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第一章42 『燃えさかる意思』

「ハンベイ、スクロールを頼んだ!」

「わかりましたです」

「マスター、シャロはペコペコです」


 俺をまじまじ見つめながら呆気に取られているユキムラ。その視線を無視しながら、俺はシャロとハンベイに会話をする。


「っておい!! 俺は厄災の黙示録だそ!!! レジェンダリーアイテムが手に入るかもしれないんだぞ!」

「んっで?」


(なんだこいつ……。普通は厄災の黙示録って聞けば戦闘になるだろう? って待てよ……こいつ俺と対話してやがる。どういう事だ??)


 ユキムラが毒気を抜かれた感じは当然の反応だろう。


 厄災の黙示録は冒険者が成り上がるの為の大チャンスだ。冒険者であれば誰もが躍起になり襲いかかる。厄災の黙示録を倒したとなれば、その見聞は全世界に渡るだろう。


 しかし俺は直感で相手にするのをやめた。


「おいおいおい!! 俺と戦いたくないのか?」

「俺は今は急用だ。二人がお腹空かしている」

「なっ……なるほど、それは一大事だ」


 歯切れの悪い感じにユキムラは声を上げたが、返ってきた言葉にぐうの音も出ないユキムラだった。赤い髪を掻きながら困り果てているユキムラだが、俺は完璧にそっぽを向いていた。


(もしかしたら、もしかしたらこいつは他の奴とは違うのか? まっ……まさかな――――)


「おいおい、お前!! 俺に何か聞きたい事はあるか?」


 ユキムラの直感が俺の耳に刺さる。俺は胡乱な眼差しでユキムラを見ながら、ユキムラの方へ振り返り答えた。


「なっ……聞きたいことだと、なら厄災の黙示録は――――」



 ――――空間が歪む。



 ===============

 パッシブスキルが行使されます。

 異常耐性<SSS>

 ===============



 ――――空間の歪みが元に戻る。



「ログアウトするのか?」


 言葉が途中で途切れたような気がする。何だこれ……。システム通知でパッシブスキルが表示された。これは一体――――


「クッハッハッお前!! お前……救世主なのか!!! 俺様の豪運はすげぇな~」


 ユキムラは瞠目していた。俺はどうしてか焦燥に駆られたユキムラの瞳が変わったような気がした。


 俺が質問した言葉に斜め上以上の答えを返してきたユキムラに俺はドン引きした。此奴は俺が思っている以上に、やばい奴なのかもしれない。


「マスター、ハンベイが気を失っています」


 俺はシャロの言葉を耳にして、ハンベイの方へと視線を転じた。ハンベイはシャロに抱き抱えられ瞼を閉じていた。


「なっ――――」

「ハンベイはスース寝ているようです」

「そう……みたいだな」


 ハンベイのステータスには状態異常表示は現れていない。無理やり眠らされている感じもしない。むにゃむにゃと可愛く寝ているハンベイだ。しかし急にどうしてハンベイは眠ってしまったんだ。これはユキムラのスキルなのか?


 堂々と屹立していたユキムラだったが、精悍な顔つきになり会話を始めた。


「俺、俺達は――――――――んだ。だから――――――――」

「……何言ってるんだ?」

「判らないのか?」

「何も言っていないぞ、お前。途中で聞こえなくなった」


 最初と最後は聞こえたが途中、ユキムラは何か話していたのか……。ユキムラは急に口を自ら閉じていたように見えたが。


「あ〜やっぱりダメか〜ハッハッハ」


 そう言いまた頭を搔くユキムラ。苦虫を噛み潰したよう顔つきで、ユキムラは無理やり笑っていた。


「マスター()()()()()()()()()


 シャロの言葉にユキムラが唇をキュッと結んだ。ユキムラはその言葉の意味するところを、理解するにする為に、今までの出来事を思い起こしていた。


(今は……だと! なるほど、なるほどなぁ!! そういう事か)


 ユキムラは目を大きく見開き、俺の方へ強く指さした。


「おい、お前。そのちみっ子が眠る前、何が起こった!」

「……画面が表示されたが」

「なんのだ!!」

「俺のパッシブスキルの異常耐性SSSと言うスキルだ」

「SSSだと!? なんだ……そのふざけたランクは……」

「知らねえよ、そんなの」

「お前――――」

「お前じゃない、俺はライトでシャロ。そして眠っているエルフの子はハンベイだ!!」

「――――」


 なぜか敵である厄災の黙示録である、ユキムラの質問にすんなりと答えてしまった。唐突にまくし立てた、ユキムラの言葉(おもい)は疑問を持つ間もなかった。


 俺の瞳をしっかりと見つめているユキムラは、少しずつ落ちつき、ハッキリと分かるため息をついた後、話し始めた。


「ライト、どうしてそんなにレベルが低いんだ?」

「俺はモンスターを倒しても経験値が入らないんだ。だからこのレベルだ」

「――――そういう事か」


 俺を置き去りにして一人で納得しているユキムラ。


(代償か――――仮定だが。その縛りがあるおかげでそのスキルが手に入ったって事か。しかし、それだと恩恵を受けるには代償が弱すぎる――――ライトはそれ以上のモノを何か無くしているのか? だとすると、ライトがレベルが上がる事に俺達に何かしら希望が生まれるのかもしれない)


「クッハハッハッハ!! 決めた決めたぞ!! 俺様はライト、ライトのレベル上げを手伝ってやる」

「俺と仲間になってくれるってことか?」

「フフフッ厄災の黙示録と仲間か、やはりライト!! 面白い!」


 手で顔を覆い高笑いするユキムラ。俺はそう言ったが嫌な予感がする。背筋が凍りつくような冷たい殺気が身体を通った。


「あぁ! 仲間だ!! 俺様がアルカディアを滅ぼす。抗ってみろよライト。俺様がお前にとって最強の悪になってやる」


 獰猛な笑みを浮かべ、強い意志を込めた言葉を俺に向けた。先程までの少し惚けたような顔つきは嘘のように――――


「何……言ってるんだ、ユキムラ。いや元々敵同士だから何も変わらないか」

「ハッハッハ!! いいや俺様達は仲間だ。最高の相棒だ!! 相棒と会えた記念だ! 俺様に最後に何か聞きたいことはあるか? ライト」


 俺は息を呑んだ。ユキムラの雰囲気がガラリと変わったからだ。ユキムラは何がしたいんだ。


「黄泉姉さんを知っているか?」

「――――」

「おいっ!!!」

「ログアウト」


 ユキムラは俺の問いに無言だった。その無言は答えであった――――黄泉を知っているんだと。ユキムラは黄泉と同じ様にログアウトをした。俺は呆然と立ち尽くしていた。


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