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人間界

「あっつ!!なにこれ…立ってるだけで汗かくんだけど…」


私達3人は閻魔大王様の命令で人間界に降り立った。


「仕方ないよ。冥界には気温って概念がないし。

今、37度もある…さすが人間界の夏だね。」


天翼が長方形の板を見ながら答える。


「それがスマホかー…早速使いこなしてるなんて、

やっぱり天翼は凄いねー!」


天翼のスマホを見ながら、隣で関心している美玲。



「てか、ここどこ…。

意味不明な事言われて、人間界に飛ばされたのはいいけど

詳しい説明受けてないし!

しかも、緑しかない!木!草!葉っぱ!虫!キモ過ぎッ!」


私は飛んできた虫を一生懸命手で追い払う。



「ここは天狗山だよ。よく来たな。」


突然、どこかで聞いたことのある懐かしい声が森に響き

3人は声の方に目を向けた。


「え…でっか…犬?…狼…?誰…?」


「酷いじゃないか…鈴、忘れちゃったの?小天(おあま)だよ!」


狼のように鋭かった目が一気にしゅんとして子犬の様な表情になる。


「忘れた訳じゃないよ!どっかで聞いたことある声だなって思ってたの!

小天…久しぶりだね!」


私達は小天にハグをした。



「でも、何で狼の姿なの?」



「美玲…よくぞ聞いてくれた!それは「それは、小天は天狗山の山犬なんだよ。

天満おじさんに仕えてるんだ。」



「天翼!僕が説明しようと思ってたのに…。

僕の本当の姿はこれだよ。

君達が怖がらないように冥界で会った時は人間の姿で居たんだ。

修業が本格的になった時、天満様が君達に付きっきりだったからね。

天狗山の留守番してたから、実際ちゃんと会ったのは千年前の数百年くらい…

記憶がうっすらなのは仕方ないよ。

天満様から聞いてたけど、あんなに小さかったのに大きくなって…。」


目を涙でうるうるさせる小天。


「はいはい…泣かないで…。」


面倒見の良い美玲が小天の事を宥める。


「ありがとう…。やっぱり美玲は優しい子に育ったね…。

ぐす…っ…ふぅ…。あ、そうそう閻魔大王様から話は聞いてるよ。

まずは、天満様に会おう。色々説明があるから。」



「「「はーい。」」」



「僕の背中に乗って!行くよ!」



眩しい太陽の光…カラッとした暑さの中、気持ちの良い風が肌にあたる。

高い目線で辺りを見渡すと、とても綺麗な街並みが見えた。


「美玲、天翼、なんか楽しみになって来たよ!」


「私も…同じ気持ちだよ!」


「僕も。」


私達は何だかよく分からないけど、初めて人間界で暮らすことに胸を躍らせていた。




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