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第一章52 『残された者の戦い』

 正堂の家族が居るとは知らなかった。その言葉が妙に引っかかった。昔から正堂と赤神は付き合いが長いと話しだ。赤神は家族の事をあまり話さなかったのだろうか?


『光秀は幼い頃に家族を失って。それから少しの間、柳生田家に住んでいたんだ。光秀はその頃からずっと海斗さんを兄だと慕っているんだ。本物の家族のようにね』


「そうだったんですね」


 なるほど、それで知らないという事なのか。俺の名付け親が赤神だと言うことも納得がいく。しかし俺と赤神は物心がついてからは面識がない。


 もしかしたら赤神が俺と面識がなくなったのは、神隠しが原因なのかもしれない。俺の親も巻き込まれた神隠しが。


『だから、レインが光秀の弟って事にかなり驚いたよ。まさかこんな有名人が弟だとはね』


 正堂は赤神の言葉を全て受け入れて話を進めていた。正堂は赤神とそこまで深い仲なのか。俺はあの時、赤神の言葉を素直に受け入れられなかった。


「正堂さん、赤神が言っている事は本当なのでしょうか?」


『あぁ本当だと思うよ』


 正堂は間髪入れずに肯定する。その正堂が零したものはとても強いものだった。


「なら――」


「僕は光秀の事が嫌いだ。だが悪い奴ではない、信念を簡単に曲げる奴ではない。海斗さん、そして太陽くんを昔から大事にしていたという絶対は決して変わらない。だからこそ、レインが黒色という事が、確定と言うことだよ」


 俺が言葉に詰まると、それを正堂は理解しながら話していく。霧がかかったような頭が、想いが込められた正堂の言葉によって霧散していく。赤神が発したあの時の言葉は、そのままの意味だった。赤神は心の底から俺のアカウントを戻そうとしていた。


 しかし、正堂はレインが黒だとはっきりと告げた。どうして正堂は確信にそれに至ったのだろうか?


「でも正堂さん赤神はレインを庇って」


『庇うと言うことはもちろんある、弟だという事実がある以上。しかし、僕が思うにはレインから君を遠ざけたと考えられる』


「遠ざける――」


『あのマッドサイエンティスト赤神光秀が一敗しているんだ。アカウントが復活出来ないという負けをね。それ程、強大の力を持った相手と言うことさ安易にレインに近づけば、前回よりも大きい被害が起こるかもしれない。それを想定して、ああ言った話し方を太陽くんにしたんだと思うよ』


「なるほど」


『僕はアルカディアについて、もう一度ゼロから捜索してみるよ。後、これからは、何か起きた時は僕より先に光秀に連絡すると言い。

 悔しいけど光秀は僕より何かしら握ってると思うからね。まぁ本当は僕よりも優秀だから』


 正堂は自分の気持ちを譲ってまで赤神との協力を求めた。これの答えは一つだった。


「わかりました」


『僕からも光秀に一応、メッセージを送っておく。太陽くんアルカディアの詮索よろしく頼むよ』


「はい」


『後、最後にPVPだけは気をつけて、これは君の心の為にも、すまない、頼んでばかりなのに』


「いいえ、俺が選んで進んだ道です。いつもありがとうございます正堂さん」


『……ティアの事、いいや柚葉の事。僕の心の整理が出来たら、しっかり太陽くんに話す。すまない』


「何度も謝らなくていいですよ。任さられた事はきっちりとこなしますよ」


『!? ……そうか……ありがとう太陽くん』


(通話で勝手にお願いした事を、その意図を理解してくれてたんだね。僕も前に進もう……ありがとう太陽くん)


 そして俺は正堂との通話を切り、いつもの部屋へと向かう。


 現時点で判らない事は、俺が噴水広場で姿が変わった事。これは赤神は理解していたと言うことだ。実際、そのおかげで救われた事の方が多い。これはきっと味方の力だろう。


 もう一つは厄災の黙示録だ。アルカディアで唯一無、HPがゼロになると消滅すると決まっている者。これは本当はなんの為にあるのか、それが判れば――


 もし、万が一、黄泉がHPゼロになった場合どうなるのだろうか。シャロも、この事が俺の頭に陰りを作る。俺は一度、考えを閉じ、カプセルに横になる。


 そしてアルカディアへとダイブする。



 …………………………。

 ……………………。

 ………………。

 …………。

 ……。



 俺は目を開けた。



「おはようございます、マスター」

「ひゃあ!!」


 目の前にはなぜかシャロが居た。ちっ近い――あまりの近さにハプニングが起こる所だった。


 あれ? 前回も同じ事があったような。ん〜。


「なにぽけ〜っとしてるのよ! ヘリオス騎士団で早く申請するわよ」


 エレナが怪訝そうに見ながら俺に告げる。


 あれ? 会話が繋がったままだ。どういう事だ。まるで何も起きてなかったかのように。


 俺はゴクリと唾を呑み込む。周りも見渡しても寝ている者も居ない。もちろん、黄泉の姿もなかった。


「マスター、大丈夫ですか?」

「あぁ……大丈夫だ」

「ライト様、行きましょう」


 俺はハンベイに手を引かれ、カウンターへと進んでいく。新しいギルドの創設の為に。





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