第一章26 『ワスレテイタモノ』
無様に泣き叫ぶ事も、諦念に駆られる事もなかった。ただ感情の波が落ち着いていく。
――――黄泉は何かを伝えたかったんだ。
絶対に黄泉は変わらない部分がある。黄泉は俺と桜を愛していた。
しかしこんなチートスキルを簡単に渡せるとは、普通はじゃありえない。これに関与しているのはアルカディアを開発した桜の祖父、和泉総一郎。それともMOの技術開発局か。
「ぐべぇ――」
「マスターごくごくです」
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HP:51/3894
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俺のHPが1から51になる。俺に抱き寄せられていたシャロがポーションを持ち、何故か俺の口に突っ込んでくる。
「マスターもう一本、ごくごくです」
「シャロ待っ――――」
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HP:101/3894
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俺のHPが51から101になる。無表情で俺の口にポーションを突っ込むシャロ。俺はシャロの頭を撫でた。
不器用だけど、回復したよシャロ。ありがとう。
「シャロ、ありがとうな」
「マスター、シャロも強くなります」
「一緒に強くなろう、圧倒的にな!」
そう言い、俺はシャロをもう一度撫でた。するとシャロが思いっきり抱き着いてきた。
「じーーー」
「シャロ!!! 何してる!」
「負けません」
と言うとシャロは更にグイグイくっつく、まるで蝉のようにベッタリと頬をスリスリさせている。
「シャロ」
「マスターは渡しません、マスター、ゲームは楽しくです」
「そうだな!」
とりあえずゲームを楽しむ、それを忘れないように――囚われない、周りを見渡せるように。やる事が沢山できたな。一つ一つクリアしてやる。
俺は黄泉から貰ったスクロールを使いスキルを二つ取得した。
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スクロールが使用されました。
スキルを会得しました。
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リベンジリフレクト<――>
スキル説明:通常攻撃またはスキルを倍にして反射する。
スキルディレイ450秒。
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これは強すぎだろ……。MP消費なしで発動できるとは、スキルディレイは長いが反則だなこのスキル。
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ミネウチ<S>
スキル説明:通常攻撃またはスキル使用時に付与させる。
相手のHPを必ず1残す。
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Sランクに研磨されたミネウチ、これも卑怯だな。必ず効果を出すとは。
俺はステータスを確認をスラスラと眺めていた。
「マスター、クリティカルヒットが大切です」
「CRTか?」
「はい、マスター」
もう当たり前のようにべちゃ〜っとくっついているシャロ。柔らかい、可愛いなぁ。いやいや、サラだ。サラが大切だ。
しかしながら、黄泉姉さんにサラを探しているんだってバレたら、末恐ろしい……。俺は少し身震いした。
シャロが言うステ振り、CRTか、それもそうだな。SPをCTRに全振りする事を決めた。
それにしてもレベルが上がると25から〜50のランダムSPが貰えるが。俺は2レベルに上がった時、50が連続で付与された。これはたまたまかなのか?
そして最初の50SPと合わせて150をCTRに全振りした。
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PN:ライト<人族>
LV:3 JOB:ガンナー
HP:3894/3894
MP:9753/9753
STR:53
INT:999
VIT:456
AGI:999
DEX:75
CRT:125→275
LUK:999
パッシブスキル:限界突破、神のサイコロ、異常耐性<SSS>
スキル:マジックバレット、リベンジリフレクト、ミネウチ<S>
SP:――
<装備>
左手:ブラッド漆黒
右手:――
頭:冒険者の帽子
体:冒険者の服
足:冒険者の靴
装飾品:――
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この職が分からないことは沢山ある。それはステータス上昇だ。通常はレベルが上がった際に貰えるSPでステータスを上げる。もしくはアイテムでステータスを上げだ。
その他にはジョブチェンジすると、ステータスが大幅に上昇する。
例えば、シャロはもう少しでレベル15になる。すると一次職になる事が出来る。職業を変化させるとステータスは大幅に上昇される。
レジェンダリージョブは、どのタイミングがステータスが大幅に上昇する壁なのだろう。レインの奴にちゃんと聞くんだった。まぁアイツは教えてくれないと思うが――――
とりあえず、ノブナカのクエストを早く終わらせよう。アルクス教国は魔法が主の国だ。シャロが賢者になりたいのであれば、足を運んだ方がいい。俺は苦手な国だが。
その途中で村や街もある。レベル15にして冒険者ギルドでクエストを受けてシャロをメイジにしよう。
「シャロ! とりあえずアルクス教国に行こう。一緒にクエストだな」
「マスターとならどこへでも」
「その」
「じ――――」
シャロは無表情だが、仕方ないとでもいうかの様に、耳をぴょこぴょこさせ俺から離れた。
しかし、シャロはどうやってレベル14にこんなに短時間で上がったのだろうか。
「なぁシャロ。エレナと何かやっていたのか? なんでそんなにレベル上がっているんだ?」
「はいマスター。私が一人でリーフを倒していた時に声を掛けてくださって、それから一緒に討伐していました。
私がここまでレベル上がったのはエレナのスキルです。エレナは経験値20倍とゴールド20倍と言うスキルを持っているらしいです。マスターそれでシャロは強くなりました」
パッシブスキルで経験値〇倍、ゴールド〇倍は存在する。
スクロールで売られていたりするが、かなり高額なアイテムである。20倍など見聞きした事がないが。
エレナにゲームでマウントを取られると……リアルで何されるか分からない。レベルすらもうとっくに抜かされている。直ぐに強くなろう……。早く、早くだ。
「シャロ、行こうか!」
「マスターグイグイ」
またシャロはポーションを両手で持ち構えている。シャロの目が怖い。
「そっ……そうだな。その前に教会に行って全回復しよう」
「はい、マスター」
そして、俺達はアスラル共和国に戻った。
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