第一章47 『再会』
俺達は大門をくぐり抜け、アムル王国へと足を踏み入れた。眼前に広がるのは活気が溢れた城下町。石畳に中世の街並みをイメージされた、風光明媚な街並みである。
アムル王国は東西南北で仕切られ、居住区が分かれている。北門側以外は誰もが自由に出入りする事が出来る。アムル王国もノブナガが統治してるアスラル共和国と同じ様に、様々な種族の者が街を闊歩している。
「先ずは冒険者ギルドだな」
「はいマスター」
俺達は南門側にある、冒険者ギルドへと向かう。転移門も南門側にあるからか、アムル王国の冒険者ギルドも南門側に存在している。
シャロのレベルは30になっている。それに伴いシャロは冒険者ギルドで二次職へのクエストが授与できる。
現時点でシャロの職業はメイジである。メイジの二次職はウィザードかクレリックだ。
シャロが目指す賢者になる為には、ウィザードに転職するのが賢者への道だろう。
後は冒険者ランクを上げる事だ。俺はアスラル共和国で冒険者ランクがAになっているが、シャロはまだFランクだ。ランクアップ試験を受けるのも必要だろう。
しかし、俺はAランクだと言うのに首元の冒険者プレートを隠している。レベル6がAランク冒険者と言うのは些かめんどくさい。まぁジールとミリファの件やギルドの件もある。
俺個人の一番の目的はサラの情報が欲しい。
アムル王国の冒険者ギルドは、アスラル共和国と同じ様に、かなり広く、二階建てになっている。一階部分はクエスト受付や酒場が共用になっている。その為にプレイヤー、NPCの他にHDPのルーシーも働いている。
HDP:アルカディアの開発会社MOが完全コントロールしているホログラフィックキャラクター。
「ライト様、冒険者達は出払っている見たいですね!」
「そうだな、みんなダンジョンやモンスター狩りに行ってるんだろう。しかし、ハンベイ悪いな……俺達の付き添いで冒険者ギルドまで着いて来てもらって」
「僕は好きでお供しているのです。なのでライト様がお気になさる事ないのです」
ハンベイは照れながら、少しブカブカの魔道士の帽子を被り直しながらそう言う。ハンベイの綺麗な青髪に見蕩れてしまう。
すると俺の手を握っているシャロも、俺の方をチラチラと一瞥して銀色の長い髪を少し靡かせる。
「シャロの銀色の髪も綺麗だぞ!」
俺はシャロの頭を撫でる。そして、撫で終えると、その手はハンベイに捕らわれてしまう。またシャロとハンベイの両手ニギニギの刑だ。
透かさず、俺はまた呪文を頭の中で唱える。
――――サラ、サラ、サラ……。
冒険者ギルドの出口で俺達は屹立してると。
「ライトさん達もアムル王国に来ていたんですね!!」
聞き覚えのある声が俺の耳に届く。俺はその声の方へと視線を転じた。
そこには手を大きくブンブンと振っているハヤトが居た。
ハヤトはリーマン草原で出会い、フレンド登録した冒険者である。ハヤトの周りにはもちろん、アユミとリムが居た。
俺の視線に気づくとハヤトは直ぐさま走り出し、俺の方へと向かってくる。シャロとハンベイはそれに気づいて俺の手を解放する。
「ハヤトもアムル王国に来てたんだな」
「もちろん! 冒険者ですから。ライトさん達もダンジョン狙いですか?」
「そうだな!」
「もう! 早いハヤト!! ライトさんシャロさんまたお会いできて嬉しいです」
アユミは勝手に走り出したハヤトに小言を入れた後、俺とシャロに挨拶をする。アユミに追従してきたリムは軽く俺達に会釈をする。
でうちのシャロはと言うと……何故かハヤトと達と最初に出会った時と同じ様にそっぽを向いている。
「初めましてなのです。僕はハンベイと言いますなのです」
ハンベイはシャロの様子を感じ取り、ハヤト達に慇懃に挨拶をする。すると、ハンベイの名を耳にし、リムが少し目を見開く。
そのリムの瞠目した表情を見逃さなかった俺とハンベイだったが。
「俺はハヤトです! ハンベイさんレベル高っ! 68レベルとか……」
「私はアユミです!」
「リムです」
間髪入れずにハヤト達はハンベイに挨拶をする。俺はステータスを確認した。
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PN:ハヤト<人族>
LV:24 JOB:ウォーリア
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PN:アユミ<人族>
LV:23 JOB:メイジ
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PN:リム<耳長族>
LV:33 JOB:ウィザード
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初めて出会った時よりも皆、レベルが上がっている。ステータスに変わった様子はないな。
「ハンベイさんも凄いけど、シャロさんはもう30レベルとか……俺、いつの間にか抜かれてる〜」
「もう二次職ですね! シャロさん!」
ハヤトとアユミは目を爛々とさせながら、シャロのレベリングに驚き褒めるが、シャロは全く興味がない様子である。
「悪いな、シャロは人見知りなんだ」
「大丈夫ですよ!」
「アユミもリアルじゃ人見知りだよなぁ〜」
「もおぅ!」
俺はアユミとハヤトの言葉にお茶を濁した。ハヤトとアユミは屈託のない笑顔を見せながら返事をする。そして、ハヤトは口元をにやけさせながらゆっくりと俺達に告げる。
「ライトさん! 俺達、ギルドを作ったんですよ! ライトさん達ももしかして作るんですか?」
「ハヤトもギルドを作ったんだな」
「も!! ライトさんもやっぱり!! ギルド作るんですね!」
「英雄のギルド!!」
目をさらに輝かせながら感嘆の声を上げるハヤトとリム。
「面白そうな話をしてるじゃない。ライト!」
透き通る声が会話の中に響く。その声の主は嫣然な姿を見せ、俺に歩み寄るエレナだった。
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