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-第2話 捻じ曲げられたデータ。-

 俺は、2人を送った後に帰ってきた。

すると……。泣き崩れていた母さんがいた。


「どうしたの!? 母さん!!」


俺は、母さんに近づいた。

すると……母さんは指をさした。

そこで見た光景で俺は目を見開いてしまった。


【神王龍 姫嘉様の診断の結果……無能クラスと判明しました】


と、書いてあった紙を母さんは指をさした。


「な、なんだ。これ。」


すると、あんなポジティブだった母さんが弱い言葉を吐いた。


「ごめんね? 姫嘉……。

私が……私が……。

私が、あの人と付き合ったばっかりに……。」


「……。大丈夫だよ?」


俺は、そんな事を言った。

あれ? おかしい……。

そんな事を言ってないはずなのに……。


「ならば、"私"の名前と姿を変えて登校しようよ。

そうすれば、何も"お母さん"が苦しむことはなくなるんだよ?」


待て、そんな事を俺は……思ってない!!

やめろ、それ以上言うな!!


「そ、そうね……

姫嘉には、苦しむ事にはなるけど……

そうしましょう……。

きっと、あの人が起こした原因だわ。」


「そうだね。私は、許せないよ。

お母さんをこんな目に合わせた事は、

絶対に許せない。」


━━━━やめろ。やめろ!!


「だから、お母さん……

私は、復讐するよ。

美咲とあのクズ男に……ね?


その為には、頑張ろう!!

抗おう!! ……ね?」


くそ、言う事を聞け!!

この体……!!


 すると、視界が変わった。

真っ白な部屋に連れていかれた。


「私の体で、随分と自由に伸び伸びと……さ、

過ごしたんじゃない? 蒼井 信長くん?」


「そうだな。その件については、

すまなかった……。

初めましてだな……。神王龍 姫嘉ちゃん。」


そう、俺は挨拶をした。

すると、姫嘉ちゃんは……。


「初めましてだね。

でも、あなたを責めすぎたけど……。

これでも感謝してるんだよ?

だって、この絶望な状態を切り開いたのは……

間違いなくもなくあなたなんだから。」


そう、褒めてくる姫嘉ちゃんに……

俺は……。


「そう褒めんな?

俺だって目的がある。

その為に、この体を利用してしまったのは申し訳がない。」


そう俺は言った。

すると、姫嘉ちゃんは言った。


「目的って、戦えればなんでもいい……だっけ?」


姫嘉ちゃんの直感力が、ずば抜けていて……。

見事に俺の目的が合っていたので、俺は……無言で、頷く。


「なら、私も協力してあげるから……。

私の目的を手伝ってくれない?」


俺は、少し構えながら言った。


「何の目的だ? 一体……何するんだ?」


「なぁーに。簡単な事さ……。

美咲とクズ男を殺して欲しいんだ♪」


仲が悪いとは言え……本当の家族なのに、

殺せと言われても……。


「見たでしょ? あのクズ男や美咲の対応。

あれで、母を泣かしてるんだよ? 許せると思うの?」


確かに……母さんを泣かせた。

その事実には変わりは無い……だが……。


「どうする? 協力するの? しないの?

しないなら、それ相応の対応するけど?」


「……例えば?」


俺は恐る恐ると聞いた。

すると、彼女は……不気味に大笑いをしながらとんでもないことを言った。


「私がずっと出て、あなたの目的を潰す。

それで、苦痛を与えるんだ!!」


彼女は、そう言った。

ある意味、脅しみたいなものだ。

『俺がこれをしなければ、私は従わない。』

って、言う意思表示にも見える。


仕方ない……。俺には選択肢がないんだ。

そうするしかない。


「分かった。その目的を果たしてやる。

任せとけ……。」


すると、彼女はニッコリと笑い……。


「うん!! ありがと!!」


と、言うのだった。


…………………………………………………………………………


そして、俺は現実の世界に戻ってきた。

母さんは、安心したのか……。

俺の膝の上で寝ていた。


さて、俺は考える……。

あの学校でなんの名前で、過ごそうか……と。


すると、姫嘉ちゃんから提案があった。

名前の姫は残したいとの事……。

困ったなぁ〜。


神楽坂……。いいなぁー。


『お、いいね!!

その調子だよ〜!!』


魔姫……。いや、神姫か……?


『いいや、魔姫だよ!!

私、そんな神じゃないし。』


そうか? じゃぁ、魔姫にするか。


『うん!!

神楽坂(かぐらざか) 魔姫(まき)!!

おっさんな癖に、いい名前付けるじゃん!!

やるやる〜♪♪』


アハハ〜。なんだろう。

ちっとも、嬉しくないんだが!!


そんな会話をしていたら、

いつの間にか、夜の9時になっていて

母さんを起こした。


そして、母さんに彼女と話した内容を

自分で考えたかのように話した。


「まぁ!! 神楽坂 魔姫ね!!

いいじゃない!! 古風みたいな名前で!!

分かったわ!! そういう風に名前の申請しておくわ!!」


古風みたい……か。

そんな風に考えた事は無いのだが……。

まぁ、いいか……。


とりあえず、入学までにまた勉強に励むとしますか。


……………………………………………………………………


幾つの日にちが経過したのだろうか。


「やっと来たか……。」


そして、俺は校長室に向かった。


「いやぁ〜。すまないね。

姫嘉君。君の父の命令には聞かないとここは成り立たないんだ。」


そう。この警察防衛学校と能力防衛学校の運営資金は神王龍が全て、補っていると過言では無い。


だからこそ、父の命令には従わないと運営が出来なくなる……。だが……。


「私も、真由美さんと同じで胸糞悪いんだ。

仮にも、君が有能な結果だとしても、出来損ないと言われてる娘を無理やりにでも無能クラスに入れさせないといけないからね。私にもっと力があれば……。」


そう言いながらここまでやってくれたり、

そんな気持ちまで抱いてくれてるだけでも

ありがたいと俺は思う。


………………………………………………………………………


そして、入学式が始まった。


「えぇ〜。続いてだが、

悲しいお知らせと、嬉しいお知らせがある。

まずは、悲しいお知らせからだ。」


そう言い、皆がコソコソと話をしていた。

多分、分かりきっているとは思う。


「神王龍 姫嘉は自主退学となった。」


その話を聞いた途端……。

皆は、騒然とした。


「あんなに優秀だったのに?」

とか、

「勿体ないことをするね」

とか、


俺だって自主退学したくなかったわ。

と、心でツッコみながら声で言うのを堪えていた。


「そして、嬉しいお知らせだが……

神王龍 姫嘉の代わりに、

無能クラスでいっしょに勉学をし、

もしかしたら、と言う可能性がある子を

私たちはスカウトをしてきた。


……さぁ、入りたまえ。」


「はい!!」


そして、俺は入学式なのにも関わらず

壇上から登場してきた。


「私の名前は、神楽坂 魔姫と申します。

この場所でいっしょに勉学をする事を誇りに思っております。

何卒、よろしくお願いいたします。」


すると、体育館中から響く皆の拍手が聞こえてくる。


 そして、俺は……壇上から降りて、自分の椅子に座った。


「えぇ、これで全員揃った所で

今期の生徒会長から、皆に対する贈る言葉を忙しい中頂戴することとなった。

よぉーく、聞くことに。」


そして、教頭先生は消え

今期の生徒会長が現れた。


「今期、生徒会長の一条(いちじょう) 凪桜(なぎさ)と申します。

皆様、ご入学おめでとうございます。」


皆は、一条先輩の容姿に惹かれていた。

女性ながらも、イケメンでしかも時たま見せてくる笑顔が何とも言えないぐらい可愛らしいから。


「さて、この学校に入学したということはお気づきになったと思われますが……。


この学校は、いつも死が共に着いてくる学校です。


その覚悟を持って来たことでしょう。

ですが、甘く見てはいけません。

私達は何度も絶望を見てきました。

あなた達もこれから、その絶望を背負う事になります。


生半端な覚悟ならば、すぐに辞めた方がいいです。


私は、一生懸命答えてくれる子には正当な態度で対応します。


ですが、生半端な覚悟で来た子には死と同等な扱いをさせていただきます。

その覚悟でいてくれると嬉しいです。

私からは以上です。」


その言葉を聞いた途端、皆の顔色は真っ青になっていた。


きっと、想像がついたのだろう。

まぁ、何とも言えんがな。


「……!!」


ん? 今、一条先輩から俺に向けてサインを出した。


……翻訳すると、『放課後……体育館裏に来るように……』か。


きっと、大変な事が起きるんだろうな……と、察してしまった俺を許してくれ。姫嘉ちゃん。


『嫌だ★』


即答で嫌だ★という声が聞こえた……。

気のせいだろうか??

まぁ、いい……。

とりあえず、行ってみることにしよう。


……………………………………………………………………


そして、放課後となった。

俺は急いで体育館の裏に行った。


「えっと……確か、ここでいいんだよね?」


「待っていたぞ、、、神楽坂 魔姫。」


「はぁ……? で、何の用ですか?」


俺は、そう言うと……一条先輩はこう言われた。


「私……貴女が気に入った。

だから、私専属のペアになって。」


「……は?」


何言ってんだ? この先輩は……。


「貴女の能力が少し、気になったの……。

天与装置(フィジカル・ギア)


魔姫さん自体の能力はないが、魔姫さんの武器には魔姫さんだけしか使用できない能力が宿っている。そんな子は、私のペアに相応しい。


だから、私だけのペアになって?」


「……うーん。」


……俺は、考えていた。

どうしたらいいんだろうか……。


すると、俺は意識が落ちた。


…………………………………………………………………………


「おや? 雰囲気が変わったね。」


そう言った先輩に私は言う。


「そうだね。雰囲気変わってごめんね?

私が本来の主。だけど……あの子が主導権を握ってる感じだね。」


「なるほどね。じゃぁ、『あなた』じゃなくて、もう1人の『『あなた』』が好きって言ったらどうする?」


やはり、そうなんだね……。

でも、私も負けない。


「そうですか。

私も狙ってるので……。

邪魔しないでもらいたい。」


「そうなんだね。

でも、あなたは『内側しか』愛せない。

私は、外側でも内側でも愛せる。

見れば分かることだよね。」


「ぐぬぬ……。」


「うふふ……!」


「私はお前が嫌いです。

ですが、仕方なく……付き合わせてあげましょう!! 『仕方なく』なので!!」


「うふふ……!! ありがと!!」


こうして、瞬く間に俺と一条先輩はペアとなる事を初日で皆にバレるのである。


………………………………………………………………………


そして、家に帰ると……。


「おかえりなさい!! 姫嘉!!」


母さんが俺の方へ来た途端……。


「……。女の匂いがする……。」


「え……?」


「ねぇ……姫嘉?

だれ? 誰と居たの?」


ガシッと俺の肩を掴んで、ギューッと握ってくる。


「痛い!! 痛いって!!」


「ねぇ……姫嘉? 誰と居たの!!!!

私という者が居ながら!!」


「先輩!! 先輩と居たの!!

ほら、入学式で冷たく接してた生徒会長!!」


と、言うと……。


「なぁーんだ!! お母さん。

早とちりしたわ!!

で、何の要件だったの??」


そう言われて、言うのを戸惑ったが……。

素直に言う事にした。


「……その生徒会長とペアを組むこととなった。」


「ん? 私、耳がおかしくなったみたいだわ。

もう1回言ってちょうだい?」


嫌な予感がしても言う事にした。


「だから、生徒会長とペアを組むことにしたの!!」


そういうと……。

悪魔みたいな笑い方になって俺に近づいてくる。


「ねぇ……姫ちゃん?

その生徒会長さんと付き合わないよね?

付き合わないよね? お母さんが1番よね?」


「え……あの……そのぉー……」


やばい……姫ちゃんと言う呼び方は、相当キレてます。


次に出た母さんの行動は、

俺をギューッと抱き締める。

苦しい…………。

苦しすぎる……。


「姫ちゃん?

このまま、監禁した方がいいかしら??」


「……。」


私は……最終手段で母さんの記憶を少し、弄る。


「あら?? 何しようとしたんでしたっけ?」


「ご飯作るんじゃないの? ほら、今やってるじゃん?」


「あら、そうだったわ!!

急がなきゃ!!」


そう言って、そそくさと行く母さん……。

俺は内心、助かったと思っていた……。


だが……問題はこの後だった……。


 夕食を食べ終わったあと、お風呂と歯磨きを済ませ……就寝した。


すると……目に映った光景は夢ではなくて、、、

真っ白な部屋で、俺は椅子に括り付けられてあった。


「なんだ……ここは!!」


すると……俺の前に現れたのは、


「ねぇ……浮気したよね?

したよね!!」


殺気と覇気が混じったオーラが全開な姫嘉さんが現れたのだ。


「浮気、、、? なんの事だ?」


「とぼけないで!!」


すると……殺気をバリッと放つ。

おっと、これ以上……お巫山戯をしたら……。

俺の命がないだろう。

全く、母さんもこの子も……

子は親に似ると言うことわざはこういう事なんだろうな……


さてと……一体、どう説得しようかなぁ〜。


と、思う俺だった……。

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