第一章33 『ミエナイモノ』
シャロの圧倒的な火力でビックボアは消滅した。その火力は俺がサンだった時に近いか、いいやそれ以上だった。
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30000G獲得しました。
ビッグボアの霜降り上級肉獲得しました。
鋭い牙獲得しました。
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「マスターレベルが上がりました」
シャロのレベルは15から18に上がっていた。あの火力だとシャロのINTはどの位あるんだ。シャロはリーマン草原でリーフを何度も殴ってやっと倒していた。という事はシャロはSTRは低いはずだ。
STR:物理攻撃に影響。
INT:魔法攻撃に影響。
「シャロは強いな、これだと俺より強いかもしれないぞ」
「マスターの方が強いです」
シャロはレベル以上の火力がある。これはパッシブスキルの影響だろうか。それとも俺と同じようにステータスが狂っているのだろうか――そう考えに耽っていると。
「うるさいわね!!!! 私一人で十分なの!!!」
静まり返っているこの場に女性の裂帛が響いた。
「マスター、エレナです」
「行くぞ! シャロ」
シャロの言葉で頭がフル回転する。この声はエレナの声だ。俺達は直ぐ様走りその声の方へと急いだ。森をぬけその場には男の機械人形四人とエレナが言い争いになっていた。いやあれは――――
「マスター、エレナを援護しましょう」
「そうだな!」
「おいおい、また下等種族かよ」
機械人形の一人が俺達に気づき、そう声を荒らげる。アルカディアでは人族と機械人形がかなり仲が悪い。これはアルカディアの設定である。人族は基本的に他種族と仲が悪い。
アルカディアの設定では多くの機械人形をシルスに追いやったと言う設定がある。人族から作られた機械人形なのにその歴史があり、仲違いしている。一部の機械人形は人族の事を下等種族という。
しかし、こんな場所に下等種族と言う機械人形が現れるとは、かなり珍しことである。三人はレベル40近くで一人がレベル50のトリオか。
「どこ見てるの!! レジスト、アンカー!!!」
ティアは四人の機械人形にスキルを発動させた。パラディンのスキルレジストとアンカーである。
アンカーは相手を挑発して対象のヘイトを自身に向けるスキルでMP消費ない、スキルディレイは350秒である。レジストは魔法攻撃に対する耐性を付けるスキルでMP消費は5%でスキルディレイは350秒、効果は一時間持続される。四人の機械人形は吸い寄せられる様にティアに意識が向く。
パラディンのスキル、ティアは俺達に気づいてヘイトを自分に向けたのか。
そして四人の機械人形は携えているアサルトライフルをティアへと向ける。
アルカディアの種族の機械人形は職業が存在しない。レベルを上がる事に変化が起こる。変化は15でファースト、30でセカンド、50でトリオ、90でカルテットと言う。機械人形はその段階に上がる事で使える召喚武器が増える。
機械人形は魔法スキルが使えない代わりに、無限のMPを持っている。莫大のMPを消費する機械人形のアサルトライフルの形をしたレーザー銃を使う。
機械人形とのPVPは、レーザ銃から出る赤い弾道予測線を読んで戦うか、タンクを前に置いて挑むかになる。俺達はどう見ても後衛、この状況は通常の者であれば圧倒的に不利だが俺は違う。
「下等生物の女がさっさと消えろ!!」
――ドパンッ!
刹那の弾道が声を荒らげた機械人形の男に向かう。しかし俺が放った弾丸は赤い予測線に捉えられ、銃弾はレザーによって消滅された。高速の弾丸は完璧に軌道予測をされていた。旧式の通常の銃じゃ、機械人形には効かないのか。
「まじかよ……」
「……人族が銃だと!!」
人族が銃を使っている事に戸惑う機械人形達。その一瞬のスキを見て、シャロがスキルを放った。
「プチファイヤー」
「甘いな獣! シールドバニッシュ!!!」
トリオの機械人形が右手を獄炎に向け唱えた。それに応じて空間転移された銀色の機械の盾が獄炎から主人を守った。シールドバニッシュは機械人形がレベル50のトリオになると召喚できる武器だ。その武器は二十四時間に一度だけ召喚でき、指定した方向からの攻撃から守る絶対の盾である。
セカンドの機械人形二人がレザー銃をシャロに向ける。二つ赤い予測線がシャロを捉える。俺は二つの弾丸を放った。予測線と弾丸が重なる――――
「ばかな……ありえない……。旧式の銃が予測線を正確に捉えるだと……。しかも、射撃速度が俺達よりも早い。しかしなぜだ!! お前の銃からどうして予測線が出ない!!!」
「人族のクセに!!! 俺達と同格だと!!」
アルカディアでは機械人形が使う銃には赤い予測線が出る。しかし俺の銃はそのルールからは外れている。下等生物からお前か、俺は口元をニヤリとしながら機械人形達に視線を向けた。
「俺がお前たちと同格とは?」
俺はスキル威圧<S>を使用した。壮絶な威圧感が機械人形四人を襲う。スキルの効果で敵は状態異常がスタンになる。
「カラダが……動かない」
「遊びは終わりだ! マジックバレット!!!」
凄まじいレールガンが四人の機械人形をかき消す。閃光と共に機械人形達の姿を奪い去った。前回よりも威力が上がっている。これはヤバい、目立つ場所では禁止した方がいいな。スキルの効果でMPが消費される。
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MP9678/10753
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おめでとうございます。
レベルが2上がりました。
SPを100獲得しました。
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俺のレベル上がった。NPCを倒したとしてもレベルが上がるのか。ティアは俺の方へと赴いた。
「ふん! やるじゃない。まぁ手を出さなくても私が倒せたけどね!」
そう言うと俺をキッと睨みつけるティア。ティアは本当にエレナと見た目がそっくりだな。キャラクターは完璧に瓜二つだ。
「マスター、流石です。エレナも無事でよかったです」
そうシャロは見た目がそっくりなティアにエレナと言ってしまう。まあ当然の反応だ。
「シャロ。この人はティアだ」
「マスター、エレナですよ」
俺はシャロにそう言うが、いつも肯定してくれるシャロは珍しく曲げなかった。しかしシャロがここまで言い切るんだ。もしかしたら、万が一があるかも知れない。鎌をかけて見るか、俺は行動に出た。
「俺は澪のおかげで学園に通えるんだ〜本当にありがとうな」
俺はティアの方に恐る恐るそっと一瞥した。ティアのハイライトが消えていた。完璧に怒ってらっしゃる……。
「な、に、そ、れ、エレナ、澪、何それ、女、女、女、死ねえええ女たらしい!!!!!」
ティアの右フックが俺に迫る。避けられるが、避けた後がきっと地獄だ。くっ……どうしよう、仕方ない使うかスキルを神時計。MPが全て消費される。
「ごめん、ティア。神時計!!」
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MP:0/10753
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――――時間が全て止まった。
「――――ぐはっ」
俺はティアの右フックを鳩尾に食らった。俺は威力で後方によろめきシャロはすかさず俺を受け止めた。
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HP:6275/6694
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「大丈夫ですか? マスター」
「――――」
俺は息を飲んだ。辺りは確実に止まっていた。音のしない世界でなぜかシャロとティアだけ動いていた。そして――――時は動き出した。これは一体どういう事だ。
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PN:ライト<人族>
LV:5 JOB:ガンナー
HP:6275/6694
MP:0/10753
STR:303
INT:1294
VIT:1006
AGI:999
DEX:75
CRT:625
LUK:999
パッシブスキル:限界突破、神のサイコロ、異常耐性<SSS>、物理・魔法耐性+<10%>、オート防御<B>
スキル:マジックバレット、リベンジリフレクト、ミネウチ<S>、威圧<S>、神時計
SP:100
<装備>
左手:ブラッド漆黒
右手:――
頭:白神のヘルム
体:白神の魔鎧
足:冒険者の靴
装飾品:ノブナガのマント
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