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あなたは美しい幸せ  作者: 夏野菜
番外編
50/51

【番外編4】君の好きな本

青葉響一目線のお話です。


あの人は一言で形容し難いひとだった。森林の中の湖のように静かでひんやりとした空気を纏っていて、不思議で掴みどころがなくて、時々どこか痛そうなひと。だからなんだろうか。どうしようもなく興味を惹かれたのは。


もしかして自分は良光や藤谷と同じように恋をしていたのだろうかと、どこか他人事のように思う。しかし今更そんなことを考えたって、もう決してあの人と会うことはできない。だからこんなことを考えていても意味がない。


意味がないのに、考えることをやめられない。




高校に入学したら、図書委員になろうと思っていた。本が好きだったし、高校の図書委員はどんなことをするのか興味があったからだ。しかし入学してみると想像以上に図書委員になろうとする人間は多く、一学期と二学期のじゃんけん選抜で僕は惨敗してなることができなかった。そして、三学期でようやくじゃんけんで図書委員の座を勝ち取ることができた。


放課後、図書室の受付に座って本を読む時間が好きだった。委員の仕事ならどれだけ図書室にいても変な目で見られることはないから。あといろんな人がいろんな本を借りに来るのを見るのも興味深かった。そこで自分の知らない本を知ることもできた。


そんなある日のことだ。


「返却をお願いします」


そう言って僕の目の前に本を差し出してきたのは、あの人だった。


図書委員にこそなれなかったが、僕は一学期から図書室に毎日のように通い詰めていたので、同じく図書室に通い詰めている人の顔はなんとなく覚えていた。あの人は、僕みたいに毎日ではなくても週に一回は必ず図書室に来ていた。貸し出しの処理もしたことがあるので、名前もクラスも知っていた。そして休みの日に市立図書館でもよくその姿を見かけた。


「はい」


しかし話したことはない。僕は淡々と受付の仕事をする。


「……あの」


何か聞こえた気がして、俺は返却処理をする手を止めて顔をあげた。あまりに静かな声だったので、話しかけられたとは思わなかった。


あの人は、静かにこう続けた。


「おすすめの本、何かありませんか」


僕は話しかけられたことに驚きながら、頭を働かせる。


「…二、三冊教えてくれると有難いんですが」


同級生なのを知っているのか知らないのか、妙に固い敬語だった。僕は頭の中で何冊かおすすめをピックアップしながら尋ねる。


「好きなジャンルはなんですか」


あの人は少し考えるような素振りをした後、こう言った。


「創作ならなんでも」

「なるほど」

「…ちなみに、おすすめ棚にあるのはもう一通り読んでしまった」


図書室には、図書委員と司書が作成しているおすすめ書棚がある。そこにある冊数は少なくないはずだが。僕は思わず薄く笑って呟いた。


「さすがですね」


するとその人も意外にこちらに合わせて薄く笑った。


「あなたなら私よりもたくさんの本を読んでそうだから、他に知っているかと思って」


あの人も僕のことを認識しているようだった。さすがに何度も図書室で顔を合わせているからか。しかしやけに落ち着いた話し方なので、なんだか同級生というより年上の人と話していると錯覚しそうになる。


「まあ」


僕は否定も肯定もせずに立ち上がり、受付に不在と書かれた札を立てる。


「図書委員なのに、席外していいの?」

「いいんだ。そんなに人来ないし」


僕は何冊かおすすめの本を教えた。するとあの人はその中から一冊だけ借りていった。


その後、あの人は僕が受付にいるときに話しかけてくるようになった。


「この前の本面白かった、ありがとう」


そう一言だけ。


どんな本をおすすめしても、必ずあの人はそう言った。ファンタジー小説でも恋愛小説でも推理小説でもSF小説でもホラー小説でも時代小説でも。あの人にとって面白くない本なんて存在しないのではないかと思った。巷では退屈だと言われている小説や、意味が分からないと言われている小説を勧めてみたりもした。そんな本たちもあの人はやっぱり面白いと評した。


しかし、一冊だけ面白い以外の感想の本があった。


「これは、あんまり好きじゃないかも」


その本を返却するとき、あの人がそう言った。


「えっ」

「他におすすめある?」

「あ、うん」


僕は僅かに動揺しながら、他のおすすめをあの人に教えた。その日はあの人は図書室で本を読むことにしたようだ。


返却されたとき、どうして”好きじゃないのか”と聞けばよかった。僕は先ほどあの人が返却した本が気になって仕方がなかった。どんな本も面白いというあの人の、”好きじゃない本”とはどんな物語なのだろうかと。もちろんおすすめしたからには一度読んだことがある。けれど物語の詳細まではあまり覚えていなかった。しかしその場でその本を読むと好奇心があからさまかなと思って、僕は帰りにわざわざその本を買って家で読んでみた。


それはジャンルとしてはファンタジー小説だった。おおまかなあらすじはこうだ。


僕らが生きているような世界で生活していた主人公が、ある日突然異世界へと飛ばされる。異世界は主人公が生きていた世界とはまったく生活様式が異なり、魔法と呼ばれる特殊な力もあれば人間以外の種族も一緒に暮らすような世界だった。


異世界にやってきた主人公は最初は元の世界に帰りたがりその方法を探していたが、異世界で暮らすうちにその異世界の居心地の良さや異世界の人の良さに触れ、終盤で元の世界に戻る方法がわかっても異世界に留まることを選んだ。


そんな物語だった。


取り立てて珍しい話ではない。異世界での冒険譚なら他にも山ほどある。多分今まで僕がおすすめした本の中に似たような異世界のファンタジーがあったはずだ。でもそれは面白いと言っていたはずだ。ではなぜこの物語だけ、”好きじゃない”と言ったのだろうか。


僕は無性にそれが気になって、本を読み終えた次の日に前にあの人に勧めた異世界の物語の本を手に取った。それを読んでみて、僕は二つの物語の違いに気づいた。


あの人が”好きじゃない”と言った物語の主人公は、異世界に残ることを選んだ。

しかしあの人が普通に面白いと言っていた物語の主人公は、元の世界に帰っている。


”そこ”なんじゃないだろうか。あの人の”好き嫌い”に関わるところは。

でもどうして、そこが”好き嫌い”に関わるんだ?


僕はそれが不思議でたまらなかった。その疑問をいつかあの人に聞ける時が来るだろうか。普通に話しかけに行けばいいのだろうけど、それはなんだかしてはいけない気がした。


あの人が本を読む姿は、絵画のように湖面のようにとても静かだった。それを見ていると図書室や図書館に来るのは本を読むためなのは見ててわかった。話しかけるのはその邪魔をしてしまうような気がして、出来なかった。


ある日、図書室で本棚に立ったまま写真集を眺めているあの人を見た。その時あの人は体のどこかが痛むように、少し目を細めていた。どうしてそんな表情をしているのか気になって、僕は後からその写真集を手に取ってみた。何の変哲もない、世界各地の風景を集めた写真集だった。これを見てどうしてあんな顔をしているのか見当もつかなかった。


いつかそのことについて話せるだろうか。聞けるだろうか。僕はそんなことを考えながら日々を過ごしていた。


そして迎えた高校二年生の始業式の日。あの人と同じクラスになって、僕は内心喜んだ。話す機会ができるかもしれないと思ったから。


しかし。


「この人たち、誰?」


あの人が呟いた一言に、なんとなく違和感を感じた。何が違和感なのかと尋ねられると答えられないくらい、本能的に直観的にそう思った。そしてあの人が藤谷を投げ飛ばして倒れたのを見て、僕はさらに違和感を重ねた。


数日後、図書室であの人が例の写真集を手に取っているのを見た。その時あの人は感動するように目を見開いて写真集を眺めていた。その表情を見て、僕は漠然とこの人は”あの人”と違うのではないかと思って、一歩近づいた。今のこの人は、”あの人”と違って近寄りがたい雰囲気がまるでないようにも思えた。


少し会話をしてみると一瞬”あの人”本人のように感じられる瞬間もあったが、やはり”あの人とは違う人と接しているような感覚があった。不思議でよくわからなかったが、今のこの人はとても接しやすく、自然とその後も会話をするようになった。


後に、二学期以降のあの人の中身は本当の片桐さんだったことを本人が教えてくれた。そして”あの人”は異世界の人だったとも。


それで最初の僕の違和感が正しかったとわかった。その時、僕は嬉しかった。僕はちゃんと”あの人”のことを知っていたんだと思えた気がして。けれど同時にもう二度と”あの人”に会えないことを知って、僕は喪失感に襲われた。


もう”あの人”と話すことはできない。そう、僕は”あの人”ともっと話してみたかったのに。まさかその機会が失われるなんて、思ってもみなかった。


ただ、僕が疑問に思っていたことは片桐さんの話を聞いて、自然と明らかとなった。



不思議な雰囲気があったのは、異世界人だったから。

あんなにひたむきに本を読んでいたのは、”あの人”の世界には本がほとんど無かったから。

あの本を”好きじゃない”と言ったのは、主人公が元の世界を捨てたから。”あの人”は片桐さんと自分自身が元の世界に帰る方法をずっと模索していたから。

写真集を見て痛そうな表情をしていたのは、空の色や風景を見て元の世界とこちらの世界が違うことを痛感していたから。


しかしわかったところで嬉しくはなかった。僕はそれを本人の口から聞いてみたかった。


ただ片桐さんの異世界の話はどれも興味深かった。”あの人”が生きる世界を少しでも知れて嬉しかった。そんな異世界の話をしている最中に、片桐さんがふと僕を見てこう言った。


「そういえばソラさんから青葉に伝言がある」


ソラさんというのは片桐さんたちで決めた”あの人”の愛称だ。”あの人”は異世界の空のような色の瞳をしているらしいから。


「え」


僕の心臓は片桐さんから言われた言葉で、大きく音を立てた。一瞬爆発したんじゃないかと思うほどに。


「伝えていい?」

「も、もちろん」


僕は頷いた。平静を装ったが、心臓がばくばくとしていて汗が吹き出していた。


「”おすすめしてくれた本、全部面白かった。感謝してる”って」


その瞬間、”あの人”の、あの日の、図書室の、静かな眼差しと、穏やかな声を思い出した。


「…………そう」


僕は確かに”あの人”と出会って、”あの人”と交流して、”あの人”の人柄に触れたのだとその言葉が証明してくれたような気がした。


しかし、”あの人”の伝言にひっかかりを覚えて僕は小さく笑った。


「全部、ね」


まあ確かに”好きじゃない”とは言っていたが、面白くないとは言っていなかったな。と僕はあの異世界のファンタジー小説を思い浮かべた。そして”好きじゃない”本は一冊だけ教えてくれたけど、”好きな”本は教えてくれなかったなと、その時初めて思った。どうせなら、”好きじゃない”本だけじゃなくて”好きな”本を教えてくれればよかったのに。


もっと本の話をしてみたかった。

もっと君の話を聞いてみたかった。

もっと君のことを知りたかった。


でも知ってしまったら、

きっと、

多分恐らく、

僕は、君に恋をしてしまっていたんだろう。


だから断じて今の君に抱く気持ちは恋じゃない。恋になることができなかったなり損ないの感情だ。


だってそう思わないと、

やっていられないじゃないかこんなの。


僕はそうやって自分自身を納得させて、それからの日々を過ごした。


そして受験がひと段落して、あとは卒業式と合格発表を待つだけになったとある日。図書館に行くと、書棚の一角で片桐さんの姿を見つけた。


「やあ」


片桐さんは僕の姿を認めると、穏やかに微笑んだ。片桐さんは友人としてとてもいい人だ。誠実で、純粋で、まっすぐな人。”あの人”に会えなくなったのは残念だが、片桐さんがいてくれて嬉しい面も正直ある。片桐さんも”あの人”と同じくらい本が好きなようだし、気兼ねなく本の話をすることができるから。


「何かいい本見つけた?」


そう尋ねると、片桐さんは持っていた一冊を僕に見せる。


「これ、ソラさんが好きそうだなって思って」


その名前を不意打ちで出されると、脈が乱れる。僕は平静を装いつつ片桐さんに尋ねる。


「どうしてわかるの?」


片桐さんはどこか遠いところを見ながらこう言った。


「ソラさん、読書録を残してたんだよね。その傾向を見てるとこういうの好きかなって」


読書録。”あの人”の。僕の心臓は高鳴った。


「あのさ」


僕は前のめりにならないように慎重に言葉を紡ぐ。


「ん?」

「その、読書録って僕に見せてもらうことってできる?」


片桐さんは不思議そうに目を丸くした。僕は自分の思っていることが片桐さんに筒抜けになってしまわないか少し怖くなった。しかし、ここで引くわけにはいかなかった。


「ちょっとあの人の読む本に興味があって」


すると片桐さんは少し考えるような仕草をした後、にこりと笑った。


「うん。じゃあ次会うとき持ってくるよ。青葉は明日は図書館来る?」


やけにあっさりとOKが出たので、僕は思わず尋ねる。


「いいの?そんな簡単に」


すると片桐さんは頷いた。


「日記とは違うし、許してくれるでしょ」


その口ぶりから、もしかしてあの人が書いた日記もあるのかなと思った。それも読んでみたいが、それはさすがに高望みすぎだ。


「片桐さんがいいなら、明日もここに来るよ」

「わかった。じゃあ明日持ってくるね」


その日は興奮してあまり良く眠れなかった。まさかまだ、本を通してあの人を知ることができるなんて。自分が本を好きでよかったと、心から思った。


翌日、言葉通り片桐さんは読書録だと言うメモ帳を持ってきた。


「ここまでがソラさんのメモだよ」

「へぇ…」


僕はそのメモ帳を大事に持って、決して破れないよう、一筋の折り目もつけないよう、そっと1枚で1枚めくった。


「日付を見るに、この読書録は高校からつけ始めたものだと思う」

「そっか」

「…叶うなら三人で本の話とかしてみたかったね」


片桐さんはそう言って少し切なそうに笑った。


「………そうだね」


僕は静かに同意をした。そう、あの人にもう会えなくて寂しいと思っているのは僕だけではないのだ。少ししんみりとした空気が流れた。それを払拭しようとするように、片桐さんは口を開いた。


「青葉がそれを見てソラさんが好きそうな本がわかったら、お互いに持ち寄ってみない?ソラさんの好きそうな本」


片桐さんのその提案を聞いて、僕の頭の中に光景が浮かんだ。僕と片桐さんがあの人の好きそうな本を片手に語る輪の中に、自然とあの人が加わっているそんな光景を。それは現実的にはあり得ない光景なのだが、僕たちは本を通してあの人と会話をしているような、そんな感覚になるんじゃないだろうか。


「いいね」


僕はにやりと笑ってそう言った。片桐さんも嬉しそうに微笑んだ。


片桐さんも一連の騒動でいろいろと大変そうだったが、今はもうただ穏やかに卒業までの日を待つばかりのようだ。一時期は切羽詰まった様子だったから、落ち着いて良かったと思う。


そういえば藤谷が片桐さんに告白をしていたと言っていたが、その後どうなったのだろう。誠実な片桐さんのことだから、藤谷の告白を放置したままにするわけはないと思う。これは僕の想像だが、藤谷が告白した時は片桐さんは自分自身の存在について悩んでいたんじゃないだろうか。片桐さんの体が片桐さん自身のものだって気付いたのは本当に最近のことだったようだし。


だから落ち着いた今なら片桐さんもちゃんと藤谷に返事をすると思っている。片桐さんと藤谷は傍から見ていて相性がかなり良いように見えるし。藤谷もこのままふらふらと生きていくのかと内心心配していたが、片桐さんと出会ったことでかなり落ち着いたし。


ちなみに良光と日高さんは正直よくわからない。僕は日高さんとはちゃんと話したことがないから。でも二人は仲は悪くないようだし、良光の頑張りによってはうまくいくんじゃないかなあと思ったりもする。責任は持てないのでそんなこと良光には言えないけど。



そうして穏やかに日々が過ぎ、僕らは卒業式の日を迎えた。



卒業式後に忘れ物をしたと言う日高さんを良光が追いかけて行ったのを見送って、僕は藤谷と片桐さんを横目で見た。これは気を利かせた方がいいやつかもしれない。僕はそう思って、その場をいったん離れることにした。


「そういえば、挨拶したい先生がまだいるんだった。ちょっと行ってくる」


我ながらひどい棒読みだったとは思ったが、藤谷たちには引き止められなかった。もちろんまだ挨拶したい先生がいるなんて嘘だ。適当に時間をつぶして、適当に戻ることにしよう。そう思って、僕の足は図書室の方へ自然と向いた。


校舎の中にもう人はほとんど残っていなかった。たまにどこか遠くから生徒の笑い声が聞こえた。


「…」


図書室前に到着して、僕は扉を押してみる。今日は閉館日のはずだが、扉はゆっくりと開いた。もしかして司書の先生がいるのかもしれない。そう思って、中に入って軽く声をかけてみるが、返答はない。静かな図書室に、僕だけの足音が響いた。


ここに来るのはもうこれで最後だ。僕は感傷的になりながら、ゆっくりと図書室の中を歩いた。


あの人と初めて言葉を交わした受付。

あの人が読書をしていた席。

あの人が痛そうに眺めていた写真集。

あの人が”好きじゃない”と評した本。


この学校を卒業すると、あの人との接点が遠くなるような気がした。今だって近いわけじゃないのに。近いから遠いからと言って、何かが変わるわけでもないのに。こんなこと、考えるだけ虚しいのはわかっている。でもその虚しささえも、あの人との接点のような気がして少し満足感を得る自分もいる。


でもこれは恋じゃない。恋になり損なった感情だ。僕は自分自身にそう言い聞かせた。


僕は図書室を一周した後、そこから出た。あまり長居をしていて他の先生に見つかって何か言われるのも嫌だった。


正門に戻る途中で、日高さんと良光の姿を見つけた。日高さんを追いかけた良光はどう見ても告白をしに行ったように見えたが、どうなったのだろうか。二人からぎくしゃくした雰囲気を感じないので、うまくいったのかもしれない。まあその話は後日良光から嫌でも聞くことになるだろう。


二人の視線の先には藤谷と片桐さんがいた。片桐さんが真剣な表情で藤谷に何かを伝えている。すると、藤谷が僅かに嬉しそうな表情をした。ああ、もう大丈夫だなと僕は内心呟いた。



僕は、僕に関わってくれた人たちになるべく幸せに生活を送ってほしいと思っている。それはあの人も例外ではない。でも異世界の話を聞くと、あの人の世界で幸せを追い求めるのは難しいことなのかもしれない。


それならせめて、あの人の思うままに生を全うしてほしいと思っている。

そしてできるならこの世界のことを忘れないでいてくれればいいなと、思っている。



そんなことを思いながら、僕は今日も本を読む。

君が好きになるかもしれない本を。


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