葉に俺は思わず眉をひそめる。

彼女は地味と言ったが、地味というにはあまりにも強すぎる魔法じゃないか?


「体感速度を引き上げる……って、要は相手の動きが遅く見えるとかってこと~?」

「仰る通りです。厳密に言えばそれだけでなく、自身の体を動かす伝達速度も早めることができます」

「ひぇ~! めっちゃ強いじゃん!?」


彼女の説明は簡素だったが、つまり彼女は“動きが見える”だけじゃなく、“早く動くこともできる”ってことで。

なるほど、あのとき彼女に感じた違和感の正体はこれだったのか……―――と。


その思考に落ちた瞬間、円卓の向こう側から三つの視線が俺に注がれる。

サクラノヴァさんは腕を組みながら眼窩の奥の青い光を細め、ゴラクZさんは鬣を揺らしながら静かに唸り、猫バイトさんはじっとこちらを見つめている。


「え、なに、どうしたの?」


唐突な視線に俺がそう言うと、サクラノヴァが静かに口を開いた。


「……やはり化け物だな」

「えぇ!? 骸骨がそれ言う!?」


いきなりのディスに思わずツッコミを入れる俺に、猫バイトが「仕方ないよ人外マスター」と岩の手を振ってなだめるような仕草を見せる。

どちらかと言えば常識人のゴラクZさんもまた「異論ナシ」と低く呟いた。


「ひどいよみんな……」

「……ふん、それはまぁいい。それで、厄介な五人の固有魔法ってのはどういうものだ?」


と、俺の悲しみもそこそこにサクラノヴァさんが話を戻すと、彼女は再び地図に視線を落とし、指先を王都の中枢に向ける。


「はい。まず重要なのが第二番隊の隊長で【闇迅】と称される――」


―――して。

俺たちはその後、作戦を詰め込み―――ついに明日、決行することになったのだった――――。





◆◇◆





王城 《グラン=マギステリア》。

その最奥に位置する玉座の間は、今までとは異なる静寂に包まれていた。


それは今―――王の目の前に、王都守護隊の中でも選りすぐりの者たちが集まっていたことによる空気感。


王は玉座で悠然と構え、指先で椅子の肘置きを軽く叩く。

その音が、場の緊張をさらに引き締める。

やがて王はその沈黙を破り、低く、唸るように口を開いた。


「ソフィアは未だ戻らぬか。……奴もついに死んだか?」


王の言葉は冷たく、疑問形でありながらも威厳に満ちていた。

だがその瞬間、王から見て一番左端に跪く黒いマントに身を包んだ男が静かに口を開いた。


「……陛下。失礼ながら、それは早計かと」


漆黒に身を包み、仮面の下から覗く瞳は冷静そのもの。

彼の声は低く、しかし確かな響きを持っていた。


「……シェイド……貴様はあの女がまだあの城で生きていると申すのか? ……奴は城から出てきていないのだろう?」

「……はい。今もなお監視を送っていますが、一日経った今も城に動きはなし。……剣聖が死んでいるのならば少なくとも何か動きがあるはず……それがない以上、可能性は残ります。……いえ……むしろ、裏切りの可能性も出てきたかと」


その言葉に場がざわつく。

数名の隊長が眉をひそめ、互いに視線を交わした。


「……裏切り、か。……ふん、無意味だということを何度も示してやったというのに……愚かな女だ……」


王は口元に笑みを浮かべるが、その目は笑っていなかった。


「では、裏切りを考慮して門の警戒を強めよ。よいな?」


その問いに、今度はシェイドと呼ばれた男の隣に座っていた貴族風な男が口を開いた。


「僭越ながら陛下、あの女が裏切った場合ですが……まずここに侵入する場合には"水路"が怪しいかと思われます。……ここは守護隊しか知らない通路があるため、潜入にはうってつけですから」


銀髪を後ろで束ねた細身の男。

常に冷笑を浮かべるような目元が、場の空気をさらに冷やす。


「……ふむ……そうか……ではサヴァン、そこを封鎖しろ」

「はい。ですがこちらは夜目が利き、闇に慣れているシェイド殿に任せた方が、より確実に抑えられるでしょう」


その言葉に、シェイドは無言を以て答える。

と、その時、今度は王から見て一番右端で跪く巨躯の男が、貴族風の男を嘲笑するかのように付け加える。


「……オイオイ、それだけじゃ足りねぇだろうが?」


周囲の者の優に二倍以上はあろう巨躯に片目に眼帯をつけた男は王を見据えながらさらに続けた。


「本来の目的である城を盗るならその時が好機だ。剣聖が裏切るのならあの城は手薄になるはずだろ? そして俺の魔法なら、あの熱に耐えて辿り着くことが可能だ。……違うかァ?」

「……ふん、頭まで肉になったんですか、ホッグス? 王都が落とされれば城を盗るのは無意味です」

「はっ、無意味かどうかは、やってみなきゃわからねぇだろうが、クソ貴族がよォ。……それに、城を盗ってあの熱気を操れるってなりゃ、最強の防衛機能になる。むしろ盗らねぇ理由がねェだろうが!」


王はそのやり取りを黙って聞いていたが、やがてゆっくりと立ち上がる。

その手には、銀の皿に盛られた骨――かつての何者かの名残が握られていた。


「……もうよい。では第二番隊は水路を封鎖。第三・第四番隊は王都中枢の警戒を強化するのだ。そして……第五番隊は確実にあの城を奪え。……よいな?」


王のその言葉に、先まで言い合っていた隊長たちですら一斉に頭を垂れる。


王は無言のまま、手にしていた骨を背後の檻へと放り投げた。

鉄格子の奥、闇に沈む巨大な影がそれを咥え、バリボリと音を立てて咀嚼する。


沈黙に満ちた玉座の間に不気味な余韻だけが響く中、王はその音に満足げに目を細め、静かに呟いた。


「……我に刃向かう者がいれば、その意思は砕かねばならぬ……我が理想の世界を作るためにな―――――」



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